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今日の筆洗

2024年05月16日 | Weblog
 大学受験の合否を電報で伝える、いわゆる「合格電報」。諸説あるが、最初に登場したのは早稲田大学だったという。1956年のことと伝わる▼そのときの合格の電報文が「サクラサク」。名文句だろう。現在は大学がネットなどで発表するため、合格電報はすっかり廃れてしまったが、今でも「サクラサク」といえば合格を意味する言葉としてそのまま通じる▼不正をしてまで「サクラサク」を手に入れても残るのは後悔ばかりだろうに。早稲田大学の入試で眼鏡型の電子機器「スマートグラス」を使った受験生の不正行為である。警視庁は受験生を偽計業務妨害の疑いで書類送検する方針だそうだ▼試験中にスマートグラスで試験問題を撮影し、これをSNS上に流出させて解答を得る手口だった。この手の電子カンニングは過去にもあったが、スマートグラスまで登場したか。カンニングのハイテク化に大学側も頭を痛めていることだろう▼国立大学に落ち、不安から不正を思いついた-。そう話しているそうだ。分からぬでもないが、受験生は皆、同じ不安に向き合いながら必死に問題を解いている。自分ばかりはと怪しき眼鏡に手を出すとはあまりに寂しいではないか▼この受験生、外部から解答を得るには得たらしいが、結局は「サクラチル」の不合格だったそうだ。不正行為の先にスマートな結末なんぞ待っていない。
 
 

 


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