あらたまのよもやま話

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いじめ問題だけではない学校の問題

2012-08-09 00:00:00 | インポート

建設現場で作業中の中学3年生が、崩れた壁の下敷きになり、亡くなった事件で、警察の調べによると、
この中学生を雇った業者は、彼を「中学生と知りながら18歳として働かせた」とのこと。
もちろん労働基準法違反です。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120808-OYT1T01763.htm

その後、色々な話が出てきました。こちらの記事に詳しいです。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012080902000106.html

これは別の同級生のケースですが、
1.この生徒は学校の許可を得て、授業を休んで働いていた。
2.学校側は会社にあいさつにも行っていた。
3.この生徒が、中卒後土木関係への就職を希望していたので、「職場体験」として認めていた。
4.給料も出ていたが、「職場体験なので受け取れない」と断っていた。
5.父親も「働く意義を学ばせたいので、継続して働かせたい」と要望した。
とのこと。

昨今、学校にかかわる問題は、とかくいじめ問題が大きくクローズアップされがちですが、
学校や会社ぐるみで、年少者の労働に手を染めていたというのは、いじめよりも悪質かもしれません。
しかも、今回亡くなった生徒の件、そしてこの同級生の件と、複数のケースがあったとは。

労働基準法56条2項には、
「非工業的事業にかかる職業で、児童の健康及び福祉に有害でなく、かつ、その労働が軽易なものについては、
行政官庁の許可を得て、満13歳以上の児童を、その修学時間外に使用することができる」
とあります。今回のケースは
「非工業的業種」→「建設の事業」は代表的な「工業的業種」
「児童の健康及び福祉に有害でなく」→本当に?
「労働が軽易なもの」→本当に?
「行政官庁の許可を得て」→普通に考えたら得られないはず。ということは申請も出してない?
「修学時間外に使用することができる」→授業を休んでいたとの証言あり。
と、これだけ疑問のポイントが出てきました。
「家庭の事情もあってやむを得なかったのでは?」とかそういうレベルではないと思います。

90%以上が高校へ進学する中、中学でも就職指導をするというのもまたすごい話と言えばそうですが、
よっぽど、「もう勉強はしたくない」ということなんでしょうか。
「高校ぐらいは出ておこうよ」という指導はしないんでしょうか。
しかし、「職場体験」って、中国や東南アジアから来た「研修生」じゃあるまいし。
あの人たちは、劣悪な職場環境から、「人身売買」とまで言われていますが、
それでも一応賃金は出ています。健康保険や年金関係にも入っています。
この中学生はそれすらも怪しい。

大津のいじめ事件では、学校や警察、教育委員会などの問題が色々と出て来て、
その過程で、関係のない人も巻き込んだ騒動に発展しましたが、
今回は、今回の事故を起こした業者は調べればすぐにわかると思います。
誤爆することも少ないでしょう。といっても、同じことをやれとは言いませんが。
同じく中学生の命が失われている問題です。今後の捜査の進展と再発防止に期待したいと思います。