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PNSO ギガノトサウルスとカルカロドントサウルス



PNSO ギガノトサウルスは、読者の方がご存知かもしれないが、私が見た時には長らく在庫切れだった。おそらく早々に完売したのだろう。その後、なんとかインターナショナルという業者が19000円という高額で販売していたが、高すぎるので買えなかった。しばらく様子見をしていたら、その価格では売れなかったと見えて、他の業者から「サザンドラゴン」の名で7800円くらいで出してきたので、その機会に購入した。最悪、コピー品の恐れもあったが、PNSOの正規品だった。

これは子供にはもったいない、コレクター向けの逸品である。恐竜展などで見るギガノトサウルスの全身復元骨格が好きな人は、Eofaunaのギガノトサウルスを購入されるといいだろう。そちらは復元骨格に忠実である。一方、このPNSO ギガノトサウルスは復元骨格に問題があることをふまえて、アクロカントサウルスやカルカロドントサウルスなどを参考にして製作したと思われる。
 正面から見ると顔の幅が狭く、おそらくカルカロドントサウルスを参考にしたと思われるが、ギガノトサウルスの場合、もう少し広くてもいいとは思った。鼻骨のゴツゴツした角質なども表現されている。体形はカルカロドントサウルス類、アロサウロイドの良さを堪能できる。皮膚表面のウロコやしわ、塗装の色合いについてもティラノサウルス以上のクオリティである。カルカロドントサウルス類が好きな人は、購入されるといいと思う。



PNSO 成長シリーズ・カルカロドントサウルスは予約販売していたが入荷予定よりも早く届いた。開梱した時は、見本写真と色が違うと思った。写真では黄色味やオレンジ色が鮮やかに見えたのに、全体にグレーっぽく見えた。しかし部屋の照明のせいもあり、白バックで写真を撮ってみると彩度は低いが黄色が入っている。見本写真よりも彩度が低いのはケラトサウルスの時もそうだったし、他の商品でもよくあるようだ。慣れて見るとこの方が渋くていいかもしれない。こちらは足が短めでがっしりした体形(写真は少し上から見ているので足の短さが強調されている)で、足の指の短さなども表現されている。ディテールはギガノトサウルスほどではないが、こちらは成長シリーズなので価格帯の違いを考えると、十分な出来栄えである。

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ウルグベグサウルス対ティムルレンギア



弁慶対牛若丸という感じだが、自然界ではほとんどの場合、知能が高いとか敏捷さとかではなく、大きくて頑丈な方が勝つ。ティムルレンギアは3-4 m、ウルグベグサウルスは7.5-8 mと推定されており、体格差が2倍以上あっては勝負にならない。
 また最近の研究にあったように、中型の捕食者のニッチはウルグベグサウルスの幼体が占めているはずなので、ティムルレンギアとしては小型に徹した方がむしろ得策ということだろう。

ティムルレンギアも厳密には描けないし、ウルグベグサウルスは上顎骨の一部しか見つかっていない。よって全くの想像図であるが、それゆえに似ていないとも言えないはずだ。ここは完成度云々よりも、大型カルカロドントサウルス類と小型のティラノサウロイドが実際に共存していたというコンセプトを表現することに意義がある(開き直り)。

論文ではややネオヴェナトル風の頭骨図に当てはめているように見える。いくつかの形質がネオヴェナトルと似ており、おそらくそのため2通りの系統解析で共にネオヴェナトルと近い位置にきた。1つはアロサウルス上科の中にネオヴェナトル科(ネオヴェナトル、メガラプトルなど)を設ける説で、その場合ウルグベグサウルスはネオヴェナトル科に含まれた。もう一つは、コエルロサウリアのティラノサウルス上科の中にメガラプトル類をおく考えで、この場合ウルグベグサウルスは原始的なカルカロドントサウルス類としてネオヴェナトル、コンカヴェナトル、エオカルカリアなどと近い位置にきた。
 ただし、前上顎骨との関節面は保存されていない。歯の角度から、前上顎骨との関節面は垂直に近いと推定されており、それはアロサウルスやネオヴェナトルと似ているという具合である。また、ネオヴェナトルでは外鼻孔が大きく割と丸い形であるが、ウルグベグサウルスでは前上顎骨も鼻骨も保存されておらず、外鼻孔全体の形も大きさもわからない。よって必ずしもネオヴェナトルそっくりに描く必要はないと考える。アジアではやや基盤的なカルカロドントサウルス類が白亜紀中頃まで生存していたというのはいかにもありそうな気がする。モンゴルでもサントニアンあたりまで実はいたのではないかと考えると楽しい。
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