goo

2018 新宿ミネラルフェア


今年も台湾料理のお店が美味しかった。牛肉と大根の煮込み定食。サービスでおかずが付くんですよ。



Peter Pittmann ではイクチオサウルス胎児付きやテスケロサウルスの足があったが、さらにストゥルティオミムスの足指、パキケファロサウルス足の指、ドロマエオサウルスの上腕骨があった。ドロマエオ上腕骨は95000円で、帰り際にはまだあった。



ポーランドのMijo Fossils には、マンモス、シカ、ホラアナグマの骨や歯とともに、ホラアナライオンの骨や歯がかなりあった。牙は11万とかですね。



今回、Zoic では珍しく買わなかった。やはりモロッコ産は急激になくなって、マダガスカルや北米のものがあった。目玉かもしれないが、ミャンマーの琥珀で羽毛入りを並べてあった。「鳥の羽毛入り」と「恐竜の羽毛入り」があるが、うーむ。単純な羽毛が恐竜だということらしいが。鳥にも色々な羽毛があるような気が。写真は珍しいクラウディオサウルスの側面観。



ミュージアムインポートでは、アリオラムス頭骨、プロトケラトプス頭骨などとともに、コンコラプトル頭骨があった。なかなか良いなと思って注目していたら、目の前で長谷川先生がお買い上げに。。。着眼点は良かったわけだ。他の人も見ていたので、もうないかも。



Eldoniaでも今回買わなかった。マダガスカル産、フランス産、過去のモンゴルの化石はそれなりに。哺乳類はイヌ科のキノディクティスなどあった。写真はクリプタダピス。



パレオサイエンスでは、ツーソンで仕入れたクリトサウルス各部の骨、トリケラトプス角、ステゴサウルス皮骨板、ハドロサウルス類尾椎、トリケラトプス脊椎、アロサウルス肋骨、アルバートサウルス中足骨などがあった。バージェス生物もあった。例年通り、恐竜、古人類、カメ、トカゲ、ヘビの頭骨レプリカ、恐竜の歯と爪のレプリカ、RCgearの製品も豊富です。
 私は、ズニのティラノサウルス類の頭骨をお買い上げ。それとケラトサウルス上顎骨です。


コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

Wikipediaの記述について


ウィキペディアを100%信じる人もいないだろうが、参考にはなるものである。恐竜に関しては通常、日本語版よりも英語版の方が信頼でき、非常に適切な記事も多い。そもそも情報量が違う。日本語のヤンチュアノサウルスの記事は現在、5行ほどしかなく、参考文献がポケット図鑑などという状態である。英語版ははるかに充実していて、複数の原著論文を引用している。

ところが、5月26日現在、英語版のWikipedia でYangchuanosaurusの記事を見ると、ジュラ紀中期と書いてある。しかもマメンチサウルスやオメイサウルスと同時代とある。なぜそうなっているのか不明である。他には変なところはない。

Carrano et al. (2012) を引用して内容をしっかり説明してあるので、現在ではジュラ紀中期から後期というべきだろう。ヤンチュアノサウルス・ジゴンゲンシスだけがジュラ紀中期 (Xiashaximiao Formation)で、シャンヨウエンシス(マグヌス、CV00214含む)はジュラ紀後期(Shangshaximiao Formation)のはずである。Shangshaximiao Formationは、 Carrano et al. (2012) によるとオックスフォーディアンから初期キンメリッジアンとある。

ちなみに、Metriacanthosauridae の記事にはメトリアカントサウリダエの共有派生形質が書いてあるが、12個のうち1個抜けている他に、2箇所誤りがある。arm+forearmのところと、ilium ではなくischium の断面である。メトリアカントサウリナエの中にも1箇所ある。

このように、専門的な記述で埋まっていると誰もチェックしなくなり、誤りがそのままになっていることは問題である。
 文章を書く立場としても、注意しなければならないと考えさせられた。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

ユルゴヴキアとドロマエオサウルス類の尾椎の進化



Copyright 2012 Senter et al.

最新ユタラプトルの骨格に驚いてはいけないという話である。恐竜ファンなら思うだろう。ユタラプトルといえば巨大なデイノニクスのようなイメージだけど、尾椎はこれでいいのかと。

恐竜くん情報によると尾椎はそれなりに見つかっているが、今のところドロマエオ型ではないらしいということであった。BYUの最新情報は知らないので何ともいえないが、参考になる情報はある。

結論からいうと、ユタラプトルはもともと、デイノニクスのような尾ではないようだ。ではドロマエオサウルス類の中で原始的な系統かというとそうではなく、二次的に突起が短縮したと考えられている。そのことについては、聞いたこともないようなドロマエオサウルス類ユルゴヴキアの論文で研究されている。
 ブイトレラプトルの尾椎は突起が短いことは知っていたが、ドロマエオサウルス類全体でどうなっているのか知らなかったので、調べてみた。

皆さんご存知のように、多くのドロマエオサウルス類では、尾椎の前関節突起と血道弓の前方突起が非常に細長く伸びて、互いに重なって尾椎を包んでいる。1個の尾椎の前関節突起は、尾椎数個分の長さに伸びている。このように尾椎を取り囲む細長い突起の束を、caudotheca (尾椎鞘)という。
 しかしドロマエオサウルス類の中にも例外があり、原始的なウネンラギア類にはこの構造が発達していない。また大型ドロマエオサウルス類のユタラプトルとアキロバトルでは、中間的な形態がみられる。これらの尾椎では前関節突起が伸びているが、その長さは尾椎1個分を大きく超えることはない。つまり多少は重なるとしても、デイノニクスやヴェロキラプトルのような突起でがんじがらめの外観ではないわけである。このような状態をhemicaudotheca (半尾椎鞘)という。

Senter et al. (2012) は多くのコエルロサウルス類の尾椎を研究して、まとめた尾椎の進化シナリオを描いている。この図には多くの情報が書き込まれているが、まずは星印だけを見ていただきたい。
 caudothecaはドロマエオサウルス科の中でウネンラギア類にはみられず、ミクロラプトル類以上にみられる(黒星印)。Eudromaeosauria はおなじみのヴェロキラプトル、デイノニクス、ドロマエオサウルスなどを含む進化したドロマエオサウルス類である。その中で、アキロバトル、ユタラプトル、ユルゴヴキアでは突起が短くなってhemicaudothecaになっている(白星印)。アキロバトルとユタラプトルは最も大型のドロマエオサウルス類であり、地上で方向転換などする際には尾椎がより柔軟に曲がる方が適しているのではないかと考察されている。つまり大型化にともなって尾椎の状態が祖先のコエルロサウルス類のように逆戻りreversal したといっている。

ここでは説明しきれないが、この研究にはパラヴェス類におけるtransition pointの獲得や、ミクロラプトル類とEudromaeosauriaではtransition pointの位置が異なることなど、多くの内容が含まれているので参照されたい。ドロマエオサウルス類の進化傾向の中には、多くの逆戻りreversalが含まれていることがわかる。

ユルゴヴキア自体は、ユタラプトルと同様に白亜紀前期のユタ州に生息した小型のドロマエオサウルス類である。2 m 程度の小型の種類で、属名は現地語のコヨーテに基づく。シダーマウンテン層のYellow Cat Member の下層なので、ユタラプトルより少し古い時代である。小型だが成体なので、ユタラプトルの幼体ではない。ホロタイプは頸椎、胴椎、尾椎と恥骨の一部からなる断片的なものである。尾椎のうち6個は連続しており、その中にtransition pointが含まれているので、その後方の尾椎が保存されている。前関節突起が伸びているが、中間的な状態ということである。



参考文献
Senter P, Kirkland JI, DeBlieux DD, Madsen S, Toth N (2012) New Dromaeosaurids (Dinosauria: Theropoda) from the Lower Cretaceous of Utah, and the Evolution of the Dromaeosaurid Tail. PLoS ONE 7(5): e36790. doi:10.1371/journal.pone.0036790
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

オービィ横浜でユタラプトル


「オービィ横浜」という所に初めて行ってきましたが、動物好きの子供たちには楽しいところですね。恐竜くん企画の恐竜ハンターは館内のイベントスペースに。せっかくだから動物と触れ合えるコーナーも、と欲張るには日が悪すぎて、5月5日ではさすがに無理だった。カピバラやインコなどと触れ合えるアニマルガーデンは2時間待ち、キャットパラダイスは2時間半待ち、早々に諦めて恐竜だけに専念することにした。

おそらく子供たちには最後の化石発掘体験やティラノサウルスの操縦も欠かせないので、展示に使えるスペースは本当に限られているようです。その中で、恐竜ハンターという切り口で、コープとマーシュ、オズボーン、スタンバーグ一家、アンドリュースといった歴史的な人間模様を描き、見学者を引き込んでいく構成ですね。私は研究史の中の人間ドラマにはあまり関心がない方ですが、一般には効果的なのでしょう。

その流れで北米とモンゴルの有名な恐竜を紹介し、最新の恐竜研究の成果につなげていく。スピクリペウスと最新ユタラプトルを中心に、体色の研究と絡めてプシッタコサウルスとミクロラプトルを配置。ヴェロキラプトルやティラノ頭骨も欠かさないという、コンパクトでよく考えられた構成でした。

今回はガラス越しにコンゴウインコと目が合っただけだったが、空いている日にカピバラさんに餌あげるのも良いかも。


こういうものをドーンと見せることが大事ですね。スペースが少ない時にはウォールマウントが便利そう。


2006年のゴルゴは久しぶりか。


スピクリペウス


異様にがっしりしたユタラプトル。すでに話題になっているように尾椎が気になる。


復元した部分が多いようだが、ドロマエオ的なつくりではある。この歯骨の前端の歯が前傾しているのは何だろう?根拠があるということか。


ヴェロキラプトルでは尾椎のうち近位の10個くらいは分かれているが、11か12番以後はがんじがらめになっている。ユタラプトルで同じ位置を見ると、ずっと後方まで分かれたままになっている。実際にこの通りとすれば典型的なドロマエオ科の形態とは異なることになる。(前関節突起はやや伸びているようだが)


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )