tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

ナルシス

2010-03-25 22:51:51 | プチ放浪 都会編

  

雲見でダイビングした後に泊った下田ダイバーズのクラブハウス。
夕食に出た海鮮のづけ山かけ丼をたらふく食べたぼくらは、あまりにも食べ過ぎたため、身動きできないでいた。
そうしたら、暇をもてあましていたぼくらに、オーナーのカズさんが気を使って、自慢の音楽DVDをいろいろ上映してくれた。
かの有名な「This is it」。キング・オブ・ポップスことマイケル・ジャクソンの遺作となったヤツ。
・・・2時間ぐらいですかね~。
そして、オーナーの趣味、伝説のスーパースター、エルヴィス・プレスリーのアロハ・フロム・ハワイ。
キング・オブ・ロックンロールのプレスリーが30曲ぐらい、ひたすら歌い続ける。なんと、30曲。。
・・・もう、いいっすよ。おなかいっぱいだし。大音量で耳が痛いし。
もう限界となったところで、もう一枚ねと、
ダメ押しのザ・ローリングストーンズ シャイン・ア・ライトのDVD。
・・・おーい。もう体力が限界なんすけど・・・。

ということで、SMAPと海とわんこが好きというかわいいゲストと一緒に、ビート炸裂のロックを夜中まで聞き続けた晩となった。

翌日の帰りの車では、さすがにもうロックは聞きたくないということで、ノラ・ジョーンズを主かけ続けた。
しかし、頭の中では昨夜のマイケルのブラック・アンド・ホワイトがヘビーローテーション・・・。

その日に、新宿で三宅島のダイビングのシーズン・インを祝う飲み会があったため、パーティ会場に向かう途中で、昔なつかしい、新宿歌舞伎町のジャズ喫茶のナルシスへ。
というよりも、思い出して行ってみたらまだ残っていたんだ!と感激。

夕方5時からはジャズ・バーとしてアルコール類も出してくれるのだが、飲み会の前なのでおとなしくコーヒーを注文したら、機械が温まるまで少しだけ待っててねとのこと。
コーヒーが入るまでに川島さん(ママさん)が選んだ古いレコードを堪能。
たぶん、オスカー・ピーターソンの演奏だと思ったのだが、気持ちよい演奏に聞きほれ、ようやく、マイケルのヘビー・ローテーションから解放。
だが、飲み会の3次会で朝まで歌ったカラオケの一曲、Whiteberryの「夏祭り」が今度は耳にこびりついてしまっている。
爆弾低気圧がもたらしたもの。朝帰りの電車の運休と、ヘビーローテーション中の「夏祭り」・・・。
今シーズンの三宅島は、すごいことが待っていそうな、そんな予感がする。。


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菜種梅雨

2010-03-24 23:34:39 | プチ放浪 海沿い編

 

下田ダイバーズから雲見に行く途中、ちょうど今の時期になると満開の菜の花のじゅうたんを楽しむことができる。
この日も道路わきの畑が黄色に染まっていた。

風が吹くと花々がゆれ、何だか内緒話をしているようで可愛く思える。
ここ数日は、爆弾低気圧もあって、風が強く雨も続いていている。
菜種梅雨なのだろうか。

草木が春に向かって芽をはぐくむための恵みの雨。
せっかく咲いてきた山桜にとっては花散らしの雨になってしまうが、優しい雨でもある。
「菜種梅雨」の季節が終れば、5月初旬の「たけのこ梅雨」。そして、5月中旬からは「卯の花くたし」。
その後、梅の実の熟す頃、本格的な「梅雨」がやってくる。


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春にごり

2010-03-23 23:40:27 | プチ放浪 海沿い編

 

先日の雲見。カズさんによれば、実に30年ぶりぐらいという春にごり。
海水の透視度は1.5m程度。
潜っていても何にも見えず、まさに手探りでのダイビングの状態だった。

この春にごりは、植物性プランクトンの大量発生によるものだ。
春先になると日照時間が延びて太陽の光が海に注がれ、また水温も上昇して、植物性プランクトンが海水中に一気に増えてくる。
水温がさらにあがれば、海藻が育ち海水に溶け出し、透視度をさらに低下させる。
この植物性プランクトンは動物性プランクトンのエサとなるのだが、動物性プランクトンは魚類など水生動物のエサとなる。
つまり、今年の海は30年ぶりにエサが豊富なので、サカナがたくさん獲れることになる。
アジなどのサカナは今年は大漁となるに違いない。

さて、春にごり。水中ではやや褐色に近い色の微視的な浮遊物なのだが、写真に撮ると鮮やかな緑色を呈している。
まるで、バスクリンを溶かした水のよう・・・。
褐色の補色が緑系の色だからなのだろうが、写真で見ると緑色のスクリーンを通したような幻想的な景色となって写る。

今年はエサが豊富なことから、海の中でいろんなサカナたちと出会えるのかもしれない。
今から楽しみだ。


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おーい、なんも見えないっすけど・・・。

2010-03-20 14:19:29 | プチ放浪 海沿い編

 
 

3/19(金) 雲見・牛着岩、  天候 曇り 水温 13.8℃ 透明度 1.5メートル
(1本目)水路、(2本目)グンカン

「薄桃色の、風を切つて  走つてゆくのは菜の花畑や空の白雲」
-中原中也「在りし日の歌」

温かい風が吹き抜けた朝、下田はもうしっかりと春の景色。腰程度の波、潮は低速、数多、風はなぎ。
早朝の大浜の波の上で、カップルのサーファーが手を振ってくれた。

ところで、レミオロメンの「3月9日」は、メンバーの友人の結婚式のために作られた唄だそうだ。
今では卒業ソングとしてすっかり定着していて、卒業式で歌う学校もあるようだ。

♪新たな世界の入り口に立ち 気づいたことは一人じゃないってこと♪

さて、雲見の海。牛着岩の水路から見上げれば、春にごりのこの時期のパノラマ。曇りガラスの向こうに、キンギョハナダイの魚群が幻想的に映る。
ダイバーが通りすぎる時、キンギョハナダイたちは二手に分かれて道を譲ってくれる。
幻想的な景色が楽しめる、この時期ならでは雲見の海。


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春日狂想 鎌倉比企ヶ谷妙本寺

2010-03-17 23:07:53 | 古都 鎌倉

 

中原中也が長谷川泰子と知り合ったのは1923(大正12)年の冬のことだ。16歳。県立山口中学を落第した彼は、京都の立命館中学第3学年に転入学。
そこで高橋新吉『ダダイスト新吉の詩』に出会い、ダダイズムに傾倒するようになる。
泰子は小さな新劇劇団「表現座」に所属するかけだしの女優だった。芝居の稽古をやっていた小さなビア・ホールで2人は出会う。
ダダの詩を見せてくれた中也に言った一言

「おもしろいじゃないの」

その一言で中也は恋に落ちる。
「表現座」は第1回公演ののちに解散してしまう。稽古場に寄宿していた泰子は行き場を失い、困窮。そんな、泰子に中也は声をかける。

「ぼくの部屋に来てみてもいいよ」

1924(大正13)年4月、2人は市内北区大将軍西町椿寺南裏高田大道方にて同棲生活を開始。この時、中也17歳、泰子20歳。泰子はアインシュタインの相対論からカフカの文学まで、自由自在に語れるような知性の女性だったらしい。

 あゝ 恋が形とならない前、
 その時失恋をしとけばよかつたのです。

・・・ダダイズムは一切を断言し否定する。
結局、中也は泰子との同棲生活、あるいは、友人たちとの間に生じる僅かな心情の行き違いを理想との間の落差と捉えたのだろうか。
泰子は彼が何を考えているのか分からなかったようだ。希望と野心に燃える若い二人の眼には、お互いの虚像だけが結像していたのだろう。

そんな時に、中也の友人小林秀雄がささやく。

「あなたは中原とは思想が合い、僕とは気が合うのだ」

泰子は自分の女優になる夢のため、小林秀雄のもとへ去る。しかし、1928(昭和3)年小林秀雄とも別れ、1936(昭和11)年、実業家と結婚。

「鎌倉比企ヶ谷妙本寺境内に、海棠の名木があった。こちらに来てその花盛りを見て以来、私は毎年のお花見を欠かした事がなかったが、先年枯死した。
枯れたと聞いてみ無残な切り株を見に行くまで、何だか信じられなかった。中原と一緒に、花を眺めた時の情景が、鮮やかに思い出された」

そんな小林秀雄が中也と妙本寺を訪れ、海棠の散る光景をみつめたのは、昭和(1937)12年の晩春のことだ。
中也は、それから半年もたたない10月、鎌倉養生院(現・清川病院)で病没する。


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