延長線上

ワンピースの感想が終わり、延長線上はまた一つ延長して、なにやら分からんブログへ・・・

木漏れ日に泳ぐ魚とミステリというなかれ

2021年06月08日 | 
恩田陸の本を読みました。
基本的にネタバレをしてきたこのブログですが、さすがに全文ネタバレとしてわかるものは良くないと判断して書くことにします。
でもあるかもですけど配慮します

感想
ミステリーの皮をかぶった恋愛小説です。

ミステリーの要素はたくさんあって、それが暴かれていく展開すごくスリリングでした。
2人の関係、死んだ男、もう一人の女の子など色々なことです。二転三転するのも良いです。
でもなんでミステリーではないのか。暴かれていくけども何が正解かは結局わからずじまいなところです。
2人の関係も、死んだ男も、もう一人の女の子も、色々な行動の理由も。
でも結局、腑に落ちただけなんですよね。
しかも死んだ男のことでは、男の人と女の人では得ている結果が違うっていう、女性の方は新しい正解を得たようでなんだか男女の差すら感じさせるものです。

あとこれ、男性の描写がちょっと古い感じもリアル

で、アマゾンの感想にもあるんですが、2人の関係が終わった決定的な瞬間は、2人の出自がわかったことにあるって書いていた人もいたんですが、それもあるかもですけど私はやっぱりビンタなような気がします。
ビンタされた後、女は男との恋愛を総括する会話があるんですが、それを読んでわかる通り、
DVってもっと怖いだったり、がっかりするだったりだけど、女はビンタされたあとも特に気にすることもないわけですよ。そういう関係って少なくとも恋人同士ではないわけですよ。なるほどって感じ。今の時代男が女にビンタするなんてなかなか物語でも強い意味を持つものです。そういうテーマじゃなければ実際ビンタは描かれることはないです。それなのにあえてやったことに意味があるのかなと思います。

だから、ビンタされたことで恋愛が終わり、終わった男とのその周辺の出来事なんかどうでもいいから正解など必要がないから、描かれていない。だからこれはミステリーなんですよ。

面白かったです。今日読んでとくsに咀嚼もせず感想を書いたくらい面白かった。
おすすめ

そんで、
「ミステリというなかれ」がドラマ化。
これ一話読んだときに衝撃を受けました。面白い。
田村由美は過小評価されている漫画家の1人だと思います。もっと名声が足りない。
3巻まで集めたものの、「いやねげーよ!」でやめてはいるんですが
この一話に集約されてるんですよね、この話。
タイトルから名前まで本当に考えられていて、感想前に書いたかな、書いてないと思うので改めて書くけども

タイトルがね「ミステリ」でね「ミステリー」ではないんです。もちろん語源がミステリらしいのでこれの方が文学的には正しいようですが。
でもこのミステリは「見捨てり」という謎の日本語に置き換えると「見捨てりとは言うなかれ」と考えてみる

で主人公の久能整。
そんで登場人物たちはみんなトラウマとかカタルシスとかそんなものを少しずつ持っていて、悩み生きる人たちの姿。殺人犯でさえそういう描写。
それぞれが苦悩を持ち寄って集まった、それを一つ一つ整えていくと真実が見えてくるって話で、実際の犯罪以外の所も手入れして改善の方向へ導いてしまうのがストリーラインで
見捨てなければ見えてくるんだよっていう話。
「苦悩」を「整」えて「見捨てない」ので見捨てるなんて言っちゃダメだよっていう話。

良い話だ。一話の衝撃は忘れないな。
もちろん現実に起こりえるようなトリックではないが、フィクションとして隙が無くてほんとエンターテイメント。

ああいうドラマ化の時ってキャスティングに顔だけで選ぶ人って割とキャスティングのセンスを見ると、こんな人がキャスティング権持ってなくてよかったなあって思う。多分このキャスティング成功すると思う。すだまさきは帝一しか見たことないけど。
一話が好きなので一話は見る
コメント
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