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指原莉乃 「ミューズの鏡」第13話~第24話(総選挙分析ライター)

2012-09-27 23:00:00 | 映画・芝居・ミュージカル・ドラマ
指原莉乃 「ミューズの鏡」第13話~第24話(総選挙分析ライター)


指原莉乃「ミューズの鏡」第13話 再び悪魔憑依

2012年4月7日放送の第13話は、第12話に引き続きマキ(指原)の出番は少ない。前半はうらら失踪のきっかけとなった君島がマキのことを好きでうららを振った話。後半は麗子がオーディションで課題として与えられたサヤ役をうまく演じるシーンが中心。

注目点は主に中盤に登場するマキに第12話では取り憑かなかった悪魔が、沖田に「おまえも女優なら悪魔に魂を売ってのしあがれ」と言われると再びマキに取り憑くようになりマキが悪魔の顔となるところ。このシーンでは悪魔(=マキ)は何もしゃべらない。目を丸く大きく見開き、口を半開きにして横に捻じ曲げた表情は従来と同じだが、一瞬大写しのアップで映る指原の顔は強烈。

ミューズの鏡 第13話 2012年4月7日放送
劇団員たちを前にイライラしてうらら(平野綾)のことを話す沖田(池田成志)。実は君島(浪川大輔)と近衛(竹財輝之助)の殴り合いのあとうららが消えたのだ。稽古場には3日も来ていない。ドラマはキャンセル。実家でも連絡がつかないという。

沖田(池田成志)はうららが消えた理由を君島が知っているのではないかと君島を問いつめると君島は、うららから「愛しているのは司(近衛)ではなく清次郎(君島)だ」と告白されたが、「寝ても覚めてもマキ(指原莉乃)のことを考えている」という本心をうららに話したことを明らかにした。それが、うららが消えた真相だったのだ。

「わたしがここに来なければこんなことには・・・わたしなんて罪なことを。自分が魅力的なことが人を悲しませている」とうららの失踪を自分の罪と感じてしまうマキ(指原莉乃)。

うららが消えた理由を知った沖田は、映画の主役が不在となり新たな主役を決めるためのオーディションを始めることを決意する。主役の座に立候補した麗子(水沢奈子)に対して、当初マキは親友役で十分と主役を固辞していたが、沖田に「おまえも女優なら悪魔に魂を売ってのしあがれ」と言われると、突如、「女優という名の悪魔」に取り憑かれ、マキも主役に立候補する。

翌日から映画のワンシーンを演じるオーディションが始まった。沖田は演じるワンシーンを「主人公サヤがふと出かけたとき、下駄の鼻緒が切れたことに気付く。なにか不吉な思いに捕らわれながら、ふと、足元にころがってきた蜜柑を見て、貧しくて三日三晩なにも食べていないことから、ついつい、それを食べてしまう。しかし、それは毒入りの蜜柑だった。倒れてしまうサヤに、目を覚ますとそこには何年かぶりに再会した兄がいた。自らを救ってくれた兄に感謝しつつ涙を止めることができないサヤでございました」と劇団員たちに案内し、さらに、演技を中断したら役を放棄したと見なすと言って、この場面を麗子とマキに演じさせた。

麗子の演技に「なかなか腕をあげたな」と褒める沖田。一方で、マキが演技を始めると切れているはずの下駄の鼻緒が切れていなかった。あやの(荒井萌)がマキの鼻緒に罠をしかけたのだ。この罠にマキはどう対処するのか?

あやのの罠に追い込まれたマキ、起死回生の策は果たして・・・


指原莉乃「ミューズの鏡」第14話 オーディション

2012年4月14日放送の第14話の見所は、主役を決めるオーディションで次々にわなを仕掛けられるマキ(指原)が、そのわなを乗り越えるソロの演技シーン。第12、13話でのマキの出番が少なかっただけに、ここは見応えがある。

このオーディションの演技中にマキは2度にっこりと微笑む。舞台に上がってマキが沖田に与えられた配役で「演技中」に微笑むシーンは全編でこのシーンだけ。最初はアイドル風に手を挙げて「いくぞー」と叫び微笑む、次は兄との再会を喜びそこで微笑む。この2度の笑顔はさわやかだ。

ストーリー的には、このオーディションでの演技の成功によってマキは主役の座を勝ち取り銀幕へ華々しいデビューを飾る。そして、このあと女優としてのサクセスストーリーが始まるような展開を予想させる。だが、話はそんな単純でハッピーには進まず、もっと複雑でどろどろとした人間関係のなかでボロボロになりながら進んでいく。

なお、第14話ではマキの変顔シーンはない。

ミューズの鏡 第14話 2012年4月14日放送
オーディションで次々にわなを仕掛けられるマキ(指原莉乃)。最初に仕掛けられた下駄の鼻緒が切れていないというわなには、「鼻緒が切れていると思ったが切れていない。よし、いくぞー」と明るい声で叫びにっこり笑って、再び歩み始める。「あの笑顔だ。彼女を見るものすべて、あの笑顔に吸い込まれてしまうんだ(近衛:竹財輝之助)」 次に蜜柑を食べるシーンで蜜柑のかわりに硬い生のかぼちゃが出されたわなには、「なんだろう、これ?わからないから食べないわ」と言ってなんなく乗り越えてしまう。「貧しすぎてかぼちゃを知らんのだ(沖田)」

「負ける。あの女は生まれながらの女優なのよ」と泣きそうになる麗子(水沢奈子)に対して、毒入り蜜柑を食べないと苦しみで倒れることができず演技が続けられないはずだと言うあやの(荒井萌)。それに対してマキは、突然、両手で自分の首をつかんで苦しみだす。それは貧しさ故の苦しみだった。その苦しさのために倒れてしまう。兄の役として劇場に上がった君島(浪川大輔)に抱き起こされたマキは、涙を流すはずだったが、何度も目をぱちくりして涙を流せないでいると沖田(池田成志)は「涙を流すなど役者にとって初歩の初歩。子役だって涙を流すことはできるわ」と叫び、演技を打ち切ろうとする。その瞬間、マキがにっこりと微笑みかけている姿を見て「ここで彼女は笑うのだ。彼女はすでに流すべき涙は枯れ果てて喜びで流す涙など残っていないのだ。うれしいときは笑うのだ」と言ってマキの演技を絶賛する。そして、沖田はマキを主役に据えることを決定する。

その演技力により晴れて映画の主役の座を射止めたマキは華々しく銀幕にデビューする。

だが、監督の要求通りのセリフが言えず稽古場で悩むマキ。そこへ、君島が現れマキの悩みを聞く。マキがセリフをうまく言えないのは、「映画のクライマックスで、ずっと陰ながら支えてくれた親友にお礼を言うシーン」だと言う。

まさにそのとき、どこからか「エンジェルオブプレイ(演劇の天使)」という不思議な歌声が聞こえてくる。君島はマキに「天才女優が現れると地下に住む稽古場の怪人が目を覚ます」、「前にファントムが目を覚ましたのはあの花柳レイカがやってきた日」なのだというこの稽古場に伝わる伝説を語る。マキは君島と地下に住む稽古場の怪人に救いを求めて会いに行くことを決意する。


指原莉乃「ミューズの鏡」第15話 稽古場の怪人ファントム

2012年4月21日放送の第15話は、今までのストーリー展開から一端大きく離れる。稽古場の地下に住む?という怪しげな「ファントム」が登場してマキ(指原)に稽古をつける。これはマキが見た“夢”とでも位置づけておくような話。

もう一方で、君島に振られたうららは交通事故に遭い記憶喪失となってしまうという不幸にみまわれる。記憶を失ったうららは今までのうららとは言葉遣いも動作もまったく別人のようになってしまい沖田やマキ、劇団員たちを驚愕させる。

ミューズの鏡 第15話 2012年4月21日放送
マキ(指原莉乃)と君島(浪川大輔)が地下の稽古場に降りていくと、そこには顔の下半分を仮面で隠した稽古場の怪人ファントム(池田成志)がいた。マキと君島は怪人ファントムの素顔が見たくなり、君島は無理やりファントムの仮面を剥がしてしまう。仮面を剥がされオネエ言葉で怒るファントム。なんと、剥がされたファントムの顔の下半分は髭剃り後で青々としていた。

マキは「どうしてもうまく言えないセリフがあって」とファントムにたのみ稽古をつけてもらう。ファントムはマキと君島に課題を出しレッスンをする。親友への感謝の言葉が言えないというマキに対してファントムは、「セリフは人生を語る。おそらく君は信頼する友が存在しなかったのだ。しかし、想像していない状況を作るのも俳優の技。君の頭と心で作った友にそのセリフを捧げるのだ」と教えられる。ファントムは男性好きで君島には無上に優しかったが、女優のマキには「薄汚いメス豚、こ汚い娘、蝉に生まれ変わって8日目に死ね、女優やめてナメクジになって塩かけて溶けろ」などの容赦なく厳しい言葉を浴びせかけながら稽古をつけた。マキはこの怪人ファントムによって壁を乗り越えたのだった。

一方、うらら(平野綾)は暴走族とドライブ中に交通事故に遭い、記憶喪失になってしまう。見舞いに行っても「うららが交通事故にあったのは劇団のせいだ」と家族に言われ追い返される劇団員たちは動揺を隠せない。

沖田(池田成志)はそんに劇団員たちに「役者は不幸を糧にしろと」と叱咤し、「俺は演出家という悪魔だ」と言い放つ。この言葉に反発する劇団員たち。そこにうららが現れる。「ばーか、ばーか、うんこ、うんこ」と叫ぶうららに沖田やマキら劇団員たちは驚愕する。うららが元の正気に戻って欲しいとうららと殴りあうマキ。マキに殴られたうららはマキに土下座させ、マキの頭を踏もうとするがそのときうららの頭に激痛が走る。

うららもまた、迷いの淵をさまよっていた。


指原莉乃「ミューズの鏡」第16話 血の運命

2012年4月28日放送第16話の注目点は、母の由美子が家出し、うららが記憶を失った原因は自分にあると考えるマキ(指原)が生気を失ってしまうが、その表情を「白目を向いて口を半開き」にした『変顔』で演じているところ。

これで指原の『変顔』は、第8話の“白目を向いて唇を突き出す”という「オフネ」求愛変顔、第9話の“目を丸く大きく見開き、口を横にひん曲げた”「悪魔」変顔、第10話の“目を大きく見開き、あごを前に突き出して唇を下方向にへの字にした”「ゴリラ」変顔、第16話の“白目を向いて口を半開き”にした「生気喪失」変顔の4種類。

ストーリー的には、第15話でうららが交通事故で記憶喪失となる不幸に遭遇することに加えて、この第16話では君島はマキの母由美子が産んだ実の子だがその由美子が捨てた子、マキと君島は実の兄妹という驚愕の血縁関係が明らかになる。全体的に暗く、重く、ドロドロとした雰囲気だ。

この話の展開のなかで、マキが母の由美子から誰が兄か考えてごらんと言われて、目を大きく開けて上を向きその後すぐに瞳を斜め下方にそらし、すぐに真正面に転じ、次に下を向きまた正面を見据え上を向く仕草があるが、そのシーンでのマキ(指原)の表情(特に瞳の動き)は可愛らしく豊かである。

ミューズの鏡 第16話 2012年4月28日放送
稽古場で沖田のもと発声練習をする劇団員たちだが、マキの声が聞こえてこない。母・由美子(陽月華)が家出し、うららが記憶を失った原因は自分にあると考えるマキは、演技にも身が入らず、白目を向いて人間の生気を失ってしまう。

君島に家まで送られたマキだが、家の中でもたびたび白目を向いて生気を失ってしまう。君島はシェークスピアのセリフの練習をマキと始めるがそこにマキの母親の由美子が何ヶ月ぶりに戻ってきた。由美子はマキがスターになったことを新聞やテレビで見て知っていた。このあと一緒にいたいと言うマキに由美子は一つだけ聞いてほしい話があると切り出す。

由美子は帰ろうとする君島を引き止め君島に「むしろおまえに話したい」ことなのだと言う。由美子はマキに「おまえにはお兄さんがいた」が、生活が苦しくて「その子を捨ててしまった」。 そのお兄さんとは沖田先生かバイト先のご主人かと尋ねるマキに対して由美子は「その兄とはここにいる君島さんだ」と告げる。君島は絶句し、「なんていうことだ。絶対に信じたくない。信じたくない」とつぶやく。

君島は「僕とマキちゃんは恋に落ちてはならない関係なんですね。兄と妹なら僕とマキちゃんは決して結ばれない。なんてことだ」と言ってマキの家を飛び出していく。

血の運命に翻弄される兄と妹、マキはある一つの決心をするのだった。


指原莉乃「ミューズの鏡」第17話 呪われた「ミューズの鏡」

2012年5月5日放送第17話の注目点は、冒頭、家でマキ(指原)が母・由美子とちゃぶ台に座り会話をしているシーンで母からおいしいものを作ると言われ、そのことを心底うれしそうに笑顔でこたえるシーン。これまでマキは母・由美子からつらくあたられるシーンが多く、笑顔を交えて母と語り合う姿は第17話にして始めてである。にっこりと笑う笑顔がなかなかいい。

ストーリー的には、劇団の経済的な事情からTV局の要請で沖田が今まで封印していた自作の「ミューズの鏡」の上演をせざるを得なくなるという新たな展開が始まる。沖田はその主役を交通事故から記憶が戻ったうららに決めるが、そのうららが再び交通事故に遭うという悲劇が襲う。その知らせを聞いた沖田は「このミューズの鏡は呪われた台本なのだ。ことごとく関わる女優を不幸にしていく」と叫ぶところに今後の不吉な悲劇性が暗示されている。その「ことごとく関わる女優を不幸」にする役にあえて沖田の「つらいところを見ていられない」という沖田への“愛”から引き受けようとするマキ。このマキの前途はこのあとどうなってしまうのだろうか?

ミューズの鏡  2012年5月5日放送
母・由美子(陽月華)が家に戻った。由美子はマキ(指原莉乃)の映画の出演料はいつ入るのかと気をもむ。由美子は給料が入ったらおいしい食事をつくるとマキに言い、マキもその話を喜んで聞いている。

一方、稽古場では沖田(池田成志)が劇団員たちに今まで演じる女優がいなかったため封印していた自作の「ミューズの鏡」を昔、資金面で劇団を支援してくれたTV局の要請で上演することになったことを告げる。演じる女優は向田マキと決める沖田に対して、麗子(水沢奈子)は自分にやらしてくれと頼みこむが、無理だと言う沖田。そこに記憶が戻ったうらら(平野綾)が現れる。

「ミューズの鏡」は「わたしのために用意されたお芝居なの」、「わたくしに、この彩吹うららにこのミューズの鏡をやらしてください」と沖田に頼み、沖田もデビューまもないマキよりTV局が喜ぶということでうららがやることを承諾し、翌日台本を配ることを伝える。沖田が部屋を出た後、君島(浪川大輔)は唐突に「向田さんにこんな大役が務まるわけがない。まだ、演技のスタイルが固まっていない。うららがいなかったら、まだ、麗子君のほうが適任だったよ」とマキにつらくあたる発言をする。

その言葉を家でも気にして母に心配されるマキ。

翌日、マキは昨日のことを気にして君島に由美子が語った出生の秘密のことで話しかけるが君島はこなんところで話すことではないとそっけない。稽古場に現れた沖田は台本を配ろうとするが、そこに近衛(竹財輝之助)が駆け込んできて、昨晩、うららが再び交通事故にあったことを報告する。酔っ払い運転の車がうららの歩いている方向に飛び込んできたのだ。「やはりそうなのか。このミューズの鏡は呪われた台本なのだ。ことごとく関わる女優を不幸にしていく。」と叫ぶ沖田に対して、上演の中止を求めるあやの(荒井萌)。だが、劇団存続のため上演は中止できない言う沖田に、「先生、わたしにやらしてください。先生のつらいところ見ていられません」とマキは切り出した。


指原莉乃「ミューズの鏡」第18話 しゃくれ顔

2012年5月12日放送の第18話の注目点は、最後のところでマキ(指原)がうらら(平野綾)と激突してしゃくれ顔となるところ。この第18話では前半はうららがしゃくれ顔を演じているが、うららのしゃくれ顔は頬を引いて幾分あごを前に出し早口で話すことにより顔全体であごがしゃくれているイメージを出しているのに対して、指原のしゃくれ顔はあごを前に目一杯突き出し、下の前歯を上の前歯より前方に出して下唇をアヒル口のようにして甲高い声で話しながらしゃくれ顔を強烈に表現している。臆面もなく演じているところがあっぱれ。

これで指原の『変顔』は、第8話の“白目を向いて唇を突き出す”という「オフネ」求愛変顔、第9話の“目を丸く大きく見開き、口を横にひん曲げた”「悪魔」変顔、第10話の“目を大きく見開き、あごを前に突き出して唇を下方向にへの字にした”「ゴリラ」変顔、第16話の“白目を向いて口を半開き”にした「生気喪失」変顔、第18話の“あごを前に目一杯突き出し、下の前歯を上の前歯より前方に出して下唇をアヒル口のようにして甲高い声で話す”あご「しゃくれ顔」の5種類となった。なお、「ミューズの鏡」ではこの5種類が指原の演じた『変顔』の全バリエーションである。

ミューズの鏡 第18話 2012年5月12日放送
稽古場に現れたうらら(平野綾)は、事故で顔にけがをしたあげく、あごがしゃくれてせりふもまともに言えなくなっていた。そのうららに「ポンコツ女優に用はないわ。さっさとここから出ておゆき。ミューズの鏡はわたしがやる。そしてスター女優になる」と宣言する麗子(水沢奈子)。沖田は美川(麗子)に「ミューズの鏡」の主人公大鳥しずかのセリフを覚えておくようにと指示する。

「(花柳)レイカ、お前が呪っているのか」と叫びながら浴びるように酒を飲む沖田(池田成志)。

一方、マキ(指原莉乃)は家で母・由美子(陽月華)に君島(浪川大輔)が本当に兄なのかを確認する。その話をするなかで、マキは母由美子に「わたしがドキドキするのは沖田先生だけです」と話した途端に由美子から「あの男はダメだ!」と一喝される。

君島との関係に悩むマキは稽古場で君島に3人で一緒に暮らそうと提案するが実の母親から捨てられた事実に悩む君島から拒否される。君島はその憎しみをマキに向けていたのだ。

稽古場に現れたうららにひどい言葉を浴びせる麗子とあやの(荒井萌)。それを聞いていたマキは自分がいるためにこの不幸が起きていると思い込み、「死んだほうがましだ」と叫び外に飛び出そうとするが、それを止めようとしたうららと激突する。その衝撃で、うららのあごしゃくれは直るが、今度はマキのあごがしゃくれてしまった!

うららからしゃくれが移ってしまったマキ、ああしゃくれ悲しや。


指原莉乃「ミューズの鏡」第19話 マキ「ミューズ」の主役に

2012年5月19日放送の第19話の見所は、あごしゃくれになったマキ(指原)とそのマキのあごしゃくれを心配するともか(上田眞央)との会話シーン。この場面は実におもしろく笑いなしには見られない。とにかく、あごしゃくれで話す指原の表情(幾分アントニオ猪木に似ている)とその声が絶妙。かつてトップアイドルがこれほど滑稽な変顔で、これほど長く(90秒)セリフを語ったシーンがあったのだろうか?変顔で真面目にセリフを語っているだけに、変顔とまじめさのギャップがあまりにも大きく笑いを誘う。

もう一つの見所は、沖田が主役をうららからマキに替えるシーンでマキにこれまで最大の悪魔が取り憑くが、その最大の悪魔の表情(変顔)が壮絶。目を真ん丸く目一杯見開き、口を四角に開きあごを突き出して下歯を大きく見せた顔だ。この直後にマキのあごしゃくれは直り、普段の指原の顔に戻るがそのギャップ見物。さらに、直後、沖田に早口言葉を言ってみろと言われて「青巻紙、赤巻紙、黄巻紙」を三回繰り返すが、二回目、三回目とも噛んでしまっているところは愛嬌か。

ミューズの鏡 第19話 2012年5月19日放送
沖田(池田成志)はマキ(指原莉乃)の母由美子(陽月華)を稽古場に呼び出し、マキが実の子でないことをなぜ告げないのか問いただす。由美子は逆に沖田が「本当は誰の子だか存じませんが」と言うのを聞いて、「誰の子か知らないのかい?ありえない」と驚愕する。

一方、マキの家に来たともか(上田眞央)は、マキのあごしゃくれを心配する。(指原あごしゃくれで90秒間話す、変顔最長シーン)

稽古場で稽古に励むうららと麗子、そこに突然沖田が入ってきて、うららに対して主役の大鳥しずかをマキに変更し、うららは新人女優宮崎ことの役をやることを命じる。「こんなあごで大役などこなせない」と(変顔で)拒否するマキだが、そのマキに最強の悪魔が降臨する。悪魔となったマキは「わたしは不幸にまみれてやる気をなくした悲しい、いたいけな少女を演じているだけだよ。ミューズの鏡の主役はわたししかいないんだよ。これで世界征服だ」と呟くが、この直後、マキのあごしゃくれは直ってしまう。

宮崎ことの役を演じるはずだった麗子(水沢奈子)は役をはずされたショックで泣きながら稽古場を出て行ってしまう。うららは主役変更を考えさせてくれと返事を保留する。この突然の配役変更に劇団員たちやマキも異議を唱えるが、沖田は「そのうちわかるさ」とだけ言い、意に介さない。突然、咳込み血を吐く沖田を心配する劇団員に「ケチャップだ」、マキに「ミューズの鏡はおまえでいく」と言って沖田は出て行ってしまう。

マキの家では給料が出ないと貧乏に逆戻り、帰ってきた意味がないとマキにぼやく母由美子。

稽古場でうららに相対したマキは、うららから共演(うららが新人女優宮崎ことの役をやる)するので、全力で闘おうとの挑戦を受ける。そこにあやの(荒井萌)が突然駆け込んできて「麗子が自殺した」と告げる。

麗子の命を奪ったのは自分だと自らを攻め続けるマキであった。


指原莉乃「ミューズの鏡」第20話 出生の秘密

2012年5月26日放送の第20話の注目点は、ここでもマキ(指原)の変顔。一瞬だが「小悪魔」の変顔と麗子(水沢奈子)の死と沖田の病気を心配するあまり生気喪失顔(白目を向く)になってしまう。

この第20話では、ストーリーが劇的な展開をみせる。由美子(陽月華)がマキと君島の出生の秘密を明らかにする。マキは由美子の実の子ではなく、沖田と花柳レイカの子であり、君島は由美子が産んだ実の子である。由美子は実の子(君島)を捨て、かつて愛した男(沖田)とその愛人(花柳レイカ)が産んだ子(マキ)を引き取り育てたのだ。したがって、マキと君島は血のつながった実の兄妹ではないことも明らかとなる。そしてマキは事もあろうことか実の父(沖田)を愛し始めたのだ。

この生臭い血の関係が麗子の自殺を引き起こし(第19話)、マキと沖田(実の父)との近親相姦という禁忌を想起させ、話はドロドロの展開となっていく。

ミューズの鏡 第20話 2012年5月26日放送
稽古場で沖田(池田成志)はマキ(指原莉乃)とうらら(平野綾)の「ミューズの鏡」の練習に厳しいダメ出しをする。その稽古中にも血を吐く沖田を見てマキは「先生のことが心配で夜も眠れない」とつぶやく。沖田が「ほほう、そんなことまで言うようになったか。悪魔ではなく小悪魔になったか」と言うと、マキの顔は瞬時に「小悪魔」となり劇団員たちを驚かせた。麗子(水沢奈子)の死と沖田の病気がダブルでマキにのしかかりマキは立ち直れずにいる(白目を向いてしまう)。沖田は稽古にならないと言って稽古場を出て行く。沖田のことを心配するマキの様子を見た近衛(竹財輝之助)から「まさか、先生を好きだと思っていないか?」と尋ねられ戸惑うマキだった。

マキの母由美子(陽月華)から家に呼ばれた君島(浪川大輔)はマキとともに由美子から「おまえたちに一つだけ嘘をついていた」と告げられる。由美子は2人に「お前たちは兄妹ではない。マキ、あんたは私の実の子ではない。許しておくれ。おまえ(君島)はわたしの子さ」と語り始める。

「好きな男の子供と好きじゃない男の子供、どちらが大事かということなんだよ。私は元々女優だった。その時に沖田を好きになったが、沖田は天才女優の花柳レイカにベタボレだった。沖田はレイカに『ミューズの鏡』を託しレイカは大鳥しずかを演じきった。ところがレイカが1年の休養宣言をして消えた。その間に仕事がまわってこなかったのでわたしは劇団をやめた。そのレイカが突然現れ出産した赤ん坊を育ててくれと頼まれた」、「わたしは花柳レイカの娘・・・(マキ)」

「わたしのお父さまは誰なんですか?」と問うマキに由美子は「沖田だよ。おまえは沖田とレイカの間に生まれた子なんだよ」君島には「おまえの父親は女優をやめてうらぶれているときに会ったゆきずりの男、そしてこの子(マキ)は愛した沖田の子、わたしは自分のお腹をいためてもいないかつて愛した男と憎むほどうらやんだ女の間に産まれた娘を選んでしまった」

「沖田は知らなかったよ。おまえが自分の子供だということを。言ったら驚いていたよ。やはり、マキにミューズの鏡をやらせねば。マキ、沖田を好きになっちゃいけないんだよ。あれはおまえの父親なんだからね」、「まだ信じられません(マキ)」

「本当のことを言えなかったのはおまえがたくさんお金を稼ぐようになったからではなく、どうしようもなくおまえが娘としていとおしくなり、おまえが私の手から離れていくのがつらかったのだ」そしてマキを抱きしめ「許しておくれ。もう二度と会わないからね」と言って由美子は家を出て行った。

母から告げられた衝撃の定めに明日が見えない2人であった。


指原莉乃「ミューズの鏡」第21話 足りない何か

2012年6月2日放送の第21話は、ちょっと小休止といったところ。ストーリー的には、「ミューズの鏡」の開演をあと一週間に控えて、沖田がマキ(指原)とうららに「まだ、何かが足りない」と納得しない。その足りない何かを模索する展開。

注目点はマキが家で君島、近衛の話を聞くシーン。マキ(指原)の神妙な顔つきは深く印象付けられる。

ミューズの鏡 第21話 2012年6月2日放送
稽古場で稽古に励むマキ(指原莉乃)とうらら(平野綾)。だが、まだ何か足りないと言って納得しない沖田(池田成志)。稽古をとりやめてしまう。本番が一週間後に迫り、徹底的な稽古を望むうららに対して、沖田は自分が納得しなければ初日を迎えることはない、そして100%のできでなければチケットも払い戻すと言う。なにが足りないのかと問うマキに沖田は90%までいっているが残り10%が足りないと。沖田はその足りない何かを知っているが、マキとうららには「今は教えるわけにはいかない」と言って教えない。沖田は稽古中にも血を吐き、その沖田を心配するマキやうらら劇団員たちに、沖田は「これ(血)は焼肉の黄金のタレだ」とうそぶいて出て行ってしまう。

マキの家で沖田の病状を心配するマキと君島(浪川大輔)、近衛(竹財輝之助)。君島はマキに「どんな運命であれ君島の子供として生きていく。ただ、君と兄弟ではない以上君を愛することはできるが、僕はうららと付き合うことにした」と告げる。近衛はマキに「先生はうららを愛していて、女優として奮起させるために君を女優として引き込んでいる。君と先生は親子であることがわかった。たとえ先生がまだそれを知らなくても、君はもう先生を愛することはできない」、「でも、わたし別に先生を好きとかそういうわけではないので(マキ)」

一週間後に迫った開演を目指して一人で稽古を続けるうららのもとにあやの(荒井萌)が来て、「君島先輩がうららさまとお付き合いしたい」と言っていたが、マキが「うららは演技のために好きでもない男とつきあうような悪い女だから付き合うな」と君島先輩に言っていたと告げ口をする。しかし、うららは公演が近づいているのでその言葉を気に留めないようにする。

稽古場でマキとうららは稽古をしている。「いつまでたっても90点だ」と叫ぶ沖田。何が足りないのか教えてくれと言ううららに対して沖田は「自分で考えろ」と言い、大きな咳をしながら稽古場から出て行ってしまう。そのあとを追いかけるマキとともか(上田眞央)。残ったうららに対して君島は、「少しはがんばったらどうだ。マキちゃんはミューズの残りの10%はすべて君のせいだ、君がダメだから本番を迎えられない、あの役が綾吹うららではいつまでたってもミューズの鏡はやれないと言っていた。ぼくも君の努力が足りないと思う」と厳しく非難する。そう言う君島は目がかすむのだった。

マキとうららを惑わす嵐の中から、君島にもある運命がおそいかかろうとしていた。


指原莉乃「ミューズの鏡」第22話 憎しみ

2012年6月9日放送の第22話はクライマックスを間近に控えストーリーが急展開する。

マキ(指原)の育ての母・由美子が川に身投げをしてうらら(平野綾)の父の病院から診療拒否され死ぬ。君島(浪川大輔)は重い目の病気に罹りあと3日で失明するという。さらに、沖田(池田成志)もうららの病院から治療を拒否され死ぬ。マキの父母、関係者に立て続けに不幸が襲う。マキのうららに対する「憎しみ」は頂点に達していく。

福田監督の構想では、最終回近くにマキと沖田のキスシーンを考えていたが指原の強烈な拒絶にあって断念したようだ。指原莉乃「ミューズの鏡」指原は唇の貞操を守れるのか?
キスシーンが入っていたとしたら、冒頭に沖田がマキの家で看病を受けている場面があるが、ともか(上田眞央)が帰った後、沖田が目を覚まし、起き上がった際にふらついてマキにもたれかかるが、このときに沖田とマキのキスを考えていたのではないか。(あくまでも筆者の考え)

ミューズの鏡 第22話 2012年6月9日放送
マキ(指原莉乃)の家で沖田(池田成志)をふとんに寝かせ看病するマキとともか(上田眞央)。遅いのでともかは帰った。目が覚めてふとんから起き上がった沖田は、マキに母の由美子(陽月華)が近所の川に身投げをしてうらら(平野綾)の父の病院から治療を拒否され亡くなったことを教える。

そのときマキに悪魔が降臨、「彩吹うらら、にっくき女め。つぶしてやる。鼻の穴から指突っ込んで奥歯がったん、がったん治療してやるわ。そしてゆくゆくは世界征服してやる(マキ=悪魔)」 沖田はマキに「おまえ今、彩吹うららを鬼のように憎んでいたぞ。同じ舞台に立つ仲間と憎しみあいだけはやめ」るように言って、マキの家から出て行った。
「おかあさま」と叫び泣き崩れるマキ。

開演まであと3日、稽古場ではマキとうららがお互いに力をこめて突きとばし、平手ではたくほど迫真の練習をしていた。その稽古場に遅れて来た君島(浪川大輔)は重い目の病気に罹りあと3日で失明するという。その話を聞いて驚く、マキ、うらら、劇団員たち。君島は沖田に失明する前に「ミューズの鏡」が見たいので3日後に初日を開けてほしいとたのむが「できていない限り初日は開けない」と拒否された。沖田はマキとうららに「君島のことを思うのなら何が足りないか答えを早く出すんだな」と言って稽古場を出て行った。

マキの家でマキはともかに母由美子から聞いた自分の出生の秘密と沖田への愛の気持ちを話す。そのとき、あやの(荒井萌)が家に訪ねに来て、沖田がうららの病院に治療を拒否され死んだことを教えられる。

マキの心の中に今まで抱いたことのない憎しみという感情が湧き上がるのだった。


指原莉乃「ミューズの鏡」第23話 クライマックス

2012年6月16日放送の第23話が「ミューズの鏡」の実質的なクライマックスだ。

この23話は圧倒される。マキ(指原莉乃)とうらら(平野綾)2人で「ミューズの鏡」の大鳥しずか(指原)と宮崎ことの(平野)を演じきる。延々と続くセリフと演技。見ていて息詰る。初めて見たときは、このセリフのやり取りはいつ終わるのかと見ていたが、最後まで2人の演技が続いたので驚いたのを覚えている。見終わった瞬間、よくこの長いセリフを覚えて演技をしたなと感心した。まさに「指原あっぱれ」である。

唯一、がっかりしたのはこの指原最高のクライマックスシーンの衣装が「割烹着」だったこと。もっと華やかな衣装だったらこのドラマの見え方も最後に劇的に変わり、もっと多くの話題を集めたかもしれない。残念だ。(あくまでも筆者の感想)

ミューズの鏡 第23話 2012年6月16日放送
(宮崎ことの:うらら)わたくしは天才などではございません。わたくしは神がおっしゃるがままに与えられたセリフをかなえているだけなのです。
(大鳥しずか:マキ)それが天才の技。わたくしはあなたに激しく嫉妬するのです。神があなたに与えたもうたその才能に。
(宮崎ことの:うらら)嫉妬だなんてありえないこと。今や大鳥しずかは日本一の女優です。わたくしのような小娘に何を怯えることがありましょうや。
(大鳥しずか:マキ)嘘をおい。あなたの瞳に潜むわたくしをあざけり笑う悪魔。わたくしに見えないとでも思っているの。(突き飛ばす)
(宮崎ことの:うらら)しずかさま。
(大鳥しずか:マキ)さあ、はやく本性をお見せなさい。
(宮崎ことの:うらら)<しずかを平手打ちする>
(大鳥しずか:マキ)とうとう現れたわね。
(宮崎ことの:うらら)わたくしの中に悪魔などいるはずもない。わたくしはこのようなことで怯えているしずかさまにいきどおりを感じているのです。
(大鳥しずか:マキ)うそをおい。わたしが憎いなら憎いとおい。
(宮崎ことの:うらら)憎いと言うのならばあなたの中に潜む恐怖という魔物が憎いのです。
(大鳥しずか:マキ)まだ、その謙虚な仮面をとらずにいるのか。
(宮崎ことの:うらら)その魔物が追い払えるのであれば、わたくしは何度でもしずかさまを殴ります。<しずかを4回平手打ちする>
(大鳥しずか:マキ)わかったわ。あなたはどうあろうとわたくしを憎くないと言うのですね。
(宮崎ことの:うらら)しずかさまは、わたくしのミューズでございます。
(大鳥しずか:マキ)ならば、わたくしは自らの顔を傷つけましょう。
(宮崎ことの:うらら)何をおっしゃるのです。
(大鳥しずか:マキ)わたしの顔に傷がついたとき、少しでもその瞳に笑みがこぼれたら、そのときは白状なさい。
(宮崎ことの:うらら)おやめになってくださいませ。わたくしのミューズの顔に傷がつくなど信じがたい苦痛でございます。
(大鳥しずか:マキ)止めても無駄です。わたくしは自らを犠牲にしてもあなたの心の奥底が覗いてみたいのです。
(宮崎ことの:うらら)おやめくださいませ。
(大鳥しずか:マキ)<ナイフで自らの頬に傷をつける>
(宮崎ことの:うらら)いやぁぁぁ
(大鳥しずか:マキ)大鳥しずかの女優生命はここで終わることでしょう。どうだ、うれしいか。ミューズと讃えた女優が自らの足元であえぐさまを見てうれしいか。
(宮崎ことの:うらら)しずかさま。あなたは間違っておられます。
(大鳥しずか:マキ)何が間違っているんだ。
(宮崎ことの:うらら)女優という嘘にまみれ、嘘の泥沼にはまり、すべてを演技で塗り固め、そして、ひとを愛せなくなる。
(大鳥しずか:マキ)宮崎ことの。
(宮崎ことの:うらら)はい。
(大鳥しずか:マキ)あなたはどうしてわたしを憎まないのですか。
(宮崎ことの:うらら)わたくしにとって大鳥しずかは夢なのです。
(大鳥しずか:マキ)あなたが憎んでこそ、わたくし大鳥しずかは、大鳥しずかがナンバーワンであること、すなわち、すべての女優の嫉妬をわたくしが受け入れるということ。
(宮崎ことの:うらら)ふふふふふ、はっはっはっ
(大鳥しずか:マキ)何がおかしいの。
(宮崎ことの:うらら)そうね。憧れなんて、夢なんてありえない。
(大鳥しずか:マキ)ことの、あなた。
(宮崎ことの:うらら)よくもわたくしをここまで追い詰めてくれたものね。言いましょうか。正直に心の底を。わたくしはあなたが憎い。憎くて憎くて仕方がないのよ。映画館のスクリーンで見たときの衝撃、舞台でスポットライトが当たったときの衝撃、今でも鮮明に覚えているわ。確かに最初は憧れだった。でも、わたくし自身が女優という運命と出合ったとき、それはいとも簡単に憎しみへと変わった。早く死ねばいいとさえ思ったわ。
(大鳥しずか:マキ)そうよ。心の底、どんどんはき出しなさい。
(宮崎ことの:うらら)ただ、わたくしは天才。あなたにはない天から与えられた才能を持つ女優。わたくしのすべてが演技。あなたのそばで、あなたに憧れる少女を演じ続けたわ。なんの苦痛もなかった。なぜなら、わたくしの生活のすべてが、心臓が動くことも、息をすることも、泣くことも、歩くこともすべてが演技なのですから。恐かったけれどはきだしてしまえば、楽なものね。確かに夢なんて人間にとって建前でしかない。憎しみこそが人間の業よ。
(大鳥しずか:マキ)その言葉を聞いて安心した。さあ、舞台が始まる。わたくしは主役としてこの舞台をつとめるの。
(宮崎ことの:うらら)そんな傷を負った顔で舞台がつとまるものですか。
(大鳥しずか:マキ)はっはっはっはっ。わたくしがおまえごときのために自らの顔に傷をつけるとでも思っているのか。
(宮崎ことの:うらら)なんですって。
(大鳥しずか:マキ)このナイフにはもともと血糊が付いているの。ひとふきすればもとどおりよ。
(宮崎ことの:うらら)なんてことを。あなたは鬼なのか。<しずかのナイフをひったくる>
(大鳥しずか:マキ)殺したければ、殺せばいい。あなたが本当に憎んでいるなら。わたくしは本望。
(宮崎ことの:うらら)信じましたか。わたくしの言葉を。
(大鳥しずか:マキ)何を言っているんだ。
(宮崎ことの:うらら)わたくしが本当にあなたを憎んでいると思いますか。
(大鳥しずか:マキ)どういうこと。
(宮崎ことの:うらら)演技ですわ。それが見抜けなくて。
(大鳥しずか:マキ)あなた、どこまで。
(宮崎ことの:うらら)わたくしのミューズはどこへ行ってしまうのか。わたくしのミューズのいない世界で希望は一つも有り得ない。
(大鳥しずか:マキ)そのナイフを渡しなさい。
(宮崎ことの:うらら)その悲しみを味わって生きるならわたくしは死を選ぶ。
(大鳥しずか:マキ)おやめなさい。
(宮崎ことの:うらら)<ナイフで自らの腹を刺す>さようなら。
(大鳥しずか:マキ)あなたが悪いのよ。ミューズの鏡に映す顔があなただったことがすべての始まりなのよ

こうして「ミューズの鏡」は初日の幕を開けた。舞台は演劇史上稀に見る賞賛を受けた。そしてマキ(指原莉乃)とうらら(平野綾)はこの舞台に隠された秘密を、衝撃を持って知ることとなるのだった。


指原莉乃「ミューズの鏡」第24話 フィナーレ

2012年6月23日放送は「ミューズの鏡」の最終回。22話で失明すると言われていた君島の目が回復する。さらに、死んだはずの沖田、マキの育て母由美子が稽古場に現れる。いずれもマキとうららに『憎しみ』の感情を持たせるための沖田の仕掛けだった。「あなたの人形ではない」と激怒するうらら。
一方、マキは母由美子、沖田、麗子の死と君島の失明に責任を感じて劇団員あてに置手紙を置き失踪してしまう。沖田は由美子からマキが沖田の実の娘だと告げられ、自責の念に駆られ「マキ、帰ってきてくれ」と絶叫する。

最終回にはマキは失踪して出ないが、指原はアイドル「指原莉乃」として『それでも好きだよ』を歌ってフィナーレを飾る。

指原莉乃の主演映画「劇場版ミューズの鏡 マイプリティドール」は9月29日から公開される。9/29の新宿ピカデリーでは指原と福田監督が初日の舞台挨拶をするそうだ。

なお、9/22正後より日テレオンデマンドで「ミューズの鏡」第1~24話が無料で見れるという記事がネットに出ていたので、「日テレオンデマンド」を検索し会員登録をしたら簡単に見ることができた。TV版「ミューズの鏡」を見逃した方は、今ならタダで見ることができるので利用することをお薦めする。(無料期間: 9/22正後~劇場公開期間中)

ミューズの鏡 第24話(最終回)2012年6月23日放送
稽古場でうらら(平野綾)は近衛(竹財輝之助)、君島(浪川大輔)、ともか(上田眞央)、あやの(荒井萌)から「ミューズの鏡」はすばらしかったと絶賛される。近衛は劇評家たちが演劇史上最も感動を呼んだ作品だと言っていることを伝える。マキ(指原莉乃)はまだこの場に来ていなかったが、君島は自分の目が奇跡的に回復していたことをマキに伝えたいと語った。君島の目の回復を喜ぶうらら。

そこに死んだはずの沖田(池田成志)とマキの母の由美子(陽月華)が入ってくる。最後の稽古になぜ来なかったかを尋ねるうららに対し沖田は、マキに自分がうららの病院で診療を拒否され死んだと伝えたためだと説明する。それはマキとうららに『憎しみ』の感情を持たせる仕掛けだったのだ。うららには彼女のプライドを傷つけマキにはマキが好いている沖田自身が死ぬことによって二人が憎しみの感情を持つように仕向けたのだ。「なんてことを。先生はそれでも人ですか」と問ううららに対して「俺は演出家という悪魔だ。芝居を完成させるためにはどんなことでもする」と答える沖田。近衛、君島、ともか、あやのの4人もこの企みに加担した。「先生、わたくしたちはあなたの人形ではない(うらら)」、「マキは天才女優だ。この顛末を説明すれば全部納得してくれるはずさ(沖田)」

君島が机の上に置いてあるマキの置手紙を見つける。

「劇団ミューズの皆さま、今まで本当にありがとうございました。ミューズの鏡を上演することができ、とてもうれしかったです。演技など何もわからず、ただただお芝居が好きだった私を受け入れてくれたご恩は忘れません。ただ、私はやはり女優をやるべきではなかったと思いました。私のせいでおかあさま、沖田先生、そして麗子さんの命を奪ってしまった。君島先輩の光までも。ミューズの鏡の宮崎ことの、のようにお芝居がない世界に行きたいと思います。たとえ、これから生きていく人生がすべて演技でもそれが私の定めと受け止めながら生きていこうと思います。さようなら。私はみなさんが大好きです。うららさま。私のうららさまに対する憧れは絶対に消えることはありません。さようなら。みなさんのご活躍を心から祈ります。」

「なんということだ(沖田)」、「自分の娘になんて仕打ちをしたんだ(由美子)」、「なに?(沖田)」、「あの子は言っていなかったのかい(由美子)」、「マキが俺の?(沖田)」、「マキはあんたと花柳レイカの子なんだよ(由美子)」、「嘘だ!おまえはレイカの娘だとは言わなかった(沖田)」、「あの子が言うと思ったのさ(由美子)」、「俺は、俺は自分の娘になんていうことを!(沖田)」と絶句する沖田。「これで先生のミューズの鏡は完全に完結ですね(うらら)」と冷たく言いうらら。「マキ、帰ってきてくれ。また、その笑顔を俺に見せてくれ」と叫ぶ沖田だった。

指原莉乃「それでも好きだよ」熱唱

以上

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