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指原莉乃「逆転力」が面白い2・・指原の戦略論(総選挙分析ライター)

2014-08-19 18:18:23 | 分析系 メンバー
指原莉乃「逆転力」が面白い2・・指原の戦略論(総選挙分析ライター)


8月11日の論考に引き続いて指原莉乃の「逆転力」~ピンチを待て~(講談社AKB48新書800円)について筆者が興味持った点を述べたい。

前回、筆者は指原の戦略論の奥義は「真っ向勝負をしない、土俵を変える、戦わずに済む方法を探るか自分の土俵で戦える状況を作る」と指摘したが、この点についてもう少し詳しく考察してみる。

筆者はすでにビジネスの世界に入って相当な年数になるが、ビジネスの現場である人の組織は老若男女国籍が異なる人など、さまざまな人達が集まっており、その集団のなかで頭角を現わそうとすると本人だけでなく、いろいろな人達の思惑も相まって一筋縄ではいかない。

特にAKB48Gのような巨大アイドル集団の中で、指原のように「かわいくなく歌もダンスも上手ではない」と一応本人が広言している個性が、選抜総選挙でトップをとるということは非常に稀有なことである。

誰もがそのことを薄々承知していたために昨年の指原のトップは意外感が強くAKBファンのみならず、一般の人たちにも大きな衝撃を与えたようだ。

つまり、指原のような特段に「かわいくなく歌もダンスも上手ではない」アイドルがアイドル集団の選抜総選挙でトップをとるのは、よっぽど指原が他のメンバーに比較して何か別の大きな“魅力”を持っていなければできないことである。

ほかのメンバーと一緒のことをしていたり、同じようなことを考えていては他のメンバーの方がアイドルとして「かわいく歌もダンスも上手」なので輝くことはできない。

そこで指原がとったのは他のメンバーと「真っ向勝負をしない」か「土俵を変える」か「戦わずに済む方法を探る」か「自分の土俵で戦える状況を作」るという作戦である。

指原のとった「真っ向勝負をしない」とか「戦わずに済む方法を探る」というのは古くは中国孫子の時代(紀元前500年ごろ)からある戦争戦略であり、「土俵を変える」とか「自分の土俵で戦える状況を作」るのは、異種格闘技や学者同士の論争で一般に使われている作戦である。

これらの戦略・戦術はすでに長い年月をかけて有効性が検証されているので、軍事のみならずビジネスや一般社会の中でもこういう考え方に基づいて行動をとることがある。(筆者もビジネスの現場で実際にこの作戦を用いたことがあるし、用いられたのを目にしたことは何回かある)

筆者は昨年指原がトップをとったときに指原のトップは指原自らが他のAKBメンバーと重ならないファン層を持っており、その集票力がメンバー同士でアイドルファンを奪い合うというカニバリゼーションを起した大島優子や渡辺麻友らの上位メンバーを上回ったことが勝因ではないか、という分析を行った。
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指原の『逆転力』を読む限り、指原はまだ15~16歳という研究生から正規メンバーに昇格するころからこのような戦略方針をしっかり頭に入れて日々の行動をとり、着々と他のメンバーと重ならないトークやバラエティーの領域で力をつけて(戦力の拡大を図り)自分のファン層を獲得していった。

こう見ていくと昨年の指原のトップは指原の作戦勝ちの様相が見えてくる。指原が早くから自ら意識してとった作戦の結果なのである。だから、指原の昨年のトップは偶然ではないのだ。勝ち取ったトップである。

さらにこのことはもう一つの結論にたどり着くことになるが、これについてはまたいつか述べることにしたい。

以上


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