百醜千拙草

何とかやっています

#trumpShutdown

2018-01-23 | Weblog
先週末の交渉決裂で、アメリカ連邦政府の予算が20日に失効し、一部政府機関が閉鎖されることになりました。週を開けても合意に至らず、おかげで、アメリカ政府機関であるNIHで運営されているPubMedも更新が一部止まっているようで、論文検索にも支障が出るかもしれません。現時点では、とりあえず2/8までの暫定的予算の合意ができそうな感じで、シャットダウンは間も無く解除される見込みのようです。

前回のシャットダウンの時は、ちょうどいつも参加している国際学会の会期中でした。その結果、NIHに所属する研究者は、研究活動も会議に出席することもできず、学会での面白そうな彼らの演題を楽しみにしていた無関係の人々もがっかりさせることになりました。

予算を決めるという政府のもっとっも重要な機能を利用して、野党はできるだけその要望を飲ませようとし、与党側はその攻撃を最小限に食い止める努力をする、結局のところ単なる権力争いで、これを「Political football」と形容したりします。与野党のパワー獲得ゲームなわけですが、今回は、これまでとちょっと違う部分もあります。

前回の政府機能のシャットダウンはオバマ政権下で、上院と下院でのパワーバランスが捻れた状況にあった時(下院では共和党が多数)だと思います。つまり交渉において、共和党が優位な立場にあって、強い要求を出したのを民主党側が飲めなかったということだったように思います。今回は、上院、下院とも共和党が多数を握っています。普通なら大統領側の言い分がすんなりと通る状況にあるわけですが、それでもまとまらなかったという辺が、トランプの人望のなさを象徴しているような気がします。実際、トランプ案は上院の共和党党員の全員の賛成が得られなかったようです。人望の無さと言えば、トランプ就任1年目の20日には百万人単位の反トランプデモが全米で行われた様子。排外主義的な政策や人種差別的、女性蔑視的な言動を非難した、とのこと。

東京新聞は、「トランプ政権発足から20日で1年。予算協議の難航は、トランプ氏が米社会の分断をあおり、党派対立が深刻化していることを象徴している」とコメントしています。誰に責任があるのかは自明ですが、あのような人間しか大統領選挙に担げなかった共和党そのものに根の深い問題があります。

受けて、ネットでは、「#trumpShutdown」というタグが世界的に広まりました。twitter のコメントを二、三、拾ってみます。

#大統領は、ビジネスのようにアメリカを経営すると言ったが、 どうも、彼のいつもの手口の「破産を宣告して逃げ出す」時期に来たようだ。

#トランプはどうして政府がシャットダウンしないといけないのかが分かっていないようだ。いつもなら資金が足りなければ、会社を潰して逃げるのに、なぜ、今回はそれができないのだろう、とでも思っているのだろう。

#もし国が会社のように運営されるのであれば、シャットダウンは社長の責任。

#アメリカは「取引の技術」という本の著者を大統領に選んだのに、その本人が自分の党内の中での取引でさえ満足にできないことを露わにした恥ずかしい瞬間。

#2011年4/7に放映された「Today」でのTVインタビューで、当時オバマ政権下での政府シャットダウンの危機に際して、トランプ自身のコメント:「政府シャットダウンは、大統領の非常に大きな汚点だ、大統領はみんなをまとめる責任があるのだから」

#トランプが潰した(シャットダウンした)もの。トランプ大学、トランプウォッカ、トランプステーキ、トランプカジノ、トランプマガジン、トランプホームローン、そしてアメリカ政府2018。

ま、キリがないのでやめておきましょう。日本もトランプの無能さを笑っている場合ではないですからね。日本の与党と政府の不誠実さと傲慢さは、トランプに引けはとりません。
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