百醜千拙草

何とかやっています

危ない男

2016-12-02 | Weblog
悪口が多くて悪いのですが、客観的事実に基づく個人的評価ということで、、、

いくらなんでもトランプがアメリカの大統領というのはあまりに不適格ではないのかと私は思うのですが、大統領選後もいろいろ聞こえてくるニュースを聞いても、この男は危ないと思わせるものばかりです。昔のテレビでのリアリティーショーや美人コンテストでの俗物ぶりがあまりに印象に強いので、色眼鏡で見ているのかも知れないと戒めながらニュース聞いてはいるのですが。TVのショーで印象に残っているのは、10年ほど前、トランプがやっていたミスUSAで、ミスUSAに選ばれたTaraナントカさんが、薬物、アルコールなどの問題を隠していて資格基準違反を問われた時の話
トランプは規則を曲げて、"I've always been a believer in second chances. Tara is a good person. Tara has tried hard. Tara is going to be given a second chance"と言って、ミスUSAに留めました。

現在ニュースによると、ウィスコンシン州の緑の党からの候補者、ジル スタインが大統領選の票計算に不正の疑いがあるとして、再集計を要求しており、僅差でトランプが勝った、ウィスコンシン、ミシガン、ペンシルベニアでの再計算のためにすでに5億円を集め、ウィスコンシンは再集計の準備に入ったとのこと。対して、トランプは「選挙結果は尊重されるべきであって、異議申し立てやののしりを受けるべきではないのに、ジル・スタインはまさにそれをやっている」と述べた。だがトランプ氏自身は選挙期間中に、もし敗北したら結果を拒否すると威嚇し、メディアと体制派エリートが選挙運動で不正を行っていると主張していた。、、、、そうです。

自分の都合の良い時は、明らかな違反があってもsecond chanceを認め、自分が負けたら選挙結果を拒否して不正を行っていると主張するクセに、都合の悪い時は「選挙結果は尊重されるべきだ」ですからね。Second chance believerなら、選挙不正を疑われた投票は積極的に再計算を支持すればどうですかね。この傲慢不遜で自己中心的な性格も嫌らしいが、その品性も下劣。ミスUSA事件の時に、コメディアンのRosie O'Donnellがトランプの言動をギャクのネタにしたついでに、TVのワイドショーでトランプの結婚倫理性の無さやビジネスのやり方をあげ、ミスUSAなどで若者のモラルについて云々できるような資格のある男ではないと厳しく批判、そこからこの二人の敵対関係がしばらく話題になりました。

その後、トランプは芸能ニュースのインタビューでO'Donnellを口汚く批判し、私は、これを見て、心底ゲンナリしました。コメディアンにギャグのネタにされてワイドショーで批判されたと言ってここまで切れるのは大人気ない、と当時は笑っておりましたが、今やその幼児性丸出しの男が強大な国の世界最強の軍隊の最高司令官となるとなれば、さすがに多少の恐怖も感じます。しかも、今だに気に入らないものに対しては、すぐに感情的になって悪口を言いまくるこの人のツイッターを見ていると、中身は全然成長していないままのようです。

当時の芸能ニュースのインタビューから。
 Rosieには吐き気がする。外見も中身もだ。彼女はズボラでトラック運転手みたいにしゃべる。、、、彼女のトークショーが失敗すれば、とっても愉快だ。、、、、Rosieのような悪い人間が失敗するのを見るのは気分がいい。、、、もし私が「View (ワイドショー)」の責任者なら「お前はクビだ」とあの汚らしい太った顔に向かって言うだろう。、、、Rosieを訴えてやろうかと思っているところだ、それは面白そうだからだ。あいつの膨らんだ財布の中から幾らかの金を搾り取ってやりたい。、、、RosieはLooserだ。


これが、仮にショーのためのヤラセのセリフでも、こういう物言いをするゲス人間が大統領ってどうよ。ま、十年前の芸能ニュースではありますが、当時でも立派な初老の大人ですからね。

これを思い出したのは、フィデル カストロの死去のニュースにトランプがツイートしたのを取り上げたブログ記事、「生けるトランプ死せるカストロを罵る」を読んだからです。

キューバ革命の「英雄」フィデル・カストロが死んだことで、トランプがツイッターで吠えた。カストロを残忍な独裁者と呼び、彼の「業績」を「盗み、想像を絶する苦悩、貧困、基本的人権の否定」だったと断定した。

これはアメリカの資本家階層のキューバ観をトランプが代表して表明したということだろう。カストロのおかげでアメリカの資本家たちはキューバで金儲けをする機会を奪われた。だからカストロは不倶戴天の敵というわけだ。

トランプがオバマの対キューバ融和政策を批判していることは周知のことだ。これをトランプは、アメリカがキューバに救いの手を差し伸べたと捉え、キューバの一方的な利益になるものだと言ってきた。しかし実際はそうではないことは、現実をきちんと見ている者の目には明らかだ。

近年キューバへの中国の接近ぶりが際立つようになり、両者の関係はキューバ国内に中国の軍事拠点を設けるところまで発展する勢いだった。それがアメリカにとってどんなに耐え難いことか、軍事専門家でなくともわかろうというものだ。オバマはその危険を回避するために、キューバに手をさしのべ、キューバに対する中国の影響力が高まることを牽制したと言える。だからオバマの対キューバ融和政策は、むしろアメリカの安全保障のために行われたと言ってよい。

トランプにはそういう外交的な背景は一切見えていないようだ。、、、キューバとの外交交渉は、不動産売買の取引とは違うのだ。

トランプはカストロを罵って残忍な独裁者と呼び、「盗み、想像を絶する苦悩、貧困、基本的人権の否定」こそがその業績だったと罵ったが、こうした懸念はむしろトランプその人について、世界中の人々が抱いていることではないのか。


その後、このブログ主さんの懸念した通り、キューバに対して早速、高圧的で傲慢なツイート。

「キューバがもし、キューバ国民やキューバ系米国民、そして米国全体のために関係を改善する気がないのなら、私はその取引を打ち切る」と書き込んだ。

掛け値なしの単純XXです。(XXがやりそうなことを心配していたら本当にやりました)

オバマは近代アメリカ最大の危機であったケネディー時代のキューバ危機から学んだが、トランプは思慮の浅さと品性のなさでせっかくの苦労をぶち壊す。XXにつける薬がないのは東西を問わずということですかね。

カネと国民の不安を煽りたてて得た大統領の地位も、本人もビジネス ディールぐらいに思っており、アメリカと世界の国の人々の生命と将来を左右する職であるという認識もなさそうです。こんなのを選んだアメリカ国民、American Valueというものもすっかり消えてなくなったような気がしますね。
コメント
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