百醜千拙草

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新潟の民意

2016-10-18 | Weblog
溜まっていた雑誌をパラパラ見ています。中国から発生初期のゲノムのepigeneticな変化を解析したという論文が二本、Natureに出ていました。最近、力技の効く基礎研究は中国に持って行かれているような気がします。生命学研究に最大の予算を割くアメリカでは何かと規制が強まり、コストも高く、研究効率が悪くなりつつあり、加えて、基礎研究よりも応用研究を重視するような傾向が強まってきているため、基礎研究に投入されている資金に対するアウトプットは必ずしも高くないと思います。一方、中国では良かれ悪しかれ規制も緩く、人件費も安いということでしょうコストパフォーマンスは良いのだろうと思われます。無論、その裏には学生のabuseや倫理規制のlaxさもあるだろうと想像されます。ま、昔の(今も?)日本もそんな感じでした。しかし、高コストと低効率をを考えると、遠からず、基礎研究は中国産ということになりかねないのではないでしょうか。ちょうど、戦後、アメリカの製造業が斜陽に入って、日本が工業製品などを輸出するようになり、そして今や、それが中国にとって代わられた、製造業の変遷を見るようです。

現在、アメリカの主たる産業は金融などのサービス業、日本もそうなりつつあり、日本の中核産業は今は、製造業でもテクノロジーでもなく、ひょっとしたら外食産業なのではないかとさえ思わされます。また、一方で、高齢化する社会で介護のニーズの上昇などで、医療関係のサービス業も随分、増えたような感じがします。国内の需要を国内で供給するわけで、これで、役人のピンハネがなくなれば、内需型サービス産業でそこそこ安定して社会が回るかも知れません。外貨は、スシ目当ての外国人観光客で稼ぐ、というのはどうでしょう。アベ政権もするはずのない「経済成長」のために、日銀の輪転機を回転させるよりも、内部で金を回してよりself-containedでSustainableな社会構造を目指してもらいたいものです。(が、そのためには霞が関官僚とはじめとする役人が身を切る必要があるので、無理でしょうな)

さて、多少、明るい話題。週末の新潟県知事選挙で、反原発候補の米山氏が大差をつけて自民党候補に勝利。泉田知事の不可解な出馬断念を受けて反原発候補は出遅れたため、自民候補が楽勝するだろうという当初の予想を裏切っての大逆転です。この知事選、終盤に向かって民進党党首が、この知事選で米山氏の応援演説に来たという事件がありました。民進党は対立候補を支持する連合を慮り、離党した米山氏を公認せず自主投票としたにもかかわらず、党首自らが応援演説に入ったというのはどういう意図でしょうか。単に、勝ち馬に乗るのに聡いだけなのか。いずれにせよ、民進党党首は、再大戦犯を幹事長にした段階で党首してはダメですが。党一番ではなくて二番目ではダメだったのでしょうか?

この際、民進党に残っているまだマトモな人々は、自由党に入ればどうですかね。幹事長だけ民進党に残ってもらえたらいいでしょう。いまだに「単独政権を目指す」と言っているらしいですから、この際、お一人で頑張ってもらったらいいでしょう。

東京新聞の社説では、この選挙結果に関して、
 安倍政権は選挙で示された民意を真摯(しんし)に受け止めるべきだ。再稼働を既成事実化してはならない。
 七月の参院選では民進党など野党四党の統一候補が与党候補に競り勝ったにもかかわらず、県知事選で民進党は支持組織の連合傘下に電力総連がある事情から早々に自主投票にとどめた。
 終盤になって蓮舫代表が米山氏の応援演説に駆け付けたが、与党と野党のどちら側につくのか、国政選と地方選との違いがあるとはいえ、軸足が定まっていないことを露呈した。猛省して今後の選挙戦略を練り直すべきである。

とアベ政権と民進党に苦言。

ともかく、米山氏、選挙後に自ら語った通り、原発再稼働の話は遠からず出てきます。それに絡んで、利益誘導、脅しや妨害工作がいろいろ出てくることと思いますが、是非、負けずに初心を貫いてもらいたい、と思います。
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