一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

映画『相棒‐劇場版Ⅱ‐警視庁占拠!特命係の一番長い夜』…小西真奈美礼賛…

2010年12月29日 | 映画
年末年始はずっと仕事をしている。
映画は仕事が終わってからレイトショーで見ている。
年末はTVも特番を組んでいて、見たい番組がけっこうあり、それもなるべく見るようにしている。
本は寸暇を惜しんで読んでいる。
仕事をこなしながら映画もTVも読書も楽しんでいるのだが、レビューを書く時間がない。
ブログを更新する時間が惜しい。
その時間さえ楽しみたいという欲がある。
困ったものだ。

12月27日・28日の2夜連続で、TVドラマ『JIN-仁-』総集編を見た。
2009年10月~12月に放送されたドラマで、評価の高かった作品であるが、私は見ていなかった。
機会があれば見たいと思っていたので、今回の総集編は有り難かった。
全11話を9時間(CMの時間を含む)ほどにまとめたものであったが、2日間で最終話まで一気に見ることができたので、感動がどっと押し寄せてきた。
ストーリーも楽しめたが、吉原遊廓の花魁(おいらん)・野風役の中谷美紀の演技に魅了された。


とくに最終話の別れのシーンは素晴らしかった。
2011年4月から完結編が始まるようなので、これも楽しみだ。
ドラマ『JIN-仁-』については、いつかレビューを書いてみたいと思っている。

次は、映画『相棒‐劇場版Ⅱ‐警視庁占拠!特命係の一番長い夜』について。
私の配偶者はTVドラマ『相棒』のファンである。
season1からseason8まですべて見てるし、再放送も欠かさず見ている。
何度見ても飽きないようである。
配偶者が見ていると、私も一緒になって見ることがたまにある。
いやいや、「たまに」ではないな、
「ごく稀に」である。
そんな、「稀に」しか見ない私であるが、
season7までは、杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)、
season8からは、杉下右京(水谷豊)と神戸尊(及川光博)のコンビである……
というような、『相棒』のキャストや内容については大体把握している。
それはひとえに、配偶者が『相棒』を見ているからで、私ひとりだけだったらまず見ることはないし、知り得ないことだ。
『相棒』で杉下右京を演じている水谷豊の喋り方やしぐさがあまり好きではないからだ。
ベテラン俳優にこう言っては失礼だが、作りすぎだと思う。
過剰演技のような気がする。
配偶者に言わせると、「それがイイ」のだそうだが……

だから、一昨年に映画化された「劇場版Ⅰ」である『相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン』も映画館には見に行っていない。(TV地上波放送では見た)
では、なぜ今回『相棒‐劇場版Ⅱ‐警視庁占拠!特命係の一番長い夜』を見に行ったかというと、ゲストヒロインとして小西真奈美が出演していたからである。(笑)
今年の小西真奈美は、
ドラマから映画化された『猿ロック THE MOVIE』、
小栗旬の初監督作『シュアリー・サムデイ』、
11月20日に公開された阪本順治監督の『行きずりの街』、
そして、12月23日に公開されたばかりのこの『相棒‐劇場版Ⅱ‐警視庁占拠!特命係の一番長い夜』と、
映画に出ずっぱりという感がある。
小西真奈美のファンとしては嬉しい限りであるし、彼女にとっても有意義な一年であったのではないかと思う。

……で、映画である。
『相棒‐劇場版Ⅱ‐警視庁占拠!特命係の一番長い夜』はどうだったか……というと、
これが、
「なかなか良かった」
のである。
アクションシーンは少ないものの、警察組織の腐敗、社会の矛盾といったものをえぐり出し、大人の鑑賞に堪える作品に仕上がっていたのだ。

【ストーリー】
日本警察の要所・警視庁本部内で、前代未聞の人質籠城事件が発生。
人質は、田丸警視総監(品川徹)、長谷川副総監(國村隼)を始めとした幹部12名。
現場となった会議室は機動隊と特殊捜査班SITによって完全に包囲されるが、犯人の動機は不明。
要求もないまま、いたずらに時間が過ぎていく。
いち早く事件に気づいたのは、特命係の神戸尊(及川光博)と杉下右京(水谷豊)。
右京は会議室内の様子を把握することが肝心と、鑑識の米沢守(六角精児)や元特命係の陣川公平(原田龍二)の協力を得て、誰も予想しなかった奇策に出る。


一方、捜査本部では、幹部たちが囚われているため思うように進展しない事態に、捜査一課の伊丹憲一(川原和久)、三浦信輔(大谷亮介)、芹沢慶二(山中崇史)らが苛立ちを募らせていた。


そこへ情報を入手した右京が現れ、籠城犯が元警視庁刑事の八重樫哲也(小澤征悦)だと判明。
籠城前に尊が八重樫から助け出した女性が総務部装備課の朝比奈圭子(小西真奈美)であることを突き止める。


その時、緊迫する会議室内から2発の銃声が。
右京の強硬な反対にも関わらず、SITと機動隊員たちが会議室内に突入し、事態は終結。
人質は無事に保護される。
だが、籠城した八重樫の目的は何だったのか?
大河内監察官(神保悟志)の事情聴取に対しても、12名は言葉を曖昧にしたままで、何の証言も得られない。
全員が一様に口を閉ざすことに疑問を抱いた右京と尊は、角田課長(山西惇)らの協力を得て、独自に幹部たちへの聞き込みを開始。


一方、事件の報告を受けた警察庁幹部の小野田官房室長(岸部一徳)は、金子警察庁長官(宇津井健)とともに、不穏な動きを見せ始める。


徐々に明らかになってくる事実。
それは、八重樫や圭子が関わった過去の大きな事件に関する衝撃の真相だった……。
(ストーリーは「goo映画」より引用し構成)


杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)の時は、「静」と「動」という感じであったが、
杉下右京(水谷豊)と神戸尊(及川光博)のコンビはどちらも「静」なので、動きは少ないものの、面白い作品に仕上がっていた。


アクションシーン満載でも中身の乏しい映画が多い中、会話や表情で観客を引っ張っていく今どき珍しい作品であった。
会話のシーンが多いのだが、そこで有効だったのが、顔のアップだ。
和泉聖治監督はアップで撮るのが好きなようで、会話のシーンになるとアップを多用していた。
この映画に出てくるのはほとんどがおじさんなので、おじさんのアップばかり見ていると辟易してくる(笑)のだが、小西真奈美の顔のアップだけは大満足であった。


中盤、杉下右京(水谷豊)と朝比奈圭子(小西真奈美)が対話する場面があるのだが、このシーンは特に良かった。
小西真奈美の刻々と変化していく表情にも注目。
TVドラマ『JIN-仁-』の中谷美紀もそうであったが、小西真奈美も単に美しいだけではなく、その表情が素晴らしい。
見る者を惹きつける。
くぎづけにする。
このシーンは、バックに流れる音楽も良く、出色の出来であった。

今回の『相棒‐劇場版Ⅱ‐警視庁占拠!特命係の一番長い夜』では、ラストに意外な展開が待っている。
それは、『相棒』のファンなら仰天の展開らしい。
配偶者に話すと、絶句していた。
そして、このラストは、season9(2010年10月~2011年3月)にも大きく影響しそうである。
特に、元旦放送の『相棒 元旦スペシャル』は、ファンならずとも(私も)見ておくべきかもしれない。
私の相棒である配偶者は必ず見るだろうが、元旦も仕事をしている私は、相棒の傍らでうたた寝をしている可能性大である。(爆)

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