隊長のブログ

元商社マン。趣味:ヒップホップダンス、ジャズダンス、日舞(新舞踊)、旅行、映画、スポーツ観戦。阪神タイガースのファン。

映画 Film97 『初恋のきた道』

2017年01月20日 | 映画

隊長が、これまでに観賞した「映画 」を紹介するシリーズの第97作品目は、『初恋のきた道』をお送りします。

 




『初恋のきた道』は、1999年10月に公開された中国映画。(日本公開:2000年12月)

 

尚、「隊長のブログ」で紹介した、中国映画の一覧は、こちらをご参照下さい


中国語の原題は、「我的父亲母亲」。英語のタイトルは、「The Road Home」です。

 

監督:張芸謀 (チャン・イーモウ) 。

 

「隊長のブログ」で取り上げた、チャン・イーモウ監督作品の記事一覧は、こちらをご参照下さい



主演は、章子怡 (チャン・ツィイー) 。

 

チャン・ツィイー出演作品の記事一覧は、こちらをご覧下さい

 

共演者:鄭昊 (チョン・ハオ) 、孫紅雷 (スン・ホンレイ) 、趙玉蓮(チャオ・ユエリン)、ほか。




あらすじ:都会で働いている孫紅雷演じる駱玉生 (ルオ・ユーシェン)《語り手》  が、父の急死の知らせを聞き、久しぶりに故郷の小さな農村に帰って来ました。

父を亡くして憔悴している母は、街の病院から遺体をトラクターでなく、伝統通りに葬列を組み、棺を村まで担いで戻ると言い張り、村長らを困らせています。

ここまでは、モノクロで映し出されていた画面が、若かりし父と母の出会いのシーンになると、カラーになります。

チャン・ツィイー演じる若き母・招娣 (チャオ・ディ) が18歳の頃、学校が無かったこの村に初めて都会から先生がやって来ることになりました。

ディは、鄭昊演じる若き先生 駱長余 (ルオ・チャンユー) に一目惚れしますが。。。




感想:この映画を初めて観たのは、2008年にテレビで放映された時でした。


内容に感動し、いつかまた観たいと思っていたころ、「午前十時の映画祭7」のラインナップに入っていることを知りました。


「午前十時の映画祭」は、特に素晴らしい傑作娯楽映画を選び、1年間にわたり “午前10時” から連続上映する催しです。


料金は、一般が1,100円 (税込) 、学生が500円です。


今回、『初恋のきた道』を観に行ったのは、「TOHOシネマズ 日本橋」。

 




同シネコンに行くのは、昨年11月の 『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』 以来です。


座席数110のスクリーン2は、朝10時からの上映のためか、25~30人くらいの入りでした。


『初恋のきた道』の上映が始まりました。


オープニングのクレジットタイトルがアルファベットでしたが、エンディングのクレジットは中国語でした。


デジタル処理がされているためか、テレビで観た時より画面も字幕が見易かったです。特に、画面がカラーに切り替わってから風景の鮮やかさが際立っていました。


またテレビの画面でははっきりと分からない、画面隅の風景や人物の表情までクッキリと見ることが出来ました。


印象的だったのは、村から街へ続く道が二人が出会った時から、1990年代後半になっても舗装されずに、昔は馬車で移動し、今では葬儀の棺をトラクターで運んでいたことです。


『あの子を探して』 を観たときも思ったのですが、中国農村の貧しさは昔から連綿と続いているのですね。


それと、チャンユーが街に強制的に連れ戻された時、ディが彼に食べさせようと作った餃子を入れたお椀を持って追いかけた時に、転げ落ちて割ってしまったお椀を、盲目の母親が陶器修理屋に鎹 (かすがい) 直しで、修復して貰うシーンです。


そんな貧しい農村では、割れた陶器をあの様に修理していたのですね。そして母親の思いやりにも心を打たれました。


このシーンだけでなく、ディの一途な想いに何度が涙を流しました。映画を観て泣くのも久しぶりです。


三宝 (サンパオ) の音楽もオーソドックスな使い方ですが、ロマンチックなシーンを演出するのに効果的でした。


第50回ベルリン国際映画祭:銀熊賞 (審査員グランプリ) を受賞するなど、国際的評価も高いこの映画、チャン・イーモウの演出は勿論ですが、チャン・ツィイーの美しさが成功の鍵かもしれませんね。


19歳で映画初出演のチャン・ツィイーの美しさが、際立っていました。

 




観る前は、再上映作品の「午前十時の映画祭」の料金1,100円は高く、700~800円が妥当だと思っていましたが、観終わって、逆に安いと感じる程に、『初恋のきた道』は素晴らしかったです。

 

最後になりますが、これまで「映画」の記事の中で、外国映画の邦題(日本語タイトル)の付け方の良い作品と、悪い作品を挙げていて、それを一覧にしています  が、本作は良い例だと思います。


原題の「我的父亲母亲」を直訳すれば、“私の父親母親” と映画の題名には相応しくないですよね。英題の「The Road Home」でも “故郷への道” とストレートです。


やはり、愛する人が馬車に乗りやって来て去って行ってしまった道、そしてその最愛の人が遺体となり、多くの教え子達に担がれて帰って来る道は、『初恋のきた道』としか呼び様がないです。


尚、「TOHOシネマズ 日本橋」を含む「午前十時の映画祭」GROUP Bの映画館での『初恋のきた道』の上映は、1月27日 (金) 迄です。

 





==「映画」バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/226e9f0193a60e6a012384176360666f

Film1~85  省略

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