隊長が、これまでに鑑賞した「映画 」を紹介するシリーズの第95作品目は、『ザ・ヤクザ』をお送りします。
『ザ・ヤクザ』(原題:The Yakuza)は、1974年に公開されたアメリカ映画です。
主演は、高倉健と、ロバート・ミッチャム (Robert Mitchum) 。
他の主な出演者は、岸恵子、ハーブ・エデルマン (Herb Edelman)、ブライアン・キース (Brian Keith) 、ほか。
監督は、シドニー・ポラック (Sydney Pollack) 。
あらすじ:私立探偵のハリー・キルマー (ロバート・ミッチャム) は友人のジョージ・タナー (ブライアン・キース) から、日本のヤクザ組織・東野組に誘拐された自分の娘の救け出してほしいと頼まれます。
タナーはハリーがかつて進駐軍兵士として日本にいた頃、彼に恩義ができたヤクザ幹部・田中健 (高倉健) に協力させれば奪還できるとハリーを説得しました。
日本で再会した健は、既にヤクザの世界から足を洗っていた。それでも健は義理を返すため、ハリーに協力することを決断しました。。。
感想:この映画のテーマは、アメリカ人には理解できない “義理” だと思いました。
ハリーに同行した若いダスティーが、健に義理の意味を「Obligation」かと聞いたところ、健は「Burning、しがらみ」と答えます。
“義理” だけでなく、オープニングで「Yakuza」の解説が字幕で流れるなど、当時のアメリカ人が知らない日本の組織、習慣、風俗を全編にわたって紹介している映画だとも感じました。
従って、ストーリーは荒唐無稽 (こうとうむけい) です。
例えば、健とハリーが、東野組に乗り込み、何十人も殺したのに、警察に追われることもなく、ハリーはアメリカに帰国することが出来ます。
この映画を観た外国人が、日本は “無法国家” と思わないか心配です。
印象的だったシーンは、そのハリーが帰国する際です。場所は羽田空港のパンアメリカン航空 (略称:パンナム) のチェックイン・カウンター。
ハリーが肩に掛けていたのは、パンナムの青い航空バッグです。海外旅行がまだ珍しかった当時の日本人には、憧れの青いバッグです。
そして、ハリーがパンナム機に搭乗する際は、ボーディング・ブリッジではなくタラップです。時代を感じさせるシーンでした。
同じく健さんが出演したアメリカ映画 『ブラック・レイン』 の方がまだストーリー性がありましたね。
ブログでも、健さんの映画を紹介する度に書いていますが、この映画に出演していた多くの方が、鬼籍に入られています;
高倉健、ロバート・ミッチャム、ブライアン・キース、ハーブ・エデルマン、リチャード・ジョーダン、岡田英次、郷鍈治 (えいじ) 、など (敬称略)。
亡くなられた皆さんのご冥福をお祈りいたします。
尚、「隊長のブログ」で取り上げた、高倉健さんに関する記事一覧は、こちらをご参照下さい 。
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