イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

グリコのポッキー、恐れ多くもミ、カ、ド。イギリスでの命名に隠された背景とは?

2016年11月22日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ
グリコのポッキー、近所のスーパーでかってきました。


MIKADO

ミカド、帝、御門・・・天皇のことですね。

ポックス pocks は英語で「痘疹」の意味です。small pocks は天然痘。
「ポッキー」を英語圏でお菓子の名前に使うのはまずいですね。

じゃあ、「ミカド」はどうなんでしょう?
日本のお菓子だから日本語の名前ならなんでもいいっていうのもちょっとどうかと思いませんか・・・?
今のイギリスに、ミカドの意味を知っているイギリス人がそんなにいるともおもえませんが・・・

1885年に、オリエンタル・ブームにわくロンドンで上演され、大ヒット・ロングランの、日本を舞台にした「ザ・ミカド」The Mikadoというコミックオペラがあります。
戦前には繰り返し上演されたそうです。

今では知る人ぞ知るといった程度の知名度ですね。

由来を調べました!

「ミカド」というのは、イギリスでは「ピックアップ・スティックス」という一般名で呼ばれているレトロなゲームの、アメリカでの商標名なんだそうです。

束を立ててぱっと離して放射状に散らばった竹ひごのスティックを、順番に一本ずつとっていく単純なゲームです。
他のスティックを動かしたら手持ちのスティックをすべて失います。
1セットに一本、いちばん得点の高い青いスティックが入っています。他はいろいろな色・・・数が少ないほど得点が高い。

アメリカでは、最高点の青いスティックは「ミカド」とよばれているそうな。ほかに「サムライ」、「ボーズ」、「マンダリン」、「クーリー」があって身分が低く数が多いものものほど点数が低い。

クーリー(苦力)というのは中国語起源の英語で東洋の労務者のことですが、マンダリンって何!?

ピックアップ・スティックスの箱入りセットは、今でもおもちゃ屋や、クリスマス前には本屋や文房具屋でも売られています。
私はやったことがありませんが、戦中戦後に子供時代をすごしたイギリス人にはおなじみの遊びみたいですよ。
アメリカで、このゲームが「ミカド」といわれてるって、初耳でした。

ポッキーのイギリス名「ミカド」は、このゲームから名づけられたのでした。竹ひごのスティックに棒状のポッキーの形が似ているからです。

じゃあ、ピックアップ・スティックがアメリカでミカドってよばれるのは、なぜ?



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3 コメント

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MIKADO (kakowaka)
2016-11-22 12:54:08
このミカド、イタリアにもありました!
ミカド (八幡@若林の弟)
2016-11-22 21:20:04
良くまあ当時のイギリス人はミカドという言葉を知ってましたね。
日本を中心に東洋を旅したイギリス人が作ったのでしょうか。
そう思うと、船の甲板で暇つぶしに棒を取るゲームをする姿が目に浮かぶようです。
 (江里)
2016-11-22 23:16:04
イタリアのミカドにはイタリア語がかいてありましたか。

1885年に、ロンドンで上演され、大ヒットロングランをとった「ミカードー」というコミックオペラがあります。これを書くために年号しらべた!
もちろん、日本が舞台。設定がめちゃめちゃなのは言うまでもない。
ミカドは、戦前のイギリスでもっともよく知られた日本語です。ポッキーに、ニンジャーとかスーモーとかよく知られた言葉から名をつけると、イメージが固定されちゃってまずいです。その点、ミカードーはエキゾチックでかっこいい響き、意味不明で好都合なんだと思う。

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