スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

デイリー盃クイーン賞&スピノザ『エチカ』の研究

2012-12-05 18:52:39 | 地方競馬
 12月を迎えたばかりですが,船橋競馬は今週が今年最後の開催。メーンは第58回クイーン賞
 最内からレッドクラウディアの逃げ。ネオグラティアが2番手につけ,プリンセスペスカ,インに潜り込んだハルサンサン,クラーベセクレタという隊列に。最初の800mは48秒6でこれはハイペースですが,最初が早くて隊列が定まると一気にペースダウンという変則ペースでした。
 クラーベセクレタは3コーナー過ぎから外を上昇。よい手応えのまま直線に入り,これは勝ったと思ったのですが,ここから逃げたレッドクラウディアが脚を伸ばし,むしろ差を広げて4馬身差の圧勝。クラーベセクレタが2着。1馬身半差の3着は後方内から直線も最内を突いた高知のアドマイヤインディ。51キロとはいえこれは大健闘といっていいでしょう。
 優勝したレッドクラウディアは3歳馬。5月に牡馬相手のオープン勝ちはありますが重賞は初制覇。休み明けということで人気を落としていて,あまりマークされずに逃げることができた点は恵まれましたし,ハンデの差もありました。ただこれだけ差をつけて勝つというのは並大抵のことではない筈で,この路線の主役級に台頭したと考えていいのではないでしょうか。父はアグネスタキオン。母の従妹に昨年の関東オークスを勝った現役のカラフルデイズ
 騎乗したのは内田博幸騎手で管理しているのは石坂正[せい]調教師。クイーン賞は共に初勝利。

 第二部定理九を神の無限知性を構成する原因と結果の無限連鎖とみなし,これを前提に第二部定理九系を読解することによって第二部定理九系の消極的意味を見出し,さらにここから第二部定理一二の新しい意味を帰結させるというのは,今回の僕の考察の根幹部分の一部をなします。そしてこれと同じように『エチカ』を読解しているものがあります。福居純の『スピノザ『エチカ』の研究』です。
                         
 この本は副題に『エチカ』読解入門とあるように,『エチカ』の注解書です。『エチカ』は公理系に基づいて記されていますが,これを一般的な記述に書き直したもの。ただし順序はほとんどスピノザが『エチカ』で示した配置通りに進められています。
 僕がこのブログを開始した直後に示したいくつかの参考文献のうちでは,アランによる『スピノザに倣いて』は『エチカ』の注解という側面があります。ただ,その懇切丁寧さという点において,福居のこの著書は比較にならないくらい優れているといっていいでしょう。少なくとも現在の僕が知る限り,『エチカ』の最良の注解であると思います。
                         
 ただ,『エチカ』は部分的には識者によって解釈の相違というのがあります。したがって注解といっても,あくまでもこれは福居による読解ということになります。ですから読者の中には,この注解のある部分について,あるいはもしかしたらその全体について,怪訝に感じるということがあったとしても不思議ではないと思います。また,福居自身が,後の『スピノザ「共通概念」試論』においては,この著書のある部分の読解に関しては,考え方を改めたという主旨のことをいっています。これは,僕自身の理解でいえば現実的に存在する人間の精神のうちにある十全な観念と混乱した観念の関係に関してなのですが,この点については,僕もいずれはテーマとして設定し,詳しく探求するつもりでいます。
                         
 福居の『エチカ』の読解というものを支持するのかどうかということは別にしても,この本が『エチカ』について考えるという上で役に立つということは間違いありません。そのためには必携の一冊といっていいくらいだと僕は思っています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする