スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

フェブラリーステークス&限界点

2012-02-19 18:38:32 | 中央競馬
 今年もドバイから招待を受けたトランセンドの走りに注目が集まった第29回フェブラリーステークス
 好発はエスポワールシチーでしたが内からセイクリムズンがハナへ。外からトウショウカズンとグランプリボスも上がっていき,一番外でかなり押していったトランセンドは4番手がやっと。ケイアイテンジンと並ぶ位置までエスポワールシチーは控え,ダノンカモンがこれをマークしてワンダーアキュートはその後ろから。個人的には意外な展開で,前半の800mは46秒6のハイペースになりました。
 直線に入るとずらりと馬群が横に。このためにエスポワールシチーなどは進路を確保するのに汲々としていたように見えました。後方3番手に控えていたテスタマッタはこれらの外に出すと,鋭い伸びで内の各馬をまとめて捕え,そのまま抜け出して優勝。出遅れてさらにその後ろにいたシルクフォーチュンもさらに外を伸び,これも内の各馬は捕まえて2着。3着は2頭の競り合いで,ワンダーアキュートがダノンカモンを競り落としました。5着のエスポワールシチーまで,トランセンドを除けば実力上位と思われた馬たちで掲示板を占めています。
 優勝したテスタマッタは昨年のマーチステークス以来の勝利で,大レースは2009年のジャパンダートダービー以来となる2勝目。折り合いに苦労する面があり,能力を十全に発揮できないケースもあるのですが,実力がきちんと出せればこれくらいは走ってもおかしくない馬。そうした面からは距離はこのくらいが最も適しているのだろうと思われます。今後も好走と凡走を繰り返していくことになるのではないでしょうか。Testa Mattaはイタリア語で狂った頭。いかにも折り合いを欠きそうな名前ではあります。
 騎乗した岩田康誠[やすなり]騎手は昨年のジャパンカップ以来の大レース制覇でフェブラリーステークスは初勝利。管理している村山明調教師はこれが大レース2勝目です。

 第二部定理九第一部公理三と直接的に関係していると僕は考えています。ただし,第二部定理九をただそれ自体でみて,それを基礎づけている事柄を第一部公理三のうちに見出そうとするならば,それはそのふたつの意味のうち,強い意味の方ではなくて,弱い意味の方になるのだろうと思います。というのは,まず何らかの結果が実在するならばそれが実在するだけの原因が求められなければなりません。こういう前提がまずあって,それならばある個物res singularisの観念ideaが実在する場合にはその原因とは何かということが問題とされ,その解答が第二部定理九で与えられ,かつそれがどのような仕方で神Deusと関係づけられなければならないのかということがそこで同時に示されていると読解することができるからです。
 もちろんこのとき,結果としてある個物の観念というのは,その原因とされるような別の個物の観念から必然的に発生します。いい換えれば,その別の個物の観念が与えられさえするなら,必然的に探求の当初のものであった個物の観念が発生します。しかしこのことは,むしろ第一部公理三の強い意味の方から第二部定理九を解釈することによって帰結するのであり,第二部定理九のうちに与件として含まれているものではありません。
 一方,人間の精神mens humanaによる事物の認識cognitioのあり方を考察するという際には,第二部定理九のように,結果から原因へと遡及していくのではなく,たとえそれが所与のものであったとしても,何らかの観念,ここでは個物の観念に限定しているわけですからこれを個物の観念としますが,そうした個物の観念がいかなる意味で原因となって結果である別の個物の観念を発生させるのかというように考えていかなければならないわけです。そもそもこうした方法が演繹法なのであって,それがスピノザが認める正しい方法なのですから,これに従わなければならないというのは当然のことです。
 よって,第二部定理九だけに頼ってこのことを探求することの限界点がここに存するということになります。なぜなら,原因が与えられれば必然的に結果が発生するということと,ある個物の観念が原因であるということとは,明確に異なっているからです。
コメント
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