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群馬の田舎から情報発信!

『包帯クラブ』(天童荒太)

2007-09-30 19:53:14 | 読書日記
 人は様々な傷を負っている。それが、他人から見れば大したことではないことでも、本人にとっては深い傷になっていることもある。
 主人公の高校生達は、「包帯を巻く」という行為で、世の中に溢れている”傷”を癒そうとします。

 傷つきやすい高校生達が、「包帯を巻く」という行為を通じて、心を通わせあい、成長していく姿が、活き活きと描かれています。

 最後にはそれぞれが、それぞれの世界で、それぞれの生き方で、頑張っている姿は、すがすがしささえ感じられました。

 天童さんの作品というと「永遠の仔」を思い浮かべますが、それゆえキチンと心構えしないと読めないと思っていました。 群馬県高崎市で映画のロケをしたということを聞いていたので、読みたいと思っていたのですが、やっと意を決して読みました。読んでみると、高校生を主人公としているためか、読後感が爽やかで、思っていたよりスラスラと読み進めることができました。
 天童さんの思いをより広い人達に伝えたいという気持ちからでしょうか、読み易く書かれています。

 それにして、天童さんはどうして、”弱い”人にこんなに暖かい眼差しを向けることができるのでしょうか。「包帯を巻く」という、とてもビジュアル的な行為で、人の傷を癒すなんてことをどうやって思いついたのでしょうか・・・。読者も包帯がイメージし易く、読みながらも、「包帯クラブ」の会員になっている感覚に陥ります。この発想・思いに触れるだけでも読む価値のある作品だと思います。  

 

『龍時 01-02』(野沢 尚)

2007-09-29 20:48:21 | 読書日記
 野沢さんの作品をはじめて読みました。

 それほどサッカーに詳しくない私でも、ワクワクしながら最後まで読みきることができ、読後にはちょっとサッカーに詳しくなった気がします。
 サッカーをやっている人には応えられない作品だと思います。

 日本の枠にはまることを拒み、単身スペインに渡る主人公。人種差別や技術的な差を乗り越え、海外で羽ばたく少年の姿が力強く描かれています。
 スペインのサッカー事情も随分詳しく書かれていて、日本のサッカー界が置かれている状況との対比が上手く描かれています。もう6年以上前の作品ながら、現在にも通じるメッセージ性があります。

 確かに、本格的はサッカー小説なのですが、”日本”から飛び出したいと考えている人、日本の古き慣習を打ち破りたいと考えている人にも是非読んでほしい作品です。

 個人的には主人公がいわゆる”パサー”ではなく、ドリブルで仕掛けて攻めあがることが得意なところが気に入っています。確かに華麗なパスワークには完成された大人のサッカーでしょうが、サッカー小僧はやはりドリブル突破でしょう。
 ン~、オシムジャパンにもル・マンの松井を是非招集して欲しい。

 続編もあるようなので、次も読みたいと思います。

「日向屋」の親子丼

2007-09-24 22:02:57 | 群馬グルメ
 前橋市川原町にオシャレな鶏肉料理屋ができたという噂を聞いて、ランチを食べに行ってきました。

 目指していくと、東国原知事の似顔絵入り黄色いのぼり旗がはためいていて、「どうして宮崎なの???」という疑問が少々。

 お店の中は、オシャレでキレイな”居酒屋”です。
 夜が中心のお店らしく、ランチは5種類の中から選択するようになっています。4種類が1000円、1種類だけ1500円という内容です。

 つくね丼が終わってしまったということで、親子丼のランチにしてみました。
 メインの親子丼にサラダ・小鉢二皿・味噌汁・おしんこ、食後にコーヒーというラインナップ。
 宮崎地鶏を前面に押し出しているだけあって、親子丼は美味しかった。

 とは言え、親子丼だけではこの店の真価はよく分からないので、今度は是非、夜の焼き鳥を食べてみたい。 

『伝える力』(池上 彰)

2007-09-20 22:07:50 | 読書日記
 NHKの「週間こどもニュース」でお馴染みの池上氏が、「伝える」ということをテーマに書き下ろした作品です。

 「話す」「書く」「聞く」能力について、著者が普段から気をつけていることを、分かりやすく説明してくれています。それだけに説得力のある内容盛りだくさんの作品に仕上がっています。
 さすがに「週間こどもニュース」のキャスターだけに、文章も平易で分かりやすく記されていて、すらすらと読めてしまいました。

 特に、文章を書く時の注意点として「使わないほうがよい言葉や文字」が挙げられていますが、私もこれから注意しようと思います。

 ・そして/それから
 ・順接の「が」
 ・ところで/さて
 ・いずれにしても
 ・絵文字の類

 しっかりと内容・文体がしっかりしていれば、余計な言葉を使わなくても、きちんとした文章が書けるのです。いや、かえって出来る限り、余計な言葉を排除し、内容の濃い文章にすることで、伝えたい事が正確に伝えられるものなのです。

 ブログの効用も記載されていますが、私のブログはうまく伝えられているでしょうか???
 
 

地デジ草津中継局への財政支出

2007-09-17 11:25:08 | 群馬Today
 「群馬テレビが今年度中の開局を予定している地上デジタル放送の草津中継局を巡り、嬬恋村と長野原町が、県から求めれた財政支出に難色を示し、9月議会への補正予算案提出を見送った。」(今日の読売新聞群馬版)

 もともと国策でデジタル化が計画され、現在のアナログ放送に比べ、受信できない地域・世帯が増えることを国はどのように考えているのでしょうか。

 今までのアナログ放送網でさえ、難視聴地区の解消につい最近まで取り組んできたというのに、デジタルにしますから見たければ税金で賄いなさいという態度はいかがなものか。全額国が負担して整備すべきという首長の主張には頷けるものがあります。

 なにゆえデジタル化するのか。誰がメリットを受けるのか。そこが上手くPRできないため、国民の間でコンセンサスが得られないでは。確かに都会に住んでいる人達は、単にテレビを買い換えるだけでいいかもしれませんが、放送業者が中継局等を負担しない地域に住んでいる人は税金を投入して施設を整備しないとテレビが見られなくなるということを、国民全体が知っているのでしょうか?

 もっともっと声を大きくして、国に訴えていくべき問題だと思います。

『人を動かす交渉術』(荘司雅彦)

2007-09-14 22:40:14 | 読書日記
 現役弁護士が、自らの経験や研究により辿り着いた交渉術をまとめた作品です。

1 相手の心とつかむ
  交渉は人間心理を理解した上で進めることが大事。まずは相手の主張をよく聴き、聞きだしたことは全て交渉の情報とし、心理学的知識を巧みに利用することで有利に交渉を進めることができるようになる。

2 心を揺さぶる、感性の交渉
  情報伝達の手段としてストーリが効果的。ストーリー構成は「誘引」「期待」「満足」という流れに。理屈抜きで心情を揺さぶるものであれば、ストーリーでなくてもよい。交渉の場で心情に訴えるには、身近な具体例を挙げるのがいい。

3 落としどころを見極めるーゲーム理論
  相手の行動を想定して戦略を立てる際に、ゲーム理論は有効である。囚人のジレンマで、それぞれのプレイヤーが最適の戦略をとった状態が「ナッシュ均衡」である。実社会ではナッシュ均衡に落ち着かないことが多い。人間心理には、理論では説明できない「公平性への志向」がある。「交渉力」となるものには、「代替的選択」「オプション」「時間的コストの安さ」「情報」がある。コミットメントは交渉力を強化する。シグナリングを使って、自分の立場を戦略的によくすることもできる。

4 確実に攻めるためのツールークリティカル・シンキング
  交渉では、自分の主張の根拠、想定される相手の主張への論理的反論を考えておく必要がある。クリティカルシンキングは、論理的に考えるに適したツール。交渉に当たっては、仮説をいくつか持っていると絶対有利。主張を論理的に組み立てると、ピラミッド構造になる。

5 機先を制する交渉のスタイル
  大切な交渉のときは服装に気を配る。話し方には注意する。交渉場所はホームが絶対有利とは限らないが、場所は近いほうがよい。

 いくつもなるほどと思わせてくれるアドバイスがたくさんあります。
 例えば、最近、ビジュアル的に作成されたパワーポイントの資料に何となく不満を持っていました。何か頭の中に内容が入ってこない。ただキレイなデザインだなあと思うだけの資料が多くなってきた気がしていました。この本で、「ストーリー理論」を読んで、「そうか、ストーリーが足りなかったのか」と気付かされました。パワーポイントの資料はデザインを見てもらうのではなく、訴えたいことを効果的に伝えるためのツールなのですから、内容をうまく相手に伝えられないと困るわけで、そんな時、ストーリーを意識することが有効だと再認識しました。

 また、ゲーム理論も面白かった。交渉は必ず相手がいるわけで、相手の行動を推測し、それとの関係で自己に最も有利な状況を生じさせるよう行動する。独りよがりな行動は慎むべきですねえ。

 交渉の場面だけでなく、普段の生活の様々な場面ですぐに使える実用書です。 

『探偵ガリレオ』(東野圭吾)

2007-09-12 22:55:52 | 読書日記
 警視庁捜査一課の草薙俊平と帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学という不思議がコンビが難事件を解決していくミステリーです。

 以前「容疑者Xの献身」を読んだのですが、湯川助教授シリーズができているとは知りませんでした。(「容疑者~」はそのことを知らなくても楽しめました。)

 この作品は短編集なので、奥深い人間模様などはありませんが、それぞれ奇想天外な難事件が起こり、理系的センスで次々と解決していくので、飽きずに最後まで一気読みしてしまいました。
 湯川シリーズの入門編としてはピッタリです。

 福山雅治さんの主演でドラマ化されるということですが、普通のトリック殺人の解決ものに比べ、ビジュアル向きの話が満載なので、ドラマもかなり期待できるのではないでしょうか。楽しみです。

『名もなき毒』(宮部みゆき)

2007-09-06 19:38:31 | 読書日記
 財閥企業で社内報を編集する杉村三郎は、トラブルを起こした女性アシスタントの身上調査のため、私立探偵・北見のもとを訪れる。そこで出会ったのは、連続無差別毒殺事件で祖父を亡くしたという女子高生だった。

 誰もが心の中に「毒」をもっている。これが、さまざまな形で人に影響を及ぼす、ということを描いた作品です。

 誰もが「毒」をもっているということは、誰もが、ある日突犯罪者になる可能性を秘めているということ。しかし、普通の人は犯罪を犯さずに、その毒を押さえ込んで生きているのです。

 職場の問題のあるアルバイトの話と、連続無差別殺人とが主人公を中心に一気に解決への向かう。2つの話が絡まるプロット構成は意外性はないものの、うまく融合していて、安心して読める作品に仕上がっています。さすがは宮部さん!

 ただ、せっかく魅力あるキャラクターの北見氏が、意外と活躍せず、話が終わってしまったのがちょっと寂しい。犯罪が起こった後の後始末より事前に防ぐことをしたいと、刑事を止め私立探偵になったという北見氏だけでも1つの話ができあがるぐらいの突出したキャラクターなのに・・・・。
 

『となりのクレーマー』(関根眞一)

2007-09-04 21:46:47 | 読書日記
 百貨店でお客様相談室長を務めた著者が、自己の経験を語りながら、苦情処理の現状と対応法を説いた作品です。

 クレームに対する基本的対応
1 非があれば、真摯な態度で謝罪をする。
2 お客様の申し出は、感情を抑えて素直に聞く。
3 正確にメモを取る。
4 説明は、慌てず冷静に考えてする。
5 現場を確認する。
6 対応は迅速にする。
7 一般の苦情客を、クレーマーに仕立てない。
8 苦情対応は平等に。

 読み進めると憂鬱な気分になりました。現実に、本格的な苦情社会に突入しいろいろなクレームが世の中に溢れているようです。
 どうしてここまで人間がイビツになれるのかと、人間不信に陥ってしまいます。
 どのように対処してよいか分からない時、この本を参考にしたい。

 一方、私も店員の対応に不満を持つことがあります。つまり、いつクレイマーになってもおかしくなくのです。

 社会生活は人と人との関係ですから、いかにお互いの満足度をあげるよう気配りする必要があるのでは。

 しかし、純粋なクレイマーには断固として対決していく意志が必要だと思います。その加減が難しいのだけれど・・・


「たかくわ」の蕎麦

2007-09-02 20:34:37 | 群馬グルメ
 美味しい蕎麦が食べたいということで、前橋市川原町にある「たかくわ」さんに行ってきました。
 ジャズの流れる店内は、蕎麦屋さんとは思えないオシャレな感じです。
 
 今日は、二山そばを注文してみました。普通の蕎麦と石挽き蕎麦の合盛です。
 どちらかと言えば石挽き蕎麦の方が好みですが、どちらも美味しい。ツユも塩辛過ぎず大満足でした。

 値段の設定がちょっと高めですが、量が多いのでコストパフォーマンス的にも納得できます。

 優雅な気分で蕎麦を食べたい時にはピッタリのお店です。