塩哲の色不異空

日々の思いを気の向くままに

ミュージアム巡り 漂流ものがたり 南漂記

2017-04-07 05:39:26 | ミュージアム巡り_2017
 次の蔵書は、寛政6年(1794)9月、陸奥国名取郡閖上村(現在の
宮城県名取市)の船頭・清蔵ら16名の乗った大乗丸が江戸に米を運
ぶ途中に遭難し3ヶ月ほど漂った「南漂記」(木村兼か堂旧蔵・写本)。
 11月20日に島を発見して上陸すると、そこは無人島。ところが
翌日、運良く漁船と遭遇して民家のある島へ。その島の役人にサイ
ゴンへ連れて行かれ、4ヶ月ほど滞在。
 寛政7年4月、マカオ船に同乗して広東を経由、1月に長崎へ帰着
する。帰ってこられたのは9名だった。
 この本には漂流から帰国までの経緯だけでなく、各地の地理や風
俗、産物などを項目別に詳細に記されている。
 赤の矢印のところは、安南国の国王に拝謁し、国王から銭500貫
文と白米200俵を賜り、困ったことがあれば役人に申しつけるよう
にと言葉がかけられたという。清蔵らは国王をたいへん能力のある
御仁だと感想を述べている。
 この国王とは、阮福暎(嘉隆帝)でベトナム阮朝の初代皇帝。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

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