アメラジアンとはアメリカ人とアジア人の混血子。本書によるとアメラジアンは韓国、フィリッピンにも多くいるようですが沖縄の比率が高いのは長きに亘る米国軍駐留の結果か。このアメラジアンを多角的に分析調査し、博士号取得の学術を基盤にした本書。私は著者の野入さんに沖縄のアメラジアンスクールを案内され、ブラック、白人、黄色、日本語、英語と多色、多彩な子供達の元気な姿を見て、沖縄の未来を感じました。
琉球大で人文社会学の研究をしつつ、この沖縄アメラジアンスクールの理事長のボランティアー活動を務める野入さんの多彩旺盛な活動パワーに改めて感嘆です。300頁を超すこの調査研究書を読むのは大変でしたが、最も興味深く魅かれたのはアメリカ人と結婚した沖縄女性の動機、経緯やアメラジアン生徒へのインタビューを読み、ハーフならぬダブル、ナショナルからインターナショナルと沖縄の未来を予感しました。
私が沖縄に居たころ“糸満ウランダ!”“北谷ナイチャー”“伊良部佐良浜アイノコー”等々の台詞を聞いたことがあります。これは古来沖縄の海外交流・混血の伝説では?歴史、由来、レベルが違うもののOIST(沖縄科学技術大学院大学)とアメラジアンスクールは22世紀アジアへの橋頭堡・沖縄の未来を予感させます。本書の末尾謝辞欄に私の名前を読みビックリ!恐縮の極みです。