田舎暮らし~南信州四季折々の記

南アルプスと中央アルプスをのぞむ田舎での四季折々のつれづれの記写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

イタリア旅日記 NO18 フィレンツェ 9 ウフィツィ美術館 

2018-01-04 20:58:11 | 旅行

ウフィツィ美術館には美術の教科書や歴史の教科書などどこかでだれもが一度は目にしたことのある

有名な作品が数多く展示されています

まずは超有名なボッティチェリの二つの作品

      ヴィーナスの誕生  ボッティチェリ作

ボッティチェリは皮なめし職人の子としてフィレンツェに生まれ

15歳であの女性スキャンダルで名をはせたフィリッポ・リッピの工房に弟子入りしたといいます

生涯独身を通し65歳で亡くなったそうです

彼の本名はアレッサンドロ・ディ・マリアーノ・フィリペーピといいます

ボッティチェリとは彼の兄が太って大きな人だったようでその弟ということで付いた「小さな樽」という意味の

あだ名だそうです

この作品は縦172・5㎝ 横278・5㎝の大作   ギリシャ神話が元になっている作品

成人女性の姿で海の泡から生まれたヴィーナスが帆立貝の貝殻の上に乗り風に運ばれてギリシャの理想郷

ヘスぺリデスの果樹園へたどり着く場面が描かれているといわれます

(エーゲ海に生まれキプロスに着いたとの説もある)

左上から風を吹きかけているのは西風の神ゼフュロスと祝福のバラの花を撒くその妻フローラ

ピンク色のバラの花が宙を舞っています このバラはロサ・ガリカという原種のバラの一種のようです

ヨーロッパ中南部原産で香りのよいバラの様です

彼は草花をとても写実的に描いているのでどんな種類の草花かすぐわかるようです

 

          

          

 

右側の岸辺では季節の神ホーラーが赤いローブを差し出してヴィーナスを出迎えています

このローブにはヒナギクやサクラソウの刺繍が、ホーラーが纏っている服にはヤグルマギクの刺繍が

施されているといわれます いずれも誕生をイメージする春の花ばかり 

          

近寄ってみれば白い花を咲かせているヒナギクや サクラソウ、ヤグルマギクの模様が丁寧に描かれています

 腰に巻いているのはバラ これもピンク色の花が咲いていてロサ・ガリカのようにも見えます

         

 

もう一つの作品

          春(プリマヴェーラ)   ボッティチェリ作

これも大作で縦203㎝ 横314㎝

この絵についてはいろいろな解釈があり今も定まってはいません

中央赤いガウンを持っているのはヴィーナス

右から西風の神ゼフュロス 西風はヨーロッパでは春を告げる風といわれるようです

ゼフュロスが捕まえようとしているのはニンフのクロリス 二人はやがて結婚します

(ヴィーナスの誕生)には二人そろって画面左に登場しています

そしてクロリスの横にいる花模様の服の女性はクロリスの化身である花の女神フローラ

(クロリスが変身して花の女神フローラとなるのでこの二人は同一人物)

クロリスの口からは花があふれ出しています (まさにフローラになろうとしている瞬間)

この花はヒメツルニチソウだといいます 結婚を表しているそうです

ヴィーナスの左には三美神がいます ヴィーナスの従者でギリシャ神話では喜び・花の盛り・輝きですが

ローマ神話だと 愛(愛欲)・慎み(純潔)・美となります

この絵ではローマ神話の方の表現が当てはまるようです

愛欲と純潔の相反する神がいさかいをしています それを真ん中にいる美の神が間に入ってとりなしています

上にいるのはキューピット 純潔の神に向かって矢をつがえています 

キューピットは目隠しをしています 愛は盲目を表しているといいます

この辺りが人間の精神性を表現しているともいわれる所以かもしれません

左端にいるのは神々の使いヘルメス(マーキュリー) 杖を振り上げ冬の雲を払っています

頭上にはたわわに実ったオレンジの木が 足元にはたくさんの種類の草花が描かれています 

研究者が調べたところここに描かれているほとんどの草花が今もトスカーナ地方に自生しているということです

 

      

      一休みして廊下から外を眺めます ベッキオ宮殿方向を見ています

こちらはアルノ川越しに対岸を眺めています

こういう窓になっています まどの内側から窓越しに対岸を撮ります