ミラノでの楽しみの一つは レオナルド・ダヴィンチの有名な(最後の晩餐)の鑑賞です
先ずはこの絵の描かれている教会に向かいます
サンタマリア・デッレ・グラツィエ修道院です
これが正面ですが 第一印象としてはあっけないほどシンプルでこじんまりしていました
来た道を振り返ると古い建物の向こう側に近代的な建物が見え、ミラノらしい風景かなと思います
見学は完全予約制で見学30分前には到着していなければなりません
少し時間があったので右手の道を進んでこの修道院の裏側に回ってみました
こじんまりした正面とは違ってかなり奥行きがあります
正面のシンプルな造りとは違って手の込んだ装飾がありイメージが違います
レンガの色が同じようなので統一感はあります
ここはミラノのスフォルツァ公の要望によって造られたそうです
中庭を囲むように回廊があり 中庭の緑の植栽がレンガの色とマッチして映えます
回廊の縁に腰かけて新聞を読んでいる女性が一人いただけでこの回廊と中庭は静かな時間が流れていました
ダヴィンチの有名な絵を鑑賞するために世界中から途切れなく人が訪れる修道院の一部とは思えないほどです
正面に戻って入場前に修道院の中を見学します
内部はシンプルだけれど厳かな雰囲気です
内部はドームの天井から明かりが入っているとはいえかなり暗い印象でした
これはロウソクです 買って供えるようになっています
日本のお寺でおせんこうを買って供えるのと同じ様なものかと思います
いよいよ鑑賞に向かう時間になりました 一度に入れるのは二十数人です
二十数人がひとグループになって集められ 先ずは前室が空くのを待ちます
ロシア人のグループの人達と一緒でした 15分待って前室に入りまた15分待ちます
そしてようやく絵のある部屋にはいれます 鑑賞時間は15分で二十数人だけなので
割合ゆっくりじっくり鑑賞することができます
同じダヴィンチの絵でもモナリザはルーブル以外で観ることができるかもしれません
ゴッホでもモネでももしかしたら日本で観ることもできるかもしれません
でもこの絵だけはここに来ない限り決して観ることはできません
何故ならこの絵は壁に描かれたものだから・・・
もともとこの修道院の食堂の壁画として描かれたもので4・2メートル×9・1メートルの大きさです
室内にはベンチが置いてあり座ってゆっくり鑑賞もできます
絵を良い状態で保存するため温度湿度の管理はもとより照明もかなり抑えてあり 室内はかなり暗くなっています
キリストが受難の前夜に12人の弟子と共にとった晩餐の席で 弟子の中に裏切る者がいると予言し
弟子たちが動揺している場面が描かれています
絵の中心にはキリストが描かれています
有名な絵なので何処かで何度か目にしているけれどやっぱり本物を見たかった・・・
食堂の壁に描かれたものなので湿気や熱気で傷んだ上に 17世紀には馬小屋として使用されていた時期があり
馬の呼気や排泄物などから出る成分などによって傷み また大戦時には空爆を受け修道院の屋根が半壊し3年間
露天にさらされたようです
そんなわけで修復が繰り返され 大規模な修復は5回記録されているといいます
暗いので感度を上げてもぶれてしまう
フラッシュ撮影は禁止でもこの作品を自由に撮れるのはありがたい
部屋の反対側の壁面にも大きな絵が描かれています
15分経つと部屋から出なくてはなりません 入れ替わりに次の人達が入ります
部屋を出るとお土産コーナーのようなところがあり ダヴィンチに関する書籍などがならんでいました