散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

21

2008-04-17 09:37:44 | 映画の話


久しぶりになんだか急に映画が観たくなって近所の映画館に出かけた。
特に私が見たいと思っていた映画はかかっていない映画館なのだが何しろ近いというのが特大の利点である。とにかく急に映画を観たくなった時には便利なのだ。
電車2分の隣の駅、自転車なら10分、歩いても20分弱。。。
昨日は丁度電車が来たので飛び乗った。
映画館内にあったレストランはつぶれてしまったらしく真っ暗でがらんとしている。映画館の向かいのレストランもつぶれている。要するに人がちっとも集まらない場所で、せいぜい映画館と裏手のスポーツセンターにポツリポツリと人が集まるほかは事務所が集まっているくらいのさびしい場所なのだ。よくこの映画館はつぶれないで持ちこたえているものだと通りがかるたびに思う。映画館の中に入ると誰もいない。切符を売る窓口がいくつも並んでいるが誰もいないので、奥を覗くと片付け物をしていた女性がやってきて、あらこんな時間にお客だなんて珍しいわ、という表情で切符を打ち出してくれた。
いつもなら切符切りが立っているあたりにも誰もいないので、入ってゆくと売店がある。一応ポップコーンやタコスがムンムンと匂っているし、飲み物やお菓子が並んでもいる。そこでおしゃべりしている係員に切符を見せると、お!お客だ!という表情で
『こんにちは、こんにちは!楽しみくださ~い!』といいながら大げさなジェスチャーで切符を切ってくれる。
『ひょっとして、私一人?』と聞くと『その通り!』と目をくりくりさせて答えるのだった。やっぱりね。街外れの午後一番(14時15分)の映画館は実にさびしい。
私一人で映画館のど真ん中に陣取っているのはなんだか酷く贅沢な感じもするけれどさびしいものだ。いいような悪いような妙なものだ。
しかし、始まる直前になって若者二人と中年のおじさんが一人やってきた。

ところで観た映画は『21

内容はあまり調べずに決めたのだった。
数学の天才が主人公か、面白そうかな。。。
ケヴィン・スペーシーが出ているのだったら観てもいいか。。
おまけにローレンス・フィッシュボーンが出ているしね。。
先ずこの3点で決定したのだった。結果から言って私にはあまり面白くはなかった。
兎に角映画館で映画を観たいという趣旨で出かけたのであるから甘い点をつけるとしても、忙しいときに時間を割いて観にいったりしたのだったらかなり不満だったかもしれない。アメリカでは駆け出しの興行収入は良かったらしい。 後でレヴューを観ても結構点数が良い。 原作の本„Bringing Down The House“を映画化したもので実話なのだそうだ。
MITの天才的な頭脳は持っているがお金が足りない苦学生が、ラスヴェガスで生徒を使って稼ぐ数学教授(ディケンズのオリバー・ツイストに出てくるフェイギンみたいな人物)に目をつけられ、引きずり込まれてブラックジャックをカード・カウンティングで荒稼ぎをするようになる。始めは純情な若者も次第にラスヴェガスの空気に染まっていくあたりテンポもあってそれなりに見せるが、話の展開は今ひとつ面白くない。最後はとって付けたようなハッピーエンドで気が抜けた。青春物語だと思ってみればいいかもしれない。
話は先き先きが読めてしまうし、映画としてはありがちな内容だけれども実話だったというところがポイントか?
日本題名は『ラスベガスをぶっつぶせ』だそうである。そんな題名だったらいくら暇であってもこの映画を観ようとは思わなかったろうね。
原題もドイツ版の題名も『21』。
この数字に何の意味が隠されているのか?きっと数学的難題がかかわってくるのに違いない、なんて勝手に想像してしまって釣られた。話は主人公が21歳の誕生日を迎えた頃から始まる。頭は抜群に良いけれども女の子には全くもてない、お金もない親友達2人が主人公の誕生祝い場面で"21=八番目のフィボナッチ数”だ、などと喜ぶシーンがあったけれど、それ以外に意味はなかったのだろう。。。ね?

ドイツ映画Doris Dörrie 監督のKirschbluete-Hanamiは、なかなかよさそうな映画だ。
加えて日本が舞台に出てくる映画は幾つか観たことがあるけれども、日本人のものではない色々な視線で日本を観るのも面白い。






(ちなみに写真は映画館とは何の関係もない)


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4 コメント

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映画館 (Mercedes)
2008-04-17 21:25:25
映画のタイトルは、たまに「やられたぁ」と思います。
タイトル「21」は何となくクールな感じで面白そうですが、ダメでしたか・・・・。

ドイツの映画館、たしかミュンヘンでした。
入ろうとしたら上演していないと。
何故?と尋ねるとお客が誰もいないから。
客席の数字の並んだPC画面を見せられ
「ほら、何処も埋まってないだろう」と。
だれもいないと上映しないの?と驚きました。
映画館独り占めは昔、30席程度の映画館で
「モード家の一夜」を見た時。
2月でやけに寒いと思いながらコートを着たまま鑑賞。
1人だからエアコン付けてくれていなかった様でした。
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Mercedes さんへ (Seedsbook)
2008-04-17 23:54:17
元気ですか?
なんとなく。。。ね。いいかなと思ったのですが。

この映画館なら一人でも上映してくれます。
CMのかかっているときなど私一人でした。
この会場は大きかったんですよ。300人くらい入る部屋。だから一人はちょっとさびしかった。
本当は火曜日が映画の日で5,50ユーロで安いのです。水曜日の昼は7,50ユーロ。5時以降は8ユーロです。ちなみに金土は8,50ユーロ。
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 (岡花見)
2008-04-18 09:23:29
夢の中の映画館の話かと思って読んでたぁ。
Seedsbookさんは、夢と現実の間を行き来してる感じがするからなぁ。
散歩中に、突然異空間への入り口を見つけちゃう、とかさ。
ほら、↑の散歩のようにね!
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岡花見さんへ (Seedsbook)
2008-04-18 14:30:09
へへ、これは現実の映画館。
夢のなかだったらもう少し面白い映画観られたりして?
この映画日本では5月にかかるそうです。T
ドイツ映画の"桜の花-花見”という映画が今上映されていてこれはよさそう。 日本でもかかるかなあ?
やっとこちらも来週あたりは気温が上昇しそうです。



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