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新潟県知事選(8) メディアの反応 新聞各社の社説(2)

2016-10-21 22:57:25 | 昨日の風 今日の風

新潟県知事選(8) メディアの反応
 新聞各社の社説(2)

 前回は朝日、読売の社説を検証した。今回は毎日新聞、産経新聞を取り上げます。

毎日社説見出し: :原発不信を受け止めよ

 見出しは朝日の「原発への不安を示した」と似ている。
つまり、民意は原発再稼働に待ったをかけたという意味か。これを受けて更に冒頭。

 安倍晋三政権と東京電力は選挙結果を真剣に受け止めるべきである。…この結果となったのは、いかに東電に対する県民の不信感が強いかの表れだ。
 論調は厳しく、7月の鹿児島県知事選の事にも触れている。

 九州電力川内原発の停止を揚げた三反園訓氏に敗れたのに続く敗北だ。再稼働に対する姿勢があいまいだった森氏に対する不満だけでなく、原発の維持・再稼働路線をひた走る安倍政権への批判も大きいとみていいだろう。

 朝日の社説が同様に三反園氏の勝利を引き合いに出し、
民意は徐々に原発再稼働に反対の方向に動きつつあることを示唆している。
また、終盤になって蓮舫代表の米山氏応援のための新潟入りについては、
「迷走」と非難し、民主党の姿勢を次のように戒めている。
 原発政策を改めて議論して党の態度を明確にしないと有権者には信用されない。

産経主張見出し: 新潟新知事は「脱原発」脱却を
 
推進論の明確な意思表示だ。
いい加減に「脱原発」から卒業したらと主張
しているのだ。

 政府与党にとっては7月の鹿児島県に続く、原発立地県での知事選連敗である。

 と認めながらも、資源小国の日本で原子力発電が果たす役割は極めて大きい。
と開き直り原発推進の意味を次のように展開している。

①原油価格に左右されない電力の安定供給。②地球温暖化問題への対策として2030年までに二酸化炭素26%削減には原発の活用が必要で、再生可能エネルギーで実現することには無理がある。

 
危険と隣り合わせの原発を推進することがいかに無謀なことか、
福島第一原発の事故究明もできていない上に、事故の教訓の欠片もない原発推進論だ。
読者のみなさん、特に産経新聞の購読者よ、だまされてはいけない。
「資源小国」とか「地球温暖化問題」などと大義名分を並べるのは筋違いであり、とんでもない論理のすり替えだ。
最後の文章は極め付けだ。

地球環境や国の将来、県の財政基盤の強化に、原子力発電が必要だと考える多くの人がいる。勝利におごり、そうした声に耳をふさげば、新潟県だけでなく日本の将来に影が差す。

  私には、こうした発言は負け犬の遠吠えにしか聞こえない。

 原発の抱える問題は、「トイレなきマンション」に例えられるように、負の要素が多すぎる。
福島第一原発事故によって被害を被り、
避難を余儀なくされた人々にとって、
原発や放射能に対する不信感は容易に拭えるものではない。

 被爆をしたのか、しなかったのか、人体に被曝の影響はないのか。
事故後5年を経てなお、こうした不安はぬぐい去ることができない。

 10月初旬、常磐高速で「浪江」、「双葉」を車で通過した。
帰還困難区域の道路沿いに立ち並ぶ家屋に人の気配はない、
田畑はセイタカアワダチソウや雑草が生い茂り、
除染の残土が黒いビニールの袋に詰め込まれ、空地を占領している。
捨てざるを得なかったふる里。
繁栄の果てに崩落した原発の犠牲はあまりにも大きすぎる。
次世代を担う子どもたちに、このような負の遺産を与えてはいけない。
(昨日の風 今日の風№46-8)
   (2016.10.21記)         (つづく)

   次回も社説で原発問題を考えてみたいと思います。


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