これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

弁当箱、なにで洗う?

2018年07月15日 21時00分54秒 | エッセイ
 秋田のブロ友さんからいただいた弁当箱は、すこぶる評判がいい。



 職場の流しで洗っていると、何人もの教員から声をかけられる。
「曲げわっぱですね、いいなあ」
「風情があって、とても素敵ね」
 見た目だけでなく、通気性があり料理が傷みにくいといった実用性も備えている。少しでも長持ちするように、食べ終わったら即洗い、丁寧に水気をとって乾かすようにしているのだけれども、困ったことが起きた。
「あれ? 洗剤がない……」
 職場ではヤシの実洗剤を使っているが、タンクが空っぽになっている。たしかに、残り少なくなってはいたが、どこで調達すればいいのだろう。
「いいや、ひとまず、他のもので洗っちゃえ」
 といっても、液体洗剤はなし。液体クレンザーは……いくら何でも違うだろう。固形石鹸ならあるので、食器用のスポンジにつけてみた。



「よしっ、泡が立つからこれで洗おう」
 洗浄力は弱そうだけど、さほど汚れていないから問題なさそうだ。しかし、しかし。石鹸で弁当箱を洗う日が来るとは思わなかった。かなり、みじめな気持ちになってくる。決して他人には見られたくない場面である。
「うーん、まだない」
 翌日も、その翌日もヤシの実洗剤は空っぽのままだった。石鹸をスポンジにこすりつける日が続き、「ずっとこのままでもいいや~」とヤケになる。担当者の話によると、在庫を切らしてしまい、急いで注文したが届くまで時間がかかっているとのことだった。いつになったら、洗剤が到着するのやら。
「家庭科の洗剤を分けますから、使ってください」
 ついに、見かねた家庭科の教員が、調理実習で使っていたヤシの実洗剤を持ってきてくれた。



 当面は、これで石鹸ゴシゴシから解放される。バンザーイ!
 隣の隣の席にいる男性も、毎日愛妻弁当を持ってきているから、同じ問題に直面していたはずだ。彼はどうしていたのだろうか。
「あ、僕はカネヨンで洗っていました」



 カネヨン? ウソでしょ!?
 あちらから見ると、「石鹸? マジかよ」となるのかもしれない。いずれにせよ、ヤシの実洗剤の偉大さを知った。
 さあさあ、弁当箱がキレイになりますよ~。


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コメント (4)
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