趣味の日記

観劇・歴史・小説・漫画などなど、思いつくままの語り日記

初日映像

2013-08-26 23:54:23 | 観劇
タカラヅカニュースで、雪組の初日映像が流れました♪
肝心のところは伏せてあるけど(苦笑)、ちらっちらっと映っている画面に、舞台が思い出されて、さらに観たい気持ちが募りました・・・。

逸平さんを観たいよ・・・。
観れば観るほど、回数を重ねれば重ねるほど、お芝居の深さにハマりそうな、そんな役ですよね。
文四郎さまと逸平さんが、この物語の中で、一番‘時の流れ’を表わす位置にいます。
おふくちゃんと与之介さんは、遠い江戸に居る、という意味では、文四郎さまの‘時’の中から、少し外れたところにいますし、武部さんは最初から‘大人’なので、時の経過とは違う位置に初めから立っている。
常に文四郎さまと同じ‘時’の中にいるのが、逸平さんなんですね。
だから、逸平さんは出てくるたびに着物が違う(笑)。ほんのちょっと、歩いて過ぎるだけの場面でも、違う着物で、時の経過がわかる。
そして、過ぎていく時間の中でも、文四郎さまと逸平さんの友情だけは、全く変わらない。
文四郎さまの父上が亡くなって、少年同士、泣いたときから、二人でお酒を酌み交わしているとき。文四郎さまの婚礼で、付き添いをしている逸平さん。与之介さんの帰郷に、三人で語り合い、変わらぬ友情で言葉を交わすとき。文四郎さまの危機に、真っ先に駆けつけてくる逸平さん。そして、最後の与之介さんの婚礼の舞い。
ひとつひとつ、少しずつ、時が流れ、それぞれに、年を重ねている。だからこそ、ラストシーンの文四郎さまとおふくさんの思い出話に、涙が溢れます。
本当に、素晴らしい作品ですね・・・。

今回、全ツに当たっての脚本改編。
‘悪役’担当を武部さんに集約したことで、むしろ文四郎さまを芯とする物語として、すごくわかりやすくなりました。
文四郎さまから見た敵対勢力である、里村一派=武部さん、という図式がはっきりしているので、武部さん側の視点がなくなり、最初から悪い側に属してるから悪い人、で収まっちゃう(苦笑)。武部さんの行動の説明をしてるのは、妻の立場を離れた留伊さんですしね・・・。
中日のときの武部さんは、むしろ、留伊さんと結婚したときは良い人だったのに、派閥争いの中で保身のために、里村一派に靡いて行ってしまった、という人間的な弱さのある人物に描かれてたと思います。
それに、一番違ってしまったのが山根さん。武部さんに、一部役割を移行したことで、文四郎さまとことごとく対立することが、単に家柄を鼻にかけたイジメっ子だから、になってしまいました(苦笑)。
中日の山根さんは、家柄と自分の才能に自信と誇りを持ち、だからこそ身分の低い文四郎さまが、自分よりも剣才に優れていると認めざるを得ないことが許せず、妬ましく、憎しみを募らせ、そのために里村一派に属することになる。
そんな山根さんの立場が、文四郎さまと裏表のような関係になるところが、物語を立体化させて面白く、多角的な視点の群像劇となっていました。
文四郎さま一人の物語だけではなく、おふくさん、逸平さん、与之介さん、山根さん、武部さん、留伊さん、それぞれの視点での、それぞれの物語がちりばめられてあったのが、いかにも大野先生らしい脚本と演出で、私は好きでしたね。
全ツ用に改編され、文四郎さまの視点を中心に絞られたことで、全体像がわかりやすく、明快にはなりましたが、大野作品ファンとしては、中日の脚本も面白かったのにな~と思ったりもしますね(笑)。
まっつさんが、あの中日の山根さんを演じてたら、どうなってたんだろう?・・・むしろ、完全に文四郎さまと山根さんの確執の物語になっちゃってたりして(爆)。それは本来の「蝉しぐれ」から、かけ離れちゃう(苦笑)。
大野先生が、メンバー変更による全ツバージョンとして、配役バランスを緻密に計算して、この改編を加えたんだろうな~と考えると、いや~やっぱり大野作品って好きだぁ~!と思います(笑)。

・・・お芝居で語り過ぎた(苦笑)。
個々のツボや、ショーの語りは、またぼちぼち。
コメント (4)
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