趣味の日記

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Bパターン

2013-08-16 23:56:43 | 観劇
先日観てきた「ロミ&ジュリ」Bパターン。
まずは役替わり云々よりも、全体を観るようにしてました。
モンタギューとキャピュレットの対立した殺伐とした雰囲気よりも、ロミオとジュリエットのラブストーリーに集約した印象。
全体のアンサンブルとしてはまとまってる分、突出した個性のぶつかり合いみたいなざらつきは、あまり感じませんでした。
前回の月組版が、星組とは逆に、個々の個性で舞台を埋めていたので、ラブストーリーよりもモンタギューとキャピュレットの対立する社会、という殺伐とした風情はよく出てましたね。対立がメインだから、ロミオとジュリエットは悲劇に終わることが初めから決まっている。だからこそ、駆け抜けていくエネルギーと刹那性が浮かび上がる物語だったんじゃないかと。
今回の星組は、ラブストーリーがメインなので、むしろ、ひとつ何かが違っていたら、二人は幸せになれたんじゃないかと、そんな風にも思える。幸せになれるはずの二人が悲恋に終わることで、さらに一層物語の悲劇性が増す、そういう作品になっているかな、と。
月組版が、いかにも現代解釈の「ロミ&ジュリ」だったとすれば(特にまさお君ロミオは、現代社会を反映していてかなり面白かった)、星組版は宝塚的でロマンチックなラブストーリーですね。
雪組版は、とてもクラシカルだった印象。むしろ正統派にコスチュームで演じたほうがさらに似合ってたんじゃないかと思えた「ロミ&ジュリ」でしたが。
現代的かつ宝塚のラブストーリーである星組だからこそ、オケ指揮も正統派の宝塚であって欲しかったかも(苦笑)。新公で感じた違和感、やっぱり聴いてると感じるんですね・・・。

れおん君とねねちゃんのロミオとジュリエット、もはや周りの追随を許さず、圧倒的な存在感。
特に、ねねちゃんのオーラが大きい。初演のときの少女なジュリエットから、すでに花開いて色香も漂わせる、乙女なジュリエットに成長。ロミオと出会うことで、大輪の花になり、母性も感じさせる大きさと包容力を見せるジュリエットですね。
れおん君のロミオも、そんなねねちゃんジュリエットに包まれる少年性を残しつつ、でもやはり貫禄も見せる青年ロミオ。
お二人とも、初恋の喜びや初々しさ、新鮮な瑞々しさをちゃんと表現しつつ、初演よりも成熟したラブストーリーを演じていて、呼吸もピッタリ、さすがのコンビぶりです。

ティボルトは真風君。ビジュアルは華やかでカッコいいんですけど、やっぱりまだ若いのかな。見せ方にもっと洗練さが欲しい気がします。やっぱりティボルトは、仮面舞踏会のダンスでどれだけ華やかに魅せるかが大事!(爆)
とっても真面目なティボルトですね(笑)。あまりキレたり狂気に走ったりしなさそうな感じ。いかにも真風君らしいなぁと思いますけど。
ベンヴォーリオのゆずる君。ベンヴォーリオとしては、これまでで一番年下感が強いというか、幼い子供のような印象。自分が何をしているか、何をしてしまったのか、まるで理解できずにただ怯えて怖がってるような、そんなベンヴォーリオって、意外。
どちらかというと、ベンヴォーリオはロミオの参謀格というか、兄貴分っぽいイメージもありますし、ただ一人生き残り、そのことによって成長し、このあとも生きて行かなければならない、そういう十字架を背負った人物。
でもゆずる君のベンヴォーリオは、このあと本当に生きていけるのかな?とちょっと心配になるような、そんな感じがします。
例えるなら・・・ゆずる君が初演で演じたマーキューシオが、3年経ったらこんな風になった、というようなベンヴォーリオですね(爆)。
みっきぃ君のマーキューシオ。こちらは、ゆずる君と逆で、このあと3年経ったら、ベンヴォーリオになるんだろうな、という風情(苦笑)。
何か、承知の上で道化役を演じて見せているような、そんな重さを背負っているように見えます。

愛と死は、礼君の‘愛’が、初演より成長して骨太になったというか(笑)、大きくなりましたね。初演での、ロミオとジュリエットの恋が芽生えたばかりのつぼみだったのと同様、‘愛’もまた初々しく可憐だったのが、二人の愛が大きくなるのに合わせて、‘愛’もまた大きく存在してました。
‘死’の麻央君は、華もあり目立ちますが、表現力はやはり新公のポコちゃんの印象が強烈過ぎたかな・・・。
しーらんのパリス、コミカルにしたいのか、シリアスにしたいのか、どっちつかずに見える・・・。あの綺麗なイケメンぶりが、却ってパリスのキャラの邪魔になってるのかも(爆)。

やっぱり一番素晴らしかったのは、さやかさんの乳母。
これまでの乳母役の方々のように、朗々と歌い上げるのではなく、ひとつひとつのお芝居を大事に、台詞として歌っていたのが印象的。
あたたかさと包容力、ジュリエットへの想いに溢れたお芝居に、感動しました。

明日、Aパターンを観劇予定。
「ロミ&ジュリ」観納めでもあるので、しっかりちゃんと観てこようと思います。

コメント
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