みみかほう

こころの耳をすませて すてきな果報にであいたいとおもいます。

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✿殿、利息でござる!

2016年05月17日 | ✿映画
このお話は、実話です。

舞台は、吉岡宿(よしおかじゅく)

≪吉岡宿≫

宮城県黒川郡大和町吉岡の上町、中町、下町地区にあった旧宿場です。


先日の西日本新聞の記事です。

「泣ける古文書」だそうだ。250年ほど前、仙台藩の吉岡宿(宮城県大和町吉岡)の住職が記した「国恩記(こくおんき)」



≪国恩記≫



▼当時、宿場町には、街道を通る藩のために馬で荷を運ぶなどの労役が課せられ、重い負担となっていた。その上、凶作が続いて住民の生活は困窮。人々は次々と町を出て行き、空き家が増えた
▼将来を憂えた商人らが“地域おこし”の妙手を考え出す。藩に大金を貸し付け、利息を住民に配分しようというのだ。必要な元金は千両。賛同した9人が金を出し合ったが、足りない。家財を売り払い、方々から借金し、家族を奉公に出すなど涙ぐましい苦労を重ね、6年かけて工面した
▼住民の救済と町の再建を目指した無私の事業は幕末まで続いた。住民は感謝を忘れないよう、9人の行いを国恩記として記録した。この実話を基にした映画「殿、利息でござる!」が14日公開される
▼財政難や人口減に悩む地方が活性化に知恵を絞るのは今も同じ。最近の注目は「ふるさと納税」。育ててくれた故郷への恩返し-が趣旨だ。税収が増えて助かったという自治体もある
▼だが、故郷とは無関係に返礼品目当てで納税先を選ぶ人が急増しているそうだ。その分、現在お世話になっている自治体の税収が減る。本末転倒の「忘恩記」か。一方、熊本地震で被災した自治体に、返礼品を辞退してふるさと納税する人が相次いでいるという。この善意は、泣ける。
=2016/05/13付 西日本新聞朝刊=






解説・・『武士の家計簿』の原作者・磯田道史による「無私の日本人」の一編「穀田屋十三郎」を、『予告犯』などの中村義洋監督が映画化。江戸時代中期の仙台藩吉岡宿が舞台の実話で、年貢の取り立てや労役で疲弊した宿場町を救うため、藩に金を貸して毎年の利息を地域の住民に配る「宿場救済計画」に尽力する人々の姿を描く。町の行く末を案じる主人公を、時代劇初主演の阿部サダヲが演じるほか、瑛太、妻夫木聡という実力派が出演している。

あらすじ・・江戸中期、財政の逼迫(ひっぱく)した仙台藩が領民へ重税を課したことで破産や夜逃げが続出し、小さな宿場町・吉岡宿は困窮し切っていた。このままではダメだと考える商人・穀田屋十三郎(阿部サダヲ)と同志たちは、藩に金を貸し付け毎年の利息を住民に配る「宿場救済計画」を考えつく。町の存続を図るため、前代未聞の金貸し事業を成功させるべく、彼らは私財を投げ打ち……。





熊本の民謡「おてもやん」の一節です。
~おてもやん あんたこの頃 嫁入りしたではないかいな
嫁入りしたことア したバッテン
御亭(おてい)どんが 菊石面(ぐじゃぺ)だるけん
まアだ盃ア せんだった
村役 とび役 肝煎どん あん人達の居らすけんで
あとはどうなアと キャアなろたい・・・♪

この歌のなかに、ほら「肝煎(きもいり)」と言う言葉がでてくるでしょう。
この映画でも出てくるのです。
今回、初めて 意味が解りました。

江戸時代、村役人は三役いて、肝煎はそのひとつ。なのですね。
三役は、庄屋、名主、肝煎。

意味も解らず、なにげに口ずさんでいた「おてもやん」
そうだったんだあ~。
目から鱗です。



《おてもやん↑聴けます。》



この肝煎は、寺脇康文さんが演じています。なんと肝煎の上には大肝煎(おおきもいり)という役職もあり、
演じているのは千葉雄大くんです。
大肝煎になると、帯刀を許され 苗字を持ち、身分は武士になるのだそうです。

あ、庶民はその当時、雨が降っても傘をさせなかったそうで、大肝煎になるとさせました。
傘は、まさに、権力の象徴なんですね。おもしろい。


そんなわけで、主人公は阿部サダヲさん演じる造り酒屋の主・穀田屋十三郎なんですが、
どの人が主人公だといってもおかしくない。


ナレーションは、濱田岳くんですよ。
映画にも登場するのかな~と、待っていたのですが、出てこない。
なんと、贅沢な。演技力抜群の濱田岳くん。声だけなのです。


お殿さまにお金を出して利息を取り住民に配分しよう。発案者の主人公穀田屋十三郎さんは、
同志と合わせ9名で足かけ8年かかて、1000両という大金(現在の金額でおよそ1億円~3億円)を捻出するわけですが、
なんと、そのあいだ、
銭湯には入らず水垢離をとり、断食までしておられます。



《現在の穀田屋さんです。》



十三郎のお酒屋さんは、現代の吉岡(藩)の街並みに、建っています。
ちゃんと酒店「穀田屋」、営業しておられるんですね。



原作「無私の日本人」の内容紹介です。
・・歴史家・磯田道史が書いた江戸時代を生きた3人の人物の評伝。仙台藩吉岡宿の困窮を救うために武士にお金を貸して利子を得る事業を実現させた穀田屋十三郎、ひたすらに書を読み、自ら掴んだ儒学の核心を説いて、庶民の心を震わせた中根東里、幕末の歌人にして、「蓮月焼」を創始した尼僧・大田垣蓮月。有名ではないが、いずれの人物も江戸時代の常識や因習を疑い、ときにはそれと闘い、周囲に流されず、己の信ずる道を突き進むことで、何事かをなした。空気に流され、長いものに巻かれるのが日本人だとすれば、3人は「例外的」日本人である。しかし、磯田道史は3人の人生にこそ日本人がもっとも強く、美しくなるときに発揮する精髄を見出した。それは、己を捨て、他人のために何かをなしたい、とひたむきに思う無私の精神である。評伝にとどまらない、清新な日本人論が登場した。



《つつしみの掟》



「この行いを末代まで決して人様に自慢してはならない」という“つつしみの掟”を課して、文字通り、私利私欲を捨てて町のために尽力した。

知って、よかったです。
このまま、葬らせておくお話ではありません。

9人の同志のお名前、列記します。
穀田屋十三郎、菅原屋篤平治、浅野屋甚内、穀田屋十兵衛、新四郎、善八、寿内、穀田屋音右衛門と、肝煎の幾右衛門 以上9人。
(もちろん、武士ではありませんから 苗字がありません。)


映画は喜劇仕立てとなっていますが、
心あたたまる感動の物語です。

涙ふくハンカチのご準備を。



【追記
いつも思うのですが
映画の「予告編」(YouTube)って、うまく作ってありますよね~。
ここぞ!と思う箇所をほいっほいっ、と繋げて
見事に物語を説明しています。ほんと、あっぱれ~あっぱれ~。


殿、利息でござる!5月14日鑑賞




おなら吾郎プロジェクトご賛同よろしくお願いします。

・・・





コメント (18)
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