King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

余り物のマンデリンといつものトースト

2020年05月20日 13時31分25秒 | 珈琲

今日もぽつぽつと雨交じりのはっきりとしない天気でこれからまた夕方から夜にかけ

雨が降るという予報で昨日も一昨日も満足に走っていないのでとても不満が募ります。

 

すんなりと晴れたからといってどこかに出かけられるわけでもないこのご時世にいらいらと

次のことを考えてしまうのでした。

 

昨日もテイカカズラの花を見に行き、といっても夜暗くなっていくのでこれは見るというより

花のにおいをかぎに行くということなのですが、実際はもっと暑くなり汗だくになって10K走りあと少しで

自宅というときにこの伝承館の坂にさしかかるとス~ッとした空気が満ちていて一気に体が

軽くなり、今までの疲れが癒される感覚を味わってこそのこの夜のテイカカズラ詣りになる

のですが、実際はまだその空気が清浄空間のような香りに包まれるようにはなっておらず、

安っぽい石鹸の香りのような匂いしかしていないのですが、私は雨上がりのこの花の香りを

しっかりと記憶しており、今の時期雨がぽつぽつしとしと降るようなときにはどうしても

どんなかなあと様子をうかがわずにはおれません。

 

というのもジャスミンのような香りに包まれてそのハーブティーのような空気を吸い込むと

体中の毒素や悪いものも昇華されていくようなジャスミンシャワーを浴びた感覚になるので

ジャスミンシャワーと称して楽しみにしており、これはコーヒーの花にも同じようなジャスミンに

似た花や香りが特徴でふと飲んだ珈琲にジャスミンシャワーを感じることもあるのです。

 

こういうこの時期だけとか気持ちのいい体験を常に衝撃的に体感すると何気ない似たものに

ふとその時の感覚がよみがえったり、しばしその心地を反芻するという体験をしたりします。

 

面白いのはこの通りを通った人に同じ感覚や体験が訪れるかといえば、そこにそんな花があり

香りがすることすら知らない人が大半でましてそれがジャスミンシャワーになっているなんて

誰も知らないのです。

 

似たようなことはいくらでもあり、例えば秩父神社のあたりのこんもりした緑をははその森と

いうことや宮側商店街や馬場町の商店街の街灯にシンボルとしているフクロウは神社の彫刻に

由来していると理解している人は多いと思いますが、まだ郵便局が蕎麦屋のところにあった頃の

本当にうっそうとした森の様子と秩父駅界隈の材木屋が景気が良かったころの様子を知る人でも

今のこざっぱりした秩父駅のなんとなく空虚なさまと過疎化の目立つ町となった今の何が失敗か

ということも問うこともなくどんどん空き地ばかりが増えて通りばかりが広がる今の様子に

なんとも言えない虚脱感を持つのではないでしょうか。そんなことを踏まえながらこの真夜中に

秩父駅から神社に歩くとなんとはっきりフクロウの鳴き声を聞くことができ、秩父の魂の声を

聞かされたような心地になります。

 

言葉では秩父が好きだとか秩父の自然が好きだとか食べ物や人が好いとかいっていますが、誰も

これら秩父の奥深さとか武甲山の伏流水に触れて感じたこととかそういう感覚を語った人には

出会ったこともなければ狼信仰や妙見信仰といった心のベースにあるものについても語っている

人にも出会ったこともないのです。

 

それでも秩父には定期的に通ってきたり、アニメの聖地として訪れたりする人はいるわけで

当店にも移住してきたというお客様も訪れてよく聞くととんでもない山の上に住んでいたり

何をしたくて越してきたんだろうと思わず聞きたくなるような人もいます。

 

私としては少しでも多くの人に秩父の空気を実際に肌で感じて季節の移り変わりとそこに

息ずく生のものにもっと関心を持っていただき、今ある過疎化の何もない街になりつつある

現状に何が失敗したのかと問い語り合うことで地域の明日も見えてくるのではないかとふと

考えるのでした。

 

それには秩父神社の森のフクロウの声に耳を傾けたり、武甲山の伏流水に触れたり、ジャスミンシャワーを

楽しみにするそんな行動に魅力を感じる人を増やして本当の秩父ファンを育てたいと思います。

 

今日は昨日の水出しアイスコーヒーの残り物のマンデリンといつものトーストのお昼にそんなことを

考えていました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする