被災地支援プロジェクトチームEn

東北の中長期的な復興を目的としたボランティア任意団体です。活動のご報告をしていきます。

【学習サポート】2017年度第4回:立場の裏側を思いやれる人に

2017-12-21 14:58:40 | 日記
11月のEnの活動では、サポート先の先生お2人から、震災当時の学校現場の様子についてお話を伺うことが出来ました。私も含め教員志望者の参加が多かったこともあり、とても有意義な時間になりました。

震災当時、先生方はご自身も被災者でありながら、学校に居続けたそうです。避難所運営に携わったり、学校に避難してくる方の移動を手伝ったり、津波が迫って来てもうだめだ、となった時には目の前の命をあきらめる決断をしなければならない場面も経験されたとおっしゃっていました。先生方の家族の安否も分からない中、まずは学校のことが優先され、家に帰れたのは1週間後だったそうです。物資がない中で明らかに足りない量の食糧を支給することや、学校を再開したいから教室から出てくれと避難者にお願いすることも、とても心苦しく感じながら、先生がなさっていました。
さらに、震災から約2か月後に学校が始まると、心に深い傷をかかえた子ども達と関わるようになります。震災でつらい経験をした子どもは、家では泣いているだろうけれども、学校では元気な姿を見せるとも先生はおっしゃっていました。

有事の際には自分のことより人々のために動くことが求められる方々がいます。それが先生など公務員という立場だというお話をされており、自分や家族のことは後回しで、立場上求められる仕事を必死にされていたんだなと思いました。そのような中で、避難者から責められることもあったのではないかと推測します。
また、子ども達にとって学校だけでも楽しい場所であるようにするためには、先生たちは元気を与えられる存在であることも求められます。
これらのことから先生は、たくさんのことを求められてしまう職業なのだと思いました。

しかし、どんなに学校で明るくふるまっている先生でも、いち被災者であることに変わりはありません。ミーティングでは、表面的なものの裏側を見て欲しいというお話があり、「先生」という立場の裏側には、だれとも変わらないいち被災者という人間がいて、先生も誰かを亡くしたり、辛い思いをしているのだということをみんなが気付ける人であってほしいというお話がありました。簡単なことではありませんが、その思いやりをみんなが持つことが、本当に大切だなと思いました。
                                                                (りょんちゃん)