被災地支援プロジェクトチームEn

東北の中長期的な復興を目的としたボランティア任意団体です。活動のご報告をしていきます。

【学習支援】 2014年度第10回:講習会を通じて考えた教育のカタチ

2015-01-18 23:19:59 | 日記

継続して講習会に参加したことで、自分なりに教育について考える重要な機会になりました。教育に正解なんてものはないけれど、個人的に問題意識を持ったことについて書いていこうと思います。

Enの講習会には勉強を苦手としている中学生がたくさん来ていました。そんな中学生に勉強を教えたり、触れ合ったりしていく中で、気づいたことがいくつかあります。まず、彼らは勉強が苦手なのをどうにかしたいと思って講習会に参加しているのだということ。

やはり「できない」という状態にいるのは、決して心地がいいものではないし、その状態から脱したいという意志が中学生たちからは感じられました。それと同時に、気持ちはあるものの、その状態から脱する術を彼らは持ち合わせていないということにも気づかされました。

中学校の授業では、わからないところが出てきたら、ある程度は自分で解決していかなければなりません。しかし、解決しようとしている間にも授業は進んで行ってしまいます。その結果、「わからない」がどんどん積み重なって、いつのまにか自分ではどうしたらいいかわからない状況に陥ってしまうのです。

僕も中学生時代に同じような経験をしているのですが、ほんとに何から手をつければいいかわからないし、教科書を読んでみるものの、自分で理解するにはやはり限界があり、途中で投げ出していました。

そんなとき、僕がどうやってそのような状況から脱したかというと、その答えは塾に通うことでした。塾に通ったことで、勉強のやり方もわかりましたし、学校でやった内容をもう一度わかりやすく教えてもらったことで、学力もつき、問題が解けるようになり、いつのまにか「勉強っておもしろいな」と思えるようになっていました。「勉強がおもしろい」という状態になってからは、自然と自主的に勉強ができるようになったのを覚えています。

自分の体験談を書きましたが、何もみんな塾に行くべきだ、ということを言いたいわけではありません。僕が言いたいのは、勉強が苦手な子が勉強をできるようになるには、まわりの助けが不可欠だということです。

僕の場合は、塾という「環境」があったからこそできなかったものができるようになりました。同じように、勉強が苦手な子には、Enの講習会のような勉強をする「場所」であったり、ていねいに勉強を教えてもらえるような「環境」が必要になるのだと思います。加えて、勉強ができないことを決してその子だけの責任とは考えず、教える側がその子に寄り添っていく姿勢もとても重要だと思います。

講習会に継続して参加してくれた勉強が苦手な中学生の学力は、明らかに向上していました。講習会に参加せず、自分でなんとかしようとしていたら、ここまでできるようにはならなかったのではないかなと思っています。

またEnの講習会が彼らに与えられたものは、決して小さくはないと思います。勉強が苦手な中学生に対するアプローチとしてその子だけの責任と考えず、寄り添って手助けをしてあげられることはひとつの教育のカタチなのではないかなと、僕は思います。
                       (文責:あき)

【学習支援】 2014年度第10回:Enの中で成長したこと

2015-01-15 23:23:56 | 日記

Enの活動には11月から参加させて頂きました。初参加の際は、ついていくのに必死で「自主的な行動」というより「受動的な行動」をしている状況でした。2度目、そして今回の3回目の参加。

回を積み重ねるにつれて「私自身ができること」を考えるようになりました。入試傾向を共有すること。昨年まで受験生だった身として感じる受験生としての不安を感じ取ること。それが私にできることだと感じるようになりました。そのことを前向きに考えるようになってから私の行動は「自主的な行動」へ自然と変わっていきました。

ミーティングでは、講習会の目的・目標をもとに、どうしたら中学生が受験に向き合えるか、合格するための勉強ができるかを具体的なものにするため策を練りました。その中で、人の意見を傾聴し自分の感じたこと意見を述べる大切さを学ぶことができました。人の意見に対し自分の意見を述べることはなかなか難しいことです。

Enでは、自分の意見に対し賛同の意見や質問などが必ず返ってくる環境があります。熱く議論を交わす場にだんだん遠ざかりつつあった私が安心して意見できるようになったのも「自主的な行動」へと変わっていった変化の1つだと思います。

中学生への指導では、私は主に数学の指導をしていました。数学に苦手意識を持つ子は多く、いかに分かりやすく理解して得た知識をものにしてもらうか、苦手意識を少しでも和らげるにはどうしたらよいのかが大変な点でした。指導する自分は熟知していることでも中学生自身はまったく分からない、途中までは分かるけど・・など理解度は様々です。

その「分からない」に対し、ひとりひとりにあった指導法で指導することと中学生のパーソナリティーを大事にしつつ指導することを模索しつつも対応していけたかなと思います。

全体として、「教育」という一つの題に対してスタッフひとりひとりが持つ見解に学ぶことが多かったと思います。

Enは様々なバックグラウンドを持つ人の集まりです。それぞれが持つ意見には個性が溢れており一つとして同じものはありません。自分と異なった意見に触れるというこの経験は私の視野を広くしてくれました。

普段、生活していて触れることのないことに活動を通して触れることができたことは今後の生活がどう変わっていくかの大きな1歩になったのではないかと思います。そしてこの1歩を良いものにするかダメにしてしまうかは自分次第。これからもこの活動を通して学び続けたいと思います。
                   (文責:かっくん)

【学習支援】 2014年度第10回:受験に本気で向き合うために

2015-01-15 14:09:54 | 日記
1月10日から12日の3日間で、第10回目となる石巻の中学校での講習会を実施しました。

今年度最後となる講習会では、
目的を「中学生が受験に本気で向き合う」とし、
目標を「中学生が一人で合格のための勉強をする」と掲げました。

「合格のための勉強」とは、
①入試本番を想定した細部を意識した勉強
②過去問演習・模試を通じた抜け洩れの復習、を指します。

講習会が終わった後から入試当日まで、一人での学習時間を合格という一点に集中させることで、中学生の志望校への思いを遂げさせてあげたいという思いがあります。

中学生にはまず、過去問や模試に取り組んでもらうために「過去問・模試に取り組む意義」を伝えました。
その上で、効率的に得点をするために「入試問題で狙うべき設問」を模試を用いて説明し、これからの学習で模試と過去問演習を有効に使えるように「実力に結び付けるための復習の方法」に共に取り組みました。

過去問演習や模試は中学生にとっては負担の重いものですが、
合格に近付くためには必要不可欠であり、そこから学ぶものはとても大きいと考えます。

中学生は、それに取り組む意義を理解し、どう考えて解くかを知り、次に繋がる復習の仕方を習得することで、困難な直前期の受験勉強にも高い意欲を示してくれました。

いよいよ近づいてきた高校入試。
夏とは見違えるほど立派に成長した彼らが、最後の最後まで立ち向かい続けることを願います。

そして、その先に向かうまで、我々は彼らを勇気づけながら共に歩いていきます。

どうか皆さんも応援の方、よろしくお願いします!