被災地支援プロジェクトチームEn

東北の中長期的な復興を目的としたボランティア任意団体です。活動のご報告をしていきます。

【学習サポート】 2016年度第3回:現地に行って感じた普段見えない人の存在

2016-11-14 22:48:38 | 日記

先月、初めて石巻へボランティアとして訪れました。
現地の状況を自分の目で見て、人々と接することで震災が残した影響と復興状況を少しでも捉えようというのが参加した動機でした。
震災の被害は今になっても大きな影響を及ぼす一方で、震災から5年以上の月日が経つ今、現場から離れて生きる人々が、こうした現状を普段振り返ることはあまり多くないのではないかと想像します。学校や仕事等、自分と直接関係しているものに追われる毎日では、遠い別の世界の出来事のような気がしてしまうのではないか、と。自分もどこかそのような気がしていました。だからこそ、実際に活動に参加して、人々に出会い、日常生活では感じれないことを感じたいと思っていました。

実際に活動に参加すれば、中学生や共に活動するメンバーと出会います。
参加するまではメデイアを通して得た情報と、それを元に頭の中でできた被災地のイメージしかありませんでした。
しかし、「東北でボランティアをする人」の当事者に立った時に、これまではイメージでしかなかった人たちとつながりを持つことができました。直接対面し、共に学習課題に向き合うことで、生徒の成長やチームワークの向上にやりがい、喜びを感じたのを覚えています。
その上、学校関係者や、移動手段・宿泊施設を提供、手配してくれる方々等、普段直接会うことのない人々の存在や協力が、ボランティア活動を支えてくれる不可欠なものだと実感しました。様々な人たちの支えの上に活動をしているのだと、感謝の気持ちを抱きつつ、自分の活動が目前の人たちのためだけでなく、いつか誰かの役に立っているかもしれないという想像も膨らみました。

普段は見えないけれど、どこかでつながりを持てる人たち、または、普段は気づかないけれど確かに私たちの活動を支えてくれる人たちを意識することが、今回の活動の学びの一つだったと思います。「現地に行って感じる普段見えない人の存在」は、いつでもどこかで、誰かの協力を受け取っているということを考えるきっかけになりました。

ボランティア活動に参加する目的は人それぞれだと思います。自分自身の個性を生かして誰かの役に立ちたいと思う人もいれば、活動を通じて学んだことを自分自身の生活に還元する人もいるでしょう。
私は普段は見えない人々の貢献を感じ取り、自分自身が誰かの支えとなることを実践するというのも有意義だと考えています。
新たな場所で人とつながったり、その裏で支えてくれている人の存在を感じ取る。
普段からそんな姿勢を持てれば、自分の世界は広がり、地球がより狭い場所に感じる気がします。
それは、震災をより近く受け止めることにもつながるのではないでしょうか。

(たかや)

※写真は、日和大橋から石巻湾を望む