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No1357『ヒッチコック/トリュフォー』~映画だからこそできる表現とは‥尽きない試み~

「心が疾走してるんだ。ヒッチコック映画ならではの迫力だ」
というウェス・アンダーソン監督のコメントに
なんてすごい言葉を使うのだ書き留めたくなった。
帰って、ちらしをみていたら、紹介されていたので書き写しました。

アメリカ映画界では、当時、さして評価も高くなく、
エンターテインメント監督にすぎなかった
ヒッチコック監督の映画を
若きトリュフォー監督が心酔し、
一本一本の作品について、詳細にインタビューをして
できあがったのが、
「映画術 ヒッチコック/トリュフォー」という本。

この映画は、
そのとき録音された音源をかなり引用しているので、
ヒッチコックとトリュフォーの肉声が聴けて、
ファンとしては、嬉しいかぎり。
通訳の女性もいい感じで、
最後に写真を撮るときの会話とか、
ヒッチコック監督が
若いトリュフォーを前に、全然偉ぶってないところがすごい。 

トリュフォーは、
ヒッチコックの映画の場面などをコマ割りして紹介して、
ある状況のうち、どの場面をどう撮って、
どうつなげて映画として完成させたのか、
映画の中では、「映画手法」という言葉を使っていたが、
ヒッチコック監督ならではの映画手法について
垣間見せてくれる。

『めまい』も、『サイコ』も観たことがないけれど、
『サイコ』のシャワーのシーンは、
映像と音を見てるだけで、心臓がどきどきした。
シャワーヘッドや、排水口が、すごく怖い。

観客のエモーションに働きかける、
ってな感じのことを語っていたヒッチコック監督でさえ、
晩年、自分が同じ路線を続けていいのか、
トリュフォー監督に相談するような手紙を書いていた
というエピソードには、
新しいものを生み出し続ける芸術家ゆえの
果てしない道というか、
底知れぬ苦しみみたいなのを感じて、
あらためて偉大だなあと圧倒された。

それにしてもトリュフォー監督が52歳の若さで亡くなられたとは。。。 

好きなスコセッシ監督やウェス・アンダーソン監督、
デプレシャン監督までが、ヒッチコック監督について
語ってくれる中で、自然、
彼らの映画に対する考え方とかも感じられて、
熱い思いが伝わり、
あらためて、映画だからこそできる表現みたいなものについて
考えたくなった。

12月は、全然映画館に行けず、この1本が見納めですが、
燦燦と輝ける1本となりそう。

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