パピとママ映画のblog

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ビフォア・ミッドナイト ★★★

2014年02月26日 | は行の映画
イーサン・ホークとジュリー・デルピー主演の『恋人までの距離(ディスタンス)』『ビフォア・サンセット』に続くラブロマンスのその後を描く第3弾。風光明媚(めいび)なギリシャの海辺の街を舞台に、熱烈な恋に落ちて人生を共にするようになった男女のその後の現実を、小気味いい会話を通して映し出す。前2作同様リチャード・リンクレイターが監督を務め、再び主演の二人と強力タッグを組む。恋人から家族になった主人公たちの本音満載の内容が、観る者の共感を呼ぶ。
あらすじ:パリ在住の小説家ジェシー(イーサン・ホーク)と環境運動家のセリーヌ(ジュリー・デルピー)は、双子の娘を伴いギリシャでバカンスを過ごすことにする。同時にシカゴでジェシーの前妻と暮らす息子ハンク(シーマス・デイヴィー=フィッツパトリック)も呼び寄せる。彼らは共に海辺の町で夏休みを過ごした後、ジェシーはハンクを空港まで見送るが……。

<感想>1作目も2作目も観たのに、忘れてしまった。そして、さらに9年後を描く第3弾である。そのタイトル「ビフォア・ミッドナイト」とはギリシャの空港で、ジェシーが離婚した妻と暮らす息子を見送る場面から幕を開ける。「ママは、パパを嫌っているから会いに来なくていい」と、サバサバした息子に対して、父親風を吹かして空回りなジェシー。

イーサン・ホークのジェシーが、ユマ・サーマンと離婚しただけにこれは実話かと思わせる哀愁感がたっぷりな登場の見せ方。本当は引き取って息子と一緒に暮らしたいのだが、憔悴しきって空港を後にする彼を待っていたのは、セリーヌです。しかも彼らが車に乗り込むと、後部座席では双子の娘が爆睡中とは。双子ちゃん可愛いよね。
そうか遂に二人は結婚していたのか?・・・安堵感もひとしおであったのに、この二人は車の中で何やら夫婦喧嘩のような、遠慮のない会話が途切れることなく延々と続くのである。

何の説明もなく、見事に時の流れをリアルに感じさせる二人の会話劇。なんだか知らないが、取り留めのない会話量が増えてきているような気がした。会話には、二人の友人たちも加わって、人生や愛、芸術に文学、カップルやセックスといった話題がユーモアとアイロニーをたっぷり盛って、交わされるのである。
そんな第3弾で面白く描かれるのが、女は変わるということ。そしていつまでもロマンティックでいたい男の変わらなさ。映画の終盤では、友人たちがプレゼントしてくれたホテルで、二人っきりの夜を過ごす。
まだまだ、お盛んなムードだったのに、ふとしたきっかけで、怒り狂ったセリーヌがおっぱい丸出しで仁王立ち。このどんどんとオヤジ化するセリーヌの造形には、「ニューヨーク、恋人たちの2日間」等の監督として活躍するデルピー自身が色濃く反映されているようですね。とにかく中年になっているお二人さん、身体のラインが出っ張って、垂れてきているしで、イーサンも皺が目立ってオッサン化している。

殆どのシーンで、ジュリー・デルピーがまくし立てる弁舌で、男勝りな感じがするでもなく、それでも惚れた弱みのジェシーに「どこまでも君を愛す」と言わせて、最終的には夫に降参させるセリーヌに軍配があがる。それでも、お互い惚れている者同士、丁々発止に口喧嘩してみたものの、今更別れるつもりがないことを、観客は観ているのだ。
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