パピとママ映画のblog

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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス★★★

2023年04月06日 | アクション映画ーア行

               

カンフーとマルチバース(並行宇宙)の要素を掛け合わせ、生活に追われるごく普通の中年女性が、マルチバースを行き来し、カンフーマスターとなって世界を救うことになる姿を描いた異色アクションエンタテインメント。奇想天外な設定で話題を呼んだ「スイス・アーミー・マン」の監督コンビのダニエルズ(ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート)が手がけた。

あらすじ:経営するコインランドリーは破産寸前で、ボケているのに頑固な父親と、いつまでも反抗期が終わらない娘、優しいだけで頼りにならない夫に囲まれ、頭の痛い問題だらけのエヴリン。いっぱいっぱいの日々を送る彼女の前に、突如として「別の宇宙(ユニバース)から来た」という夫のウェイモンドが現れる。混乱するエヴリンに、「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒せるのは君だけだ」と驚きの使命を背負わせるウェイモンド。そんな“別の宇宙の夫”に言われるがまま、ワケも分からずマルチバース(並行世界)に飛び込んだ彼女は、カンフーマスターばりの身体能力を手に入れ、全人類の命運をかけた戦いに身を投じることになる。


エヴリン役は「シャン・チー テン・リングスの伝説」「グリーン・デスティニー」で知られるミシェル・ヨー。1980年代に子役として「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」「グーニーズ」などに出演して人気を博し、本作で20年ぶりにハリウッドの劇場公開映画に復帰を果たしたキー・ホイ・クァンが、夫のウェイモンドを演じて話題に。悪役ディアドラ役は「ハロウィン」シリーズのジェイミー・リー・カーティスが務めた。第95回アカデミー賞では同年度最多の10部門11ノミネートを果たし、作品、監督、脚本、主演女優、助演男優、助演女優、編集の7部門を受賞した。

<感想>日々の問題に悩むごく普通の中年女性が、カンフーとマルチバーサスの力によって、全宇宙に災いをもたらす強大なる悪から世界を救うという、・・・なんて何を言っているのか良く分からないが、とにかくアクション、コメディ、SFなどありとあらゆるジャンルを叩きこんで掻き混ぜた奇想天外な、摩訶不思議なアドベンチャーなのだ。

だが、しかも話が進んでいくにつれ、ますます混沌としたカオスの世界になっていき、それが実は最後には感動のファミリードラマになっていた。いや~驚いたのは、今年のオスカーレースの中心になっているとは?・・・とにかくおめでとうと言いたい。今回の「エブエブ」はマルチバース(この世界に、我々のいる宇宙以外に観測できない別の宇宙が存在するという概念、多元宇宙)を描くわけで、どこにバカバカしさを入れようかと考えたとき、他のバースに移動する手段で「変なことをさせる」と言うアイデアに辿り着いたというわけですね。

家族で経営しているコインランドリーに国税庁の監査が入り、イライラしている中国移民のエヴリンのミシェル・ヨー、彼女には他にも春節を兼ねた老父ゴンゴン(ジェームズ・ホン)の誕生パーティがの準備があるし、国税庁で通訳係をしてくれるはずの娘ジョイ(ステファニー・スー)が、同性の恋人を連れてきたことで言わなくてもいいことを言ってしまい、娘のジョイを怒らせてしまう。そして、優柔不断の夫のウェイモンド(キー・ホイ・クァン)は、優しいが助けににはならない。

国税庁に夫と父親を連れて出かけたエヴリンは、監査官のディアドラ役は(ジェイミー・リー・カーティス)にこってりと絞られている間に、気が遠くなったかと思うと、用具室にワープする。すると別の宇宙で別の人生を歩んでいるという、別のウェイモンドが乗り移った夫から、「全宇宙にカオスをもたらす巨大な悪のジョブ・トウパキ(娘のジョイ)を倒せるのは君だけだ」と、いきなり世界の命運を任されてしまった。

信じられないエヴリンなのだが、別のウェイモンドから戦う術を伝授されてしまい、違う世界の自分が持つ技能とアクセスできるバース・ジャンプの能力を体得して、果たしてエヴリンは巨大な悪のジョブ・トウパキから世界を救えるのだろうか。この作品の根底にあるものは、何があっても諦めずに、私たちの愛が自分たちを引き戻して、喜びや愛、思いやりといったものを日常に見つけ出すことだと思うんですね。だから、難しい人生を乗り越えることが出来ると思うんです。

それにマルチバースの魅力とは、思いもよらなかったことが急に出来るようになることだと。

マルチバースをテーマにしたSF的な発想のアクションという点では、一見してあまりアカデミー賞向きではないようだが、そこにアジア系移民が主人公で、中年の女性がヒーローになるなど、今アカデミー賞が好む要素が織り込まれ、メイン俳優も白人ではなく、アジア系スターが演じている点も多様性という面で良かった。そして、エヴリンの手の指がソーセイジのようにふにゃふにゃ伸びて驚き、観客の眼が驚きながら一瞬、笑ってしまった。それと、ジャッキー・チェンばりのカンフー・アクションを、披露するのを眺めているだけで、高揚感が得られました。

 

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