パピとママ映画のblog

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カモン カモン★★★

2023年03月05日 | アクション映画ーカ行

                     

「20センチュリー・ウーマン」「人生はビギナーズ」のマイク・ミルズ監督が、ホアキン・フェニックスを主演に、突然始まった共同生活に戸惑いながらも歩み寄っていく主人公と甥っ子の日々を、美しいモノクロームの映像とともに描いたヒューマンドラマ。

あらすじ:ニューヨークでひとり暮らしをしていたラジオジャーナリストのジョニーは、妹から頼まれて9歳の甥ジェシーの面倒を数日間みることになり、ロサンゼルスの妹の家で甥っ子との共同生活が始まる。好奇心旺盛なジェシーは、疑問に思うことを次々とストレートに投げかけてきてジョニーを困らせるが、その一方でジョニーの仕事や録音機材にも興味を示してくる。それをきっかけに次第に距離を縮めていく2人。仕事のためニューヨークに戻ることになったジョニーは、ジェシーを連れて行くことを決めるが……。「ジョーカー」での怪演でアカデミー主演男優賞を受賞したフェニックスが、一転して子どもに振り回される役どころを軽やかに演じた。ジェシー役は新星ウッディ・ノーマン。

<感想>今まで、「ジョーカー」で狂気のイメージが強かったホアンキンが、今回の「カモンカモン」では、そんなイメージを覆す優しい顔を見せている。ホアンキンの新たな一面に魅了されてしまいました。彼が演じるラジオのジャーナリスト、ジョニー役。

その彼が、アメリカ中を旅して取材する日々を送ているが、ある時9歳の甥ジェシーの面倒を見ることになる。中年になるまで独身で子育ての経験なんてない主人公にとっては、驚きの連続だが、旅を通じてジェシーとの確かな絆が生まれていく。初めての子育てに向き合い、戸惑い、そして「人生で初めての喜び」を得ていく物語なのだ。

今までエキセントリックな人物像とは180も度異なり、始終 和やかな表情を見せるホアンキン。「平和で静かに生きることが大切」と甥っ子に言う場面もあり、狂気とはほど遠い人物像になっていた。ハリウッドきっての”なりきり”演技派だっただけに、今回も役に溶け込み、味わい深い演技を披露している。

過去に演じた役を考え直すと、時には優しさが出た人物もあった「ドント・ウォーリー」(18)の車いすに乗った漫画家は、生前ロビン・ウィリアムズが望んでいた役で、ホアンキンの温かい部分も見えたが、ジョニーほど穏やかな人物像ではなかった。

そして今回のホアンキンは相手役を受ける側に回って、子役のウディ・ノーマンの方が風変わりで、危なっかしい人物像なのだ。親がいるのに、孤児のふりをして架空の世界に入り込んだり、突然、街中で行方不明になったりして、目を離すことが出来ない。

この役で多くの演技賞の候補になった子役のノーマンには、あどけなさと大人びた部分の両方があり、周囲の人たちを翻弄させるのだ。だから、ホアンキンはそんな彼とのユーモラスな掛け合い演技で、ベテランとしての余裕を見せていた。

中年になっても純粋さを失わないホアンキンの、愛すべき個性がじんわりと発揮された役どころでもあり、時には彼の方が子役のノーマンより子供っぽく見えるところもご愛敬かもですね。

劇中では、敢えてモノクロにこだわり、映し出されるロサンゼルスや、ニューヨーク、デトロイト、さらにニューオーリンズと舞台が変わり、すべてモノクロで撮影されている。そうすることで現実とは違う映画的な空間が生まれ、各都市の異なる個性が映画の中で変化をもたらし、街での人物表情が印象に残ります。それと映画の中では、ドビュッシーの「月の光」と、クラシックからUKロックまで、通好みの選曲で感心しました。

ーWOWOWにて鑑賞ー

 

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