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アガサ・クリスティー ねじれた家★★★

2019年05月07日 | アクション映画ーア行

アガサ・クリスティーが自作の中でもっとも好きな作品の一つと語る同名ミステリーを「サラの鍵」「ダーク・プレイス」のジル・パケ=ブランネール監督が映画化。出演は「天才作家の妻 -40年目の真実-」のグレン・クローズの他、マックス・アイアンズ、テレンス・スタンプ、ジリアン・アンダーソン、クリスティナ・ヘンドリックス。

あらすじ:一代で巨万の富を築いた大富豪レオニデスが毒殺された。私立探偵のチャールズは、かつて恋人だったレオニデスの孫娘ソフィアから依頼を受け、事件解決にあたることに。大邸宅にやって来たチャールズは、さっそく家族たちへの聞き込みを開始する。しかしレオニデスの前妻の姉イーディスや若い後妻ブレンダをはじめ、誰もが一筋縄ではいかない個性の持ち主ばかり。しかもその全員に殺害の動機があるという状況の中、捜査が遅々として進まないチャールズだったが…。

<感想>華麗なる一族の大富豪が毒殺された。残されたのは“心のねじれた”家族と巨額の遺産。嘘をついているのは、誰?・・・原作は未読ですが、犯人をあれこれ想像しながら観ると、終盤まで飽きさせない展開で楽しめました。

アガサ・クリスティーの作品というと、名探偵エルキュール・ポアロやミス・マープルが登場するのが定番ですが、ここには2人は登場しません。

このミステリーで、事件を解決する若きチャールズ探偵。演じているのが「天才作家の妻/40年目の真実」で、作家の息子を演じてグレン・クローズとは、立て続けの共演となるマックス・アイアンズ。あの有名な父が俳優のジェレミー・アイアンズの息子です。このマックス・アイアンズの演じる探偵が情けなくてよかった。孫娘ソフィア(ステファニー・マティーニ)が、かつての恋人だった私立探偵チャールズ(マックス・アイアンズ)を訪ねて犯人捜しを依頼する、というのが始まり。

屋敷で大富豪の毒殺事件があり、容疑者はそこに暮らす一族郎党という、王道の“館もの”です。イケメンの私立探偵マックスが、一人一人の部屋を訪ね歩き、その動機を掘り下げていくわけ。

ハードボイルドでも、変人でも、ヒーローでもなく、単身アウェーに乗り込んで、老人から子供まであらゆる容疑者に翻弄されまくり、探偵という職業が本来持つ孤独の属性が、ロマンではなしに浮彫になるのだ。

レオニデスの大きな屋敷に住むのは、レオニデスの前妻の姉(グレン・クローズ)、と愛人がいるらしい若い後妻。破産寸前で女優の妻の映画を作る資金が欲しいレオニデスの長男。無能で事業に失敗した次男夫婦。長男の上の娘がソフィアで、息子は姉ソフィアが祖父を殺したと思っている。生意気少女の次女は大人たちの話を聞いて何でもノートに書きとめている・・・という中から見つかる意外な犯人像が浮かぶ。

一族は、巨額の遺産を巡って、疑惑と嫉妬、敵意と憎しみをぶつけ合っていた。そして、アリスタイドの遺言書が実は無効であることが発覚した。このことをきっかけに、チャールズには真相が見え始める。そう確信したチャールズだったが、彼の推理を覆す次の殺人が起こってしまうのであった。

マックスと、グレン・クローズは二度目の共演だが、やっぱりグレン・クローズは耐え忍ぶ妻役よりも、アクの強い方がよほど生き生きとしているのが、お似合いですね。

ここでもう少し推理やトリックを披露したいところですが、後ほどに。第二の殺人が起きて、予想外の犯人と、その動機が明らかになるあたりは、それをアクション場面に仕立て上げていて、演出にスピード感があり、謎が解ける痛快さが良かった。

大勢の登場人物のキャラが濃いので、彼らの個性が醸し出す不穏さがストーリーを支配してゆく。加えて、舞台となる富豪の邸宅の絵画や調度品も一代で富を築いた当主の背景を反映して、クリスティーの物語に特徴的な、上品な贅沢さとは趣を変えていた。

イギリスの古い邸宅と庭園のロケーションをドラマに生かした画つくりは、映画ならではの醍醐味ですね。犯人は中盤で予想できてしまうのだが、想定外の幕切れに驚愕します。

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