パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

THE GREY 凍える太陽 ★★★

2012年08月22日 | アクション映画ーサ行
「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」のジョー・カーナハン監督とリーアム・ニーソンが再びタッグを組んだサバイバル・アクション。飛行機の墜落によって極寒のアラスカに放り出された7人の男たちが、狼の襲撃とも戦いながら、生き残りを懸けてサバイバルに挑む。-20℃の吹雪の中で撮影した迫真の映像も見どころ。

あらすじ:ならず者たちが集まる石油採掘現場。オットウェイ(リ―アム・ニーソン)は、野獣の攻撃から作業員たちを守るために雇われた射撃の名手である。最愛の妻が去った後、彼は流れるようにこの場所に辿り着いていた。ある晩、彼は、休暇で家族の元へ帰る作業員たちと共に飛行機に乗り込むが、凄まじい嵐に遭遇し、アラスカの山中に墜落してしまう。
放り出されたのは、激しい吹雪が荒れ狂い、全てが深い雪に覆われた想像を絶する極寒の地。目覚めたオットウェイが見つけたのはバラバラになった機体と、ディアス(フランク・グリロ)、タルゲット(ダーモット・マローニー)、ヘンリック(ダラス・ロバーツ)、フラナリー(ジョー・アンダーソン)、バーク(ノンソー・アノジー)、ウェンデル(ジェームズ・バッジ・デール)らの生存者たちだった。

残された少ない道具で火を起こし、わずかな暖を取っていた男たちは、やがて自分たちをじっと見つめ、暗闇に光るいくつもの眼に気付く。そこは野生のオオカミたちの縄張りだったのだ。オオカミの習性をよく知るオットウェイは、望みの薄い救助を待つよりも、この場所から移動することを提案。
生存者たちは確かな方角も定まらない中、生き残りを懸けて南を目指して歩き出した。しかし、まともに食料が手に入らない状況に加え、あまりにも過酷な大自然の猛威が彼らの行く手を阻む。ひとり、またひとりと減ってゆく生存者。諦めれば一瞬ですべてが終わってしまう絶望的な状況の中、どうすれば生き延びることができるのか。愛する人の元へ帰りたい、もう一度会いたい。その切なる願いを胸に“生きること”に執着する彼らの、生死を賭けた壮絶な闘い。その果てに待っているものは?(作品資料より)

<感想>「96時間」「アンノウン」など、近年はアクション映画が目立つリーアム・ニーソンが、還暦にしてまたも挑んだ大自然サバイバルもの。北極圏にある油田で働く男たちが都会での休暇を楽しもうと飛行機に乗り込むが、大雪原の真ん中に墜落してしまう。極寒の雪原に放りだされたクセのある男たち7人が、食糧もなく、武器もないまま、オオカミの襲撃を逃れながら脱出を図る。
最低気温がマイナス20℃にもなる、極寒のアラスカでの長期撮影が行われ、リーアム兄さんは、持ち前のアイルランド魂で氷点下の激流に、身を投じるなど身体を張って熱演。オオカミは訓練した本物と、アニマトロニクスを活用するなど、リアリズムを追求。
破損した機体には、寒さをしのぐ装備も食糧もわずか。オットウェイは機体から漏れ出す燃料を水筒に蓄え、枯れ枝を集めて火を起こし、仕留めた獣で腹を満たす。不慮の事故や自然の猛威への対応も、野営のノウハウも完璧だったのに。

夜、焚き火を囲んでいた彼らにオオカミの群れが襲いかかる。吹雪の向こうに森がかすかに見えるだけの雪原。通信も一切不可能。
しかし、リーダーシップを取る彼に、恐怖心を悟られまいと悪態をつく生存者の一人から、「口先野郎」とヤジを飛ばされるオットウェイ。見かけは穏やかな彼だが、和を乱し、仲間を危険にさらす者への実力行使はいとわない。屈強なならずものを腕一本であっという間に制圧。
オオカミの縄張りに足を踏み入れた男たち、執拗に襲ってくるオオカミとの知恵比べも手に汗握る。頭のいいオオカミたちは、一人づつ狙って襲いかかり、生存者はだんだんと少なくなっていく。
武器はナイフや松明、機体から持ち出した銃の火薬を木の棒の先に仕込んだ槍など。極め付きは、ガラス瓶の破片をテープで手の甲に巻きつけた即席“メリケン・サック”で、オオカミ相手に、まさかの近接戦を挑む迫力。殺すか殺されるかの瀬戸際だ。
一番の見所は、オオカミに喰われてたまるかとばかりに、断崖絶壁の向こうの森まで、ロープを身体に縛りジャンプする。かろうじて木にぶら下がりロープを撒きつけ、そのロープを頼りに断崖絶壁を渡るシーン。

しかし、その森にもオオカミはたくさんいるのだ。酷かったのは、一人の高所恐怖症の男が、ロープが切れてしまい、せっかく向こうの森の木まで来たのに、逆さまに落ち地面に頭から激突。そこへオオカミが襲ってきて喰われてしまう。それからが、過酷な道のりなのだ。行けども行けども銀世界。
一向に村とかは近くに見えない。足に怪我をした男が、自分の限界を知ったのか絶景の雪山が見える河原で、「俺の死に場所はここだ」と言いながら座り込む。「どうせ生きて帰ったてクソみたいな人生が待っている」と。決して無駄死にじゃなんかない、自分が決めたことだから。誰も止めることは出来ないのだ。
川に沿って歩く生き残り組も、オオカミが襲ってきて激流へ投げ出される。川の中の石に足を取られて息絶える友達。

最後にオットウェイ一人になるのだが、川から這い上がったそこはオオカミの巣屈だったのだ。彼は、冒頭で射撃の名手だったが、妻に死なれ自分もライフルを口に入れ、死のうとする場面がある。生きる希望を失っていた彼が、極限状態に追い込まれたことで、亡き父親の詩「最強の敵と戦うことが出来れば悔いは残らない」という言葉が、彼の心に生きる闘争心を起こさせ、信じていなかった神にもお願いするのだ。
そして、みんなから預かった財布を雪の地面に並べる。家族の写真を見つめて、自分の財布のそこへ置く。気力を取り戻しオオカミと最後の決死の姿は、名優リーアム・ニーソンならではの熱演だったのに。
しかしながら、彼が一人で戦ってもどうにもならないような最後のシーンには、何だか残念な結果で煮え切らない想いがした。
まさかの、エンドロールのお終いにおまけが付いているらしいです。自分は終わりだと思って席を立ってしまったので、見逃してしまいました。
この映画が最後だったのか、それともトム・クルーズの「トップガン2」を制作中だったという噂も聞いたが、19日ロサンゼルス市の橋から身を投げて、自殺したという報道に驚きました。亡くなったトニー・スコット監督のご冥福を祈ります。
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