先日読んだ本の中で、上坂氏は、首相の靖国参拝について、マスコミが行うアンケート調査に異議を唱えていた。
敗戦後の日本人、特に若い世代が、靖国神社について何も知らないのに、「首相の靖国参拝について、賛成ですか、反対ですか。」と、聞いて得た答えに意味があるのかという意見だ。
明治維新以来の靖国神社の歴史や、日清、日露、大東亜戦争についても、ほとんど知らぬままで育った国民に、単純な問いかけをして良いのかという疑問だ。
悪い戦争をした日本だと、教えられた世代に、首相の靖国参拝の賛否を問えば、大抵の者が「反対です」と答えるに決まっている。客観的事実や情報が、ほとんど伝えられていない事柄について、国民に問いかけた答えで、民意とするのはフェアーでないと、氏が言っている。
戦前の日本が、何もかも間違っていたとする、左翼系の平和思想が浸透する現在の日本で、私は氏の意見を卓見であろうと受け止める。馬鹿な政治家が何人集まっても馬鹿の集まりに変わりがないのと同じく、無知な国民の意見がいくら集まっても、無知な意見であることに変わりはない。
馬鹿な政治家は、いつ迄経っても馬鹿のままだが、国民は客観的な情報さえ得られれば、その時から馬鹿でなくなる。偏った情報ばかりでなく、左と右が公平に報道されれば正しい判断ができる。同じ馬鹿といっても、ここが、政治家と国民の違いだ。
前置きが長くなったが、先日の「お言葉」へのインタビュー記事の、愚かしいまでの洪水が、靖国同様の無意味なアンケート調査だったと、私は言いたい。
国民は皇室典範についても、天皇の国事行為についても摂政についても、詳しいことは何も知らない。
新聞やテレビが毎日のように、「陛下のご公務は大変だ。」「高齢になられても、国民のために頑張っておられる。」と書き続ければ、受け取る国民は「なんとお気の毒なことか」と、同情する。
しかし昨日まで綴った、「憂国」のブログを読めば、単純な話でなかったと考え直す人間が増えるのではなかろうか。
「女性天皇」の問題も、これらと同様の事案である。「男女平等の時代だから、問題ないじゃないか」と、反日のマスコミが連日大合唱すれば、多くの国民がその気にさせられる。
女性天皇のことが問題となり、賛否両論が報道を賑わせたのは、平成16年の小泉首相時代だった。そ頃の私は、定年退職後に関連会社で勤め口を得て、忙しく働いていた。朝早く家を出て、遅く帰宅するパターンは変わらなかった。
新聞は見出しだけ読み、テレビもニュースを時々見るくらいで、朝日新聞の定期購読者だった私は、「お花畑の優等生」だった。
女性が天皇になってもいいじゃないか、何を政治家たちは騒いでいるのかと、傍観者でしかない自分だった。
すべての仕事を止め、というより、どこの会社も雇ってくれない、年令になったため、私は自宅で庭の草むしりを始め、読書しかやることがなくなった。それが丁度、このブムログを始めた、平成21年だ。
読書をし賢くなったと、そんな偉そうなことは考えないが、本は沢山のことを私に教え、驚くような発見もさせてくれた。無知の恐ろしさも知り、馬鹿な国民の立派な見本だった己を恥じながら、こうしてブログを綴るようになった。
それだけに、じっとしておれない最近の出来事だ。まずもって驚いたのは、二階氏の発言である。8月25日の、BS朝日の番組収録時の発言だという。
「女性尊重の時代なのに、天皇陛下だけそうならないというのは、おかしい。」「時代遅れだ。」「諸外国でも、トップが女性である国が、いくつもある。何の問題も生じていない。」
「政党間の協議でなく、女性天皇や女性宮家の実現については、政府が検討すればよい。」
本当は、とんでもない発言だが、何も知らない人間には、最もらしく聞こえてしまう。時代遅れの政治家と見えていた彼が、なんとなく進歩的、近代的人物に見えてきたりする。
しかし海千山千の政治家が、最もらしいことを言うときこそが、要注意なのだ。ましてこの、二階氏においておやだ。
平成10年に江沢民が訪日し、宮中で歓迎の晩餐会が行なわれた。正装で迎えられた陛下に対し、江沢民は、粗末な中山服 ( かっての中華人民共和国での人民服 ) 姿で現れ、挨拶の中で、日本軍が、いかに中国や近隣諸国へ酷い行為をしたかを述べた。
このため、江沢民は多くの日本人のひんしゅくを買い、帰国後の彼は、さらに露骨な反日政策をとるようになった。
日中間に隙間風が吹く中でも、二階氏は、江沢民との親密な関係を維持し、平成15年に、郷里の和歌山県田辺市に、江沢民の石碑を建てる計画を進めた。訪中時に、江沢民に貰った揮毫の碑で、高さ4メートルの石は、中国から持ち込むというものだった。
さすがにこれは、地元民のみならず自民党の議員からも反対され、実現しなかったが、それでも彼は、「江沢民氏の銅像を、日本中に建てる。」と言って憚らなかった。
つまり彼は、親中派というより、中国に取り込まれた政治家である。
天皇制の廃止を、赤い中国がどれだけ望んでいるか、知る人ぞ知る事実だ。天皇陛下さえおられなければ、日本は国の中心を失い内部分裂し崩壊すると、共産党政府は毛沢東の時代から狙っている。
二階氏が今回、さも当然のような顔をして語っている、「女性天皇」のその先には「天皇制の崩壊」が待っている。
こんな売国奴に等しい二階氏を、なぜ総理が重用するのか不思議でならない。
自分なら二階氏を使いこなせると、自信の表れかもしれないが、昔から言われる言葉を忘れないことをお勧めする。「策士、策に溺れる。」
そして今日、8月21日の千葉日報の記事を見て、更に驚いた。「識者評論」と題し、「天皇のお言葉」というタイトルで、ケネス・ルオフ氏の寄稿記事があった。A4サイズの大きなスペースだ。
安倍総理が、二階氏を重用する意味が分からないことより、もっと意味が分からないのが、この記事だ。
昭和41年生まれで、今年50才のポートランド州立大学の教授だというが、何で今頃彼がアメリカくんだりから寄稿するのか。
ネットで調べて初めて知ったが、氏は、英語圏における、現代日本の天皇制研究に関する、第一人者であるらしい。どこの第一人者であろうと、日本国民である私は、氏の意見に賛成しない。
昔、北海道大学にいて、助手や講師の経験もあるらしいが、見当違いの戯言を述べるのなら、そんな滞在経験は何の意味もない。以下、ランダムに、氏の意見を新聞から紹介する。
「お年を召された天皇陛下と寄り添う皇后陛下が、国民のために、強い決意で公務をこなされる姿は、間違いなく感動的だ。」
「高齢化がどういうものか分かっている者なら、天皇がご存命中に、いかなる公務も果たせなくなるといった、さまざまな事態が起こりうることを想定できるはずだ。」
「皇室典範の欠陥は、とうの昔に改正されていてしかるべきだった。」
「対応は、今や急務と言える。天皇のお言葉で、真に国民の天皇 であるとの思いを新たにした。」
少し前までの自分だったら、「アメリカの大学教授までが、天皇のお言葉に感激している。」、そう思って記事を読んだだろうが、もうそうはいかない。
大事な自分の国の問題に、なんでアメリカの教授が口を挟むのだと不愉快になる。
「政治過程に関与したいという、天皇の意思よりも、国会が皇室典範の明らかな不備を、長年放置してきたことの方が問題はよほど重大でないのか。」
退任の規定がないのは、皇室典範の不備ではない。退任に代わるものとして、「摂政」の規定が置かれている。「第三条」にきちんと書かれている。
この条文に言及せず法の不備を語る氏は、本当に、天皇制研究者の英語圏での第一人者なのか。
天皇の「お言葉」発信が、憲法違反であると認めながら、そんなことより「皇室典範の改正が大事だ」と言うのは、法学者として暴論ではないのか。
「私には、皇室典範を改正し生前退位を認めることが、まっとうなやり方だと、思われる。」
日本政府の苦労も知らず、国を思う保守の人間たちの心労も思いやらず、氏は主張を発展させる。
「何と言っても安倍政権の基本政策の一つは、すべての女性が輝く社会作りである。」
「この広がりのある政策が皇室典範の改正まで及び、国民の象徴たる女性天皇を認めるところまで行き着くのだろうか。」
ここで私たちが知らなくてならないのは、皇室典範の改定が、女性天皇の誕生に繋がるものと、正しく認識している人間集団が米国に存在するという事実だ。
中国とアメリカと日本との間に、密接に結びついている集団 ( 政治家、事業家、宗教家、マスコミ関係者 ) が、存在しているという証明でもある。
氏の意見が、二階氏の発言と無関係になされていると、私は思わない。氏の次の言葉がそれを証明しており、中国共産党の思惑通りの発言にもなっている。
「女性天皇の誕生は、国家主義者が賛美する万世一系なる皇室の血筋を、壊すことになるだろう。 」
氏はここまで分かった上で、日本の新聞に寄稿している。怒りをもって氏の意見に反論したくなるのは、次の言葉だ。
「歴史には、伝統を重んじる時もあれば、過去の伝統、人為的に作られた伝統を、終わらせる時もある。」
金にあかせた選挙で、大統領が次々と代わる、歴史も伝統もない米国人に、ここまで言わせていいのか。あるいは、武力と金で、政権を簒奪した者が支配者になる中国が、爪を隠して皇室の崩壊を企んでいるのに、なぜ二階氏は協力するのか。
このブログで述べたかったのは、「女性天皇」と「女系天皇」の違いについてだった。似て非なる言葉に隠された、皇室破壊の要素を、データをもって示すつもりだった。
二階氏とケネス・ルオフ氏のため、予定が狂ってしまったから、続きは次回のブログとする。
静かに夜が更け、耳をすませると虫の音が聞こえる。台風一過で暑さが払われ、ひやりとする空気が、秋の気配を感じさせる。しかしまだ、8月の末だ。残暑はこれからなので、気を緩めてはなるまい。
とは言いつつも、この涼しさは助かる。今夜は、きっとぐっすり眠れることだろう。 ( 二階氏とケネス氏の、夢さえ見なければ・・)
戦後も70年たち、もうこのあたりで日本の伝統を外国人に干渉されたくないと思うのは私ひとりか。
onecat01さん、ご苦労様です、
知らせなければ為らないことを知らさない、嘘偽りで読者を惑わすマスコミのアンケ-ト調査に信憑性はない。
戦争中の過去と現代を混同して国民を誘導する売国奴たち、多数の国民は惑わされて真実を見間違う。
皇室問題に慎重な私ですが、その理由は十数年前の噂話に由来する、皇室にお勤めする女官の話として
秋篠宮紀子様の悪い噂話が流布された、何も知らない私はそれを聞いたことで偏見を持つようになった、
時代は流れて皇室の話が表に出ることが多くなりましたonecat01さんの論評で真実が見えてきたようです。
専門外の私は控えておりますがonecat01さんのご意見に全面的に賛同いたします、ご健闘を祈ります。
大切な皇室のことなので、興味本位では語れませんし、それをしてはなりません。
貴方が慎重でおられますので、私は安心してブログを書けるのです。つながりがないように思われるでしょうが、付和雷同しない貴方がおられることで、私の安心感が生まれ、私も慎重に、意見が述べられているということなのです。
私がおかしな意見を述べていたら、貴方がきっと指摘してくれる、黙っておられるのは、私が外れた意見を言っていない印だと、安堵いたします。
私は決して喜んで皇室のことをブログにしておりません。深い悲しみと、恐れを感じつつ、それでも自分の思いを綴らずにおれない・・・・、要するに、「惑いつつ、ためらいつつ。」日々パソコンに向かっております。
ただ、私たちは現在も、これからも、外国の干渉から逃れられないものと、覚悟しつつあります。これが国際社会で生きることなのでしょう。大事なことは、国民がしっかりとそれを知り、国内にいる獅子身中の虫を見極め、彼らの活動を広がらせないようにすることだと思います。
彼らは美智子様を利用し、美智子様もまた、そんな彼らを利用されていると、真に恐ろしい推測ですが、私はその推測から脱することができなくなりつつあります。
正しいのか、間違っているのか、意見は述べられなくて結構ですから、苦しんでいる私を見守っていてください。コメントは、入れなくて結構です。貴方まで、この不安感の仲間に入れたくありません。
長いコメントになりました。今、朝の六時五十分です。起き抜けに貴方のコメントを読ませていただき、返事をいたしました。
浅い眠りでしたから、もう一度ベッドに入ります。おやすみなさい。