ぽぉぽぉたんのお部屋

季節の移ろい、道ばたの草花、美味しい食べ物、映画や友人のこと、想いがいっぱいの毎日をお話します

「グッド・ナース」

2022-11-30 | 映画のお話
「実話に基づく」作品に私は弱い。
だが、エンドロールテロップで流れた
「彼は、9つの病院を転々として、29名を殺害。
だが、実際には400名を殺害したと言われている。
・・・・・・・
だが、彼を雇った病院に対しては、何の司法裁判も起こされていない」
という本当に怖い衝撃的な実話だ。

最近は夢中になれる映画に出合わずにいた。
が、この作品は飽きも退屈もなく、ずっと引き込まれたままで
一切ほかのことが頭に浮かばなかったからすごい。

男性看護師チャールズ役のエディ・レッドメインと
シングルマザーの看護師エイミー役のジェシカ・チャステインの演技が素晴らしかった。

チャールズがどうしてこんなことをしてしまったのか
育った環境やトラウマなどには全く触れていなかったが
別人格を持っているような気がしてならない。

チャールズという男性看護師が1995年~2003年の間に
インシュリンやジゴキシンを点滴に入れてたくさんの人が亡くなった。

でももっと怖いのは病院側の隠蔽体質、
訴訟世界のアメリカでと信じられなかった。

腕のいい弁護士を雇い、あちこちに圧力をかけ、証拠はすべて隠蔽

日本でもよく聞く話だが、
ふと「北稜クリニックの男性看護師」が頭によぎった。
同じころの筋弛緩剤点滴事件

彼を信じていると婚約者も登場していたっけ・・・

冤罪とか随分大荒れに荒れた裁判だったようだが
2008年無期懲役が最高裁で確定している、翌年控訴も棄却されたようだ。

彼は今どうしているのだろう・・・

チャーリーが言った
「彼らが私を止めなかったから、私はそれをやった」が重くのしかかる

アメリカの医療保険制度
弁護士も医者もお金次第だ

重い心臓病を抱えながら夜勤を続けるエイミーが
こんなにまで自分を虐げながら
患者や警察や人殺しの同僚のために尽くさなければならなかったのか
わたしにはわからない。

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ミセス・ハリス、パリへ行く

2022-11-27 | 映画のお話
ずっと待っていた夫はやはり戦死していたけれど
親友や友人たちに囲まれて充実の毎日の家政婦ミセスハリス
1950年代のロンドンの労働者とお金持ちたちの暮らしは
相変わらずだけど
ある日、奥様のゴージャスなドレスに魅せられてしまう。

クリスチャン・ディオールのオートクチュール
ご主人に内緒の500ポンドもするドレスがあるのに
奥様はお給金をなかなか払おうとしない・・・

ドレスを買おうとためた100ポンドを
ドックレースで見事にすってしまったりの威勢のいいおばさんぶり

それでも明るく親切でチャーミングな人のいいハリスに
次々と幸運が舞い込んでたまった500ポンドは
もしかしたら500万くらいになるのかしら・・・

そうして彼女の周りには ふしぎと誰一人 悪人はいないのだ

悲しいことがあっても、いくつになっても
一生懸命働いて夢を叶えようと目をキラキラさせて生きる姿が素敵

始めての飛行機で着いたパリは
労働者のストライキでゴミだらけだったけれど

ディオールでくしゃくしゃの札束を出して ドレスを買おうとするも
威圧的なマネージャーのコルベールに鼻でせせら笑われる始末

お金持ち相手の世界的ファッションブランド「ディオール」
なのに「ロンドンから、家政婦さんがドレスを買いにきたわよ!現金で」
と聞いて、お針子やモデルたちがわぁ~とさざめく
どんなにあでやかなメゾンも、たくさんの労働者たちで支えられているのに

戦争はやっと終わったけれど
出征していた夫は戦死したり、鼻で笑ったマネージャーですら
夫は傷痍軍人となって妻が働かざるを得ない実情だった時代

お金はないけれど
ディオールで働くサルトル好きの若いモデルや会計士、
侯爵など親切な人たちに取り囲まれるようにして
パリでドレスができるまで過ごすミセスハリス

いつも生き生き堂々と自然ですごく素敵
伯爵でも男爵でもなく、最高位の侯爵が出てくるのもおもしろい

シンデレラストーリーでもなく
自分の一番いこごち良い居場所を知って帰っていく彼女

金持ち顧客ばかりを相手にしてきたメゾンがプレタポルテに変わるような時代の流れの中で
透明人間だった家政婦やメゾンの裏方や労働者がしっかりと存在を現してゆく

ポール・ギャリコの小説「ハリスおばさんパリへ行く」が原作
普通のおばさんのおとぎ話で幸せな気分になれそう

ミセスハリス役ってよく知らないけれど
え~、ゲーリー・オールドマンの最初の奥さんじゃないの
って初めて知りました。
私が知った時のゲーリーは再婚してイギリスに妻子を残してアメリカで頑張ってたけれど・・・




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なつかしい支那そばの味わい

2022-11-26 | 美味しかったぁ~
麵処 壱萬屋さんの肉そばがランパスに載っていた。
前から載っていたけど場所がいまいちわからなくて
友人と探検したのはコロナ前だから
もう何年前なのだろう・・・

映画の後でどこに行こうかと思案していたが
三越に自転車を止めてこちらに行くことに

イギリス映画の歯切れの良さとクリスチャン・ディオールのドレスの余韻が
いまだ残っているような気がするけど・・・

まあ、この肉そばの美味しいこと!!
あっさりとした味わいのスープが何だかとてもなつかしい
麺の加減や食感もいい感じで

カレー同様、ラーメンもなかなかお気に入りにはめぐりあえなかったけれど
こちらの肉そばはすんなりと美味しいと思えた

国産豚バラ肉の味付けと言い、やさしいスープといい
昔なつかしい中華屋さんの支那そばを思い出した。

こういうラーメンが食べたかったんだよね

もっと寒くなったら焼き海老入り辛味噌ラーメンを食べなくちゃあね。

12時過ぎ、カウンターに左詰めで次々座って
奥にもテーブルがひとつあるみたいですが
もう満席で外待ちになっている模様です。
結構な人気店なんですね。

しょっぱくてラーメンは苦手という友人でも誘えるかも

写真はいつも取り忘れて 食べかけてしまう食いしん坊です。ごめんなさい~


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隠れ家的ブラッスリー  

2022-11-17 | 美味しかったぁ~
病院が早く終わり
ランパスランチでもと青葉通りを西に・・・
寄り道して文化横丁をそぞろ歩いていたら
気になっていた廬山さんの上のフレンチレストランに足が向いていた。

Brasserie Patrie 1969 (ブラッスリー パトリ)
パトリはフランス語では故郷、ふるさと
そしてブラッスリーで、なんだかほっとするイメージ

この場所になってからは3年ほどのようだが
店名に1969とついているので、そのころから別のところでなさっていたのかしら。

むかしの路地風のごちゃごちゃした文化横丁なのに
階段をのぼり店内に一歩入るとそこは別世界
シックで落ち着いた雰囲気であらら素敵

本日のスパゲッティセットにしようと決めていたが
聞きなれないブランド豚ベーコンと白菜のペペロンチーノみたい
あっさり系のペペロンチーノでよかった。

プラス300円でデザートもつけて
ホットコーヒーを食後にお願いする。

まだ11時半過ぎだというのに次々と来客があり
皆一様に牛サーロインステーキライスセットを頼んでいて
ライスは大中小を聞かれているようだ。

接客の若い男性がソフトな雰囲気で優しい話し方でとても感じがいい。

レタスと豆苗のサラダにキャロットドレッシングがたっぷりかかっていて
オレンジ色と緑の対比が美しい。
ペペロンチーノはカットされたミニトマトとブロッコリーが彩を添え
ベーコンがやわらかく、鯨のベーコンのような味わいも感じられて旨味いっぱい。
ほかにも濃緑色も見かけ、いろいろな野菜が入っていたのかもしれない。

こちらもペペロンチーノ?という感じでニンニクやトウガラシはほとんど感じられず
さわやかだが、野菜のうまみそのままにつゆだくのパスタ

スープパスタほどではないが、こんなにつゆだくのペペロンチーノは初めての体験だ。
せっかくなのでスプーンでスープもいただいた。

そのつゆにトウガラシの粉のようなものをわずかに見つけたが
ニンニク感はほとんど感じられなかったような気がする。

最近は、私の思うペペロンチーノにはどうにもお目にかかれないようだ。

デザートは粉を一切使っていない「チーズケーキ」との説明があった。
自家製なのだろうか アイスのバニラ感が程よくさわやかだ。
添えられた二粒のブルーベリーはひとつは甘く
もう一つは全く違っていて酸っぱかった。
二つにカットされた大きいイチゴはほど甘かったが
添えられたちいちゃな葉っぱ付きイチゴもやはりすっぱい。

甘味と酸味がちりばめられていて
コーヒーも美味しかった。

ぜひランチコースも味わってみたい。

パトリのランチコース1,600円は完全予約制で前日までの予約が必要らしい。

文化横丁にある隠れ家的ブラッセリーの立ち位置が本当にお似合いなお店だ。


       
 

ブラッスリー パトリフレンチ / 青葉通一番町駅あおば通駅広瀬通駅

昼総合点★★★☆☆ 3.3







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おろし蕎麦 (そば処 鷹の羽 二日町店)

2022-11-17 | 美味しかったぁ~
観たい映画があって、午前の学習会の後、急いで向かう。
お昼はどうしようか、その近辺で早く食べれる所
ランパスに載っていた鷹の羽を思い出した。
お蕎麦なら早く来て、早くするする食べれそうだ。

まだまだ12時前だというのにお客さんが結構入っている。
スーツや作業着姿、女性のおひとり様などさまざま

いつも開店早々に入店していたので、すぐ出てくるのだが
今日はそれなりに混んでいてなかなか出てこない。
え~映画に間に合う?と少し焦り始めたころ・・・
わたしより先客を飛ばして「お待たせしました」と到着
が、先客の方にもすぐ来てほっとする。

男性はたいてい「ちょうちん」を頼み、他はみなさんカレー蕎麦をご注文。

冷たいおろし蕎麦なんて食べてるのは私ぐらいかも・・・

かつお節ののった大根おろしにそばつゆを入れて
おネギとわさびも全部入れてしまおう。

枕崎産の本節と亀節、鯖節、宗田節をじっくり煮出したというつゆは
ちょっと甘め
前は鯖節も入っていたっけか・・・

蕎麦は純打ちの田舎そばではないけれど、
さすがにお蕎麦屋さんのお蕎麦、香りがあり美味しい。

蕎麦湯もそつなくやってきて、めいっぱい温かいスープを堪能して
ごちそうさま

今度はあんかけか、カレー蕎麦、玉子閉じもいいかもね







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「パラレル・マザーズ」

2022-11-15 | 映画のお話
アラフォーの写真家を演ずるペネロペ・クルスが美しい
映画賞では 83ノミネート うち23受賞だという作品
「パラレル」は「並行の」「同時進行の」という意味合いらしい。

産院で知り合った
同じ日に出産した17歳のアナとアラフォーのジャニス
二人とも訳ありのシングルマザー
だが子供を取り違えられ、ジャニスの娘は突然死していた・・・


恋人から似ていないといわれDNA鑑定するも
自分が母親ではないと知り、苦悩するジャニス。
偶然会ったアナは 実はジャニスを探していて・・・

アナの鑑定で娘の本当の母親と確信し
さらに苦しみ葛藤するジャニス

それでもアナの境遇や悲しみに寄り添い、なかなか言い出せずにいて

やがて真実を告げたものの
若いアナは奪い取るように娘を連れて帰ってしまう

素直にアナの荷物を持ち送るジャニスの姿が惨めさを通り越してしまう

あこがれて、関係も持ったジャニスが愛情いっぱいに育ててくれた子を
当然のように連れ去るアナの切り替えの早さ
自分は親から捨て子のように育てられていたからだろうか

電話での謝罪のあと、二人の関係は・・・

やがて月日が過ぎ
急に遺体発掘現場の草原に変わる
スペイン内戦で惨殺された曽祖父たち
彼らが埋められた地を掘り起こす場面に移り変わっていく
きちんと先祖を弔うために
親戚たちがDNA鑑定をして遺骨を鑑定する

考古学者の恋人との出会いは
内戦時に虐殺された曾祖父の遺骨を発掘してほしいとの会話だった
確かに始まりはそうだったと思う
内戦など知らないし知ろうともしない若いアナに
ジャニスがいつになく説教する場面もあった・・

今の現実を移すカメラマンのジャニス
古い曽祖父たちの写真
取り違えられたまま突然死した赤ん坊
生と死
昔と今
母と子
男と女
同性愛
不倫とレイプ
盛りだくさんに盛り込まれ飽きさせないのだが
途中、この映画 いつ終わるのかしら とふと思った。

愛がテーマなのだろうか。
家族愛だけではなく様々な愛

大切な命がつながれていく

ジャニスは考古学者の恋人と結婚できたのだろうか
三か月のおなかをしきりにさすりながら
大切な命がつながれていく風に終わっている

スペイン内戦を知らない私には
この流れは流ちょうではなく
戸惑いばかりが残ってしまった。

世界で内戦が続いている今だからこその作品なのだろう



















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エビとキャベツのアンチョビパスタ ~ジュイップ (Juippu)~

2022-11-10 | 美味しかったぁ~
2か月ぶりのランチ会
ずいぶんと久しぶりの方もいてうれしくなってしまいます~
プレートの豚ひき肉ときのこのつくね バルサミコソースは
おだんご風と思っていたら、ハンバーグ風の大ぶりで
ちょっとびっくりだけどうれしくなっちゃいますね。
おいしいのをみんなでパクパク味わいます。

日替わりのパスタは
エビとキャベツのアンチョビですって

できたてほやほや、熱々の湯気がいい感じです。
添えたバゲットにはオリーブオイルが垂らしてあって
エビがぷりぷり
まいたけの食感やうまみ、キャベツの甘み、
そこにアクセントに効かせたのはイタリアンパセリでしょうか

日替わりのデザートはクレーム・ブリュレ

程よい苦みのコーヒーもおいしいです。

車の方がお二人いてワインとはいきませんでしたが
夜はどんな雰囲気なのでしょうね。

みんなでわいわい女子会したいこの頃
クリスマス会や忘年会、新年会とイベントが続くので
ほとぼりが冷めた頃でしょうか

  
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「3つの鍵」

2022-11-05 | 映画のお話


カンヌで正式上映されたナンニ・モレッティ監督・脚本作品
監督自身も裁判官の夫として登場している。

イスラエルの作家エシュコル・ネヴォのベストセラー小説
「三階 あの日テルアビブのアパートで起きたこと」を原作に書き起こしたらしい

原題の「Tre piani」は 三つの階

邦題では「鍵」となっているのがやはりよくわからない

パルム・ドールを受賞した「息子の部屋」の母の面差しが浮かんでくる

ある晩の自動車事故をきっかけにそれぞれの家族の不穏のとばりがおり
だんだんとひろがってゆく
奥底に沈んでいた澱が浮き上がるように 家族は懊悩し葛藤するが
やがてバラバラになってしまう

それぞれの登場人物の心模様

車に突っ込まれた部屋に住む夫ルーチョの異常な勘繰りはどうしてなのだろう
彼の幼年時代に何があったのか、蓋をしていたはずのトラウマなのかもしれない

夫と離れて一人で暮らすモニカの孤独は悲惨だ
ひとりで出産し、だれも頼る人のいないのはどうしてだろう
精神病の母親を持つ恐怖は誰にも相談できないことなのだろうか・・・
子供を産むというのに、どうして前もって手を打っておかないのか
私にはとうてい理解しがたかった
行政もコミュニテイーもイタリアらしくなさ過ぎる
モニカの幼さとも思えない

裁判官夫婦の一人息子アンドレアの幼さが際立っていた。
父親の愛情を感じられずに育ち、それを可哀そうに思う母親の過保護のはての姿
本人は十分わかっていたのかもしれない
それでもまともになれないもどかしさ

みな自分で何とかしようとあがきづづける
プライドなんか捨てて、もっと心を開いていければよかったのに
それでも
5年、10年と歳月をかけて だんだんと闇が薄明るくなっていく

陽気でおしゃべり好きで家族的なイタリア人はどこにもいなかった
ママンが腕を振るった料理を囲む家族たち
声を掛け合い助け合って暮らすイタリア人なんていないのかしら

ローマの高級住宅地に住む裕福な家族たち
本当は個性的で度が過ぎていて、家族は歪んで崩れかけていただけのこと
なのかもしれないけれど・・・

最後のシーンで陽気にアルゼンチンタンゴを踊る
たくさんの人々と音楽に救われた

「ほら、一緒に踊りましょうよ」と心の中でささやいていた




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