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ルイ・シュポアの弦楽五重奏曲第7番ト短調作品144を聴きながら二俣川から鶴ヶ峰まで歩く

2008-07-30 06:32:43 | 古典~現代音楽ドイツ編
昨日は二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは1784年生まれのシュポアの作品。
ドイツ・ロマン派の初期にあたる彼は、
当時ドイツ国内でヴァイオリン奏者として活躍し、
ロシアのサンクト・ペテルブルクやイタリア、
イギリスそしてパリなどにも演奏旅行を行なった。
200人近くのヴァイオリン奏者、指揮者、作曲家を育てあげ、
教育者としても当時活躍したようである。
弦楽五重奏曲は、1850年に作曲された作品である。
和声などにおいてはロマン派的な要素を持ちながら、
様式上は古典派的な要素を残している彼の作品の特徴は、
この作品の中にも現れていると思う。
その一方で1848年に起きた二月革命・三月革命のさなかにあり、
シュポアもその行方をみていた人物であるだけに、
その時代背景が彼の作品にも影響を及ぼしているかもしれない。
期待、不安、失望、怒り、様々な感情を抱きつつ、
この時期の作品は書かれているのではないだろうか。

第1楽章アレグロ・モデラートの冒頭は、
やりきれないような少し物悲しげな感じで始まる。
ヴァイオリンが弾く短調と長調の主題をもとに
ソナタ形式で展開されていく曲はロマンティックである。
ヴァイオリン奏者の彼らしく第1ヴァイオリンが活躍し、
弦楽五重奏曲なのにヴァイオリン協奏曲風でもある。
第2楽章ラルゲットは、ヴァイオリンが甘い旋律を奏でる。
穏やかな音楽は宮廷的でもあり、華やかでもある。
第3楽章メヌエットのト短調で始まる主題は、
1848年の二月革命・三月革命以降変化していく当時の
激動の時代を示しているようでもある。
中間部のトリオはト長調で書かれているが、
何となく落ち着いていない感じである。
冒頭のト短調が再現され、最後も悲観的な雰囲気は残る。
第4楽章アレグロ(フィナーレ)は、明るい楽天的な曲である。
ここでも第1ヴァイオリンの活躍する場面が随処にみられる。
夢みるような明るい感じの主題が繰り返され、
幸せに包まれたような雰囲気の中で曲は終わる。

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