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フェルディナント・リースの交響曲第2番ハ短調作品80を聴く

2022-01-08 11:06:12 | 古典~現代音楽ドイツ編
今回からは多くのあまり知られていない作曲家の交響曲を
地域を限定せずに取り上げていきたい。
まずは1784年ドイツ生まれのフェルディナント・リースの作品。
ブログでは交響曲第1番、第4番~第7番まで触れてきたが、
残り三曲の交響曲を順次取りあげていきます。
今回は1814年に作曲された交響曲第2番ハ短調作品80である。
この交響曲はヨーロッパのドイツ圏では最も成功した作品である。
作品はベートーヴェンに献呈されたようだが、
作品の出版をめぐっては苦労したようで、
4年後の1818年作曲家の友人のジムロックの力で、
ようやく出版されたようなことが解説書に書いてある。
聴いたCDはハワード・グリフィス指揮、
チューリヒ室内管弦楽団の演奏のものである。
第一楽章アレグロ・マ・ノン・トロッポは、
悲しみと怒りとも燃えるような主題で始まる。
そのあとは対照的で明るく生き生きとした力強い主題が現れる。
旋律の受け渡し方など随所にベートーヴェンの影響がみられる。
提示部が繰り返されたあと短い展開部に入る。
再現部で主題が繰り返され、最後は冒頭の主題で劇的に終わる。
第二楽章アンダンティーノは、ゆったりとした旋律で始まる。
何となくモーツアルト風な部分も感じさせる。
弦楽器と木管楽器中心に流れていく旋律の一部は、
ベートーヴェンの交響曲第3番終楽章の主題の一部を想起させる。
最後まで愛らしい感じで穏やかに終わる。
第三楽章メヌエット(アレグレット)は、
力強く激しく時に哀愁を漂わせた旋律が繰り返されて始まる。
ここもいかにもベートーヴェンの影響を感じさせるところがある。
中間部はオーボエなど木管楽器を中心に牧歌的な旋律が奏でられる。
それが金管楽器に受け継がれ盛り上がりをみせもする。
冒頭の旋律が再び繰り返され、最後は力強く終わる。
第四楽章フィナーレ(アレグロ・マ・ノン・トロッポ)は、
流れるような主題で始まり、力強く盛り上がりをみせていく。
このあたりは、シューベルトも思わせるようで歌うような旋律である。
主題は各楽器に受け渡されていき、最後は盛り上がったところで力強く終わる。

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