Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

團伊玖磨の歌劇「ひかりごけ」を聴きながら鹿島市から武雄市まで歩く

2008-02-19 07:45:10 | 古典~現代音楽日本編
昨日は墓参りにいくために、鹿島市から武雄市まで歩く。
佐賀県内を歩くのは初めてだが、嬉野市の塩田を経由し、
398号をひたすら北上し、歩くこと2時間半はかかったので、
15キロくらいの距離はあっただろう。
それにしても、田舎の道は歩くとその時間が長く感じる。
遠くに見える風景を見ていても、
視覚的にあまり変化のないものだからだろうか。
途中、塩田付近では玉島古墳を道の右手にみかける。
佐賀県で最大級の古墳であると書いてあり、
6世紀の頃につくられたものであると書いてある。
こんなことに興味を持つのも歩いてでないとないことだ。
車で行くとなると、つい見過ごしてしまいそうである。

昨日聴いた團伊玖磨の歌劇「ひかりごけ」は、
1972年に作曲された作品で、二幕ものである。
昨日歩く中ではその第1幕を聴いた。
武田泰淳の手による戯曲は極限状態にある人間の
心理的葛藤を描き、人間らしさとは何かを問う作品である。
これを團伊玖磨が歌劇の素材としてとりあげたのはすごい。

第1幕は、マッカウス洞窟にての話。
第二次世界大戦敗戦直前の、昭和19年。
舞台となるマッカウス洞窟は、北海道の知床。
ここでは人肉を食べる船長が出てくる。
この話は実際にあった事件がベースとなっているようだ。
(ただし、実際の事件の舞台はマッカウス洞窟ではない)。
この歌劇はそのようなテーマを取り上げているから、
どろどろとした人間の心理的ドラマとして、
聴き手に対して訴えかけてくるのだ。
團伊玖磨の音楽もその状況をうまく描いていると思う。
第1幕は船長と西川という人物の対話が中心となる。
ここでは登場人物はすべて男性のみである。
それにしても物語のようなフィクションよりも、
実際の事件の方が想像しえないことが起きる。
逆に言えば、文学作品がそのような実際の事件を
小説の題材とすることは多い。
人間って一番怖い存在なのかもしれない。
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ユン・イサンの「わが祖国、わが人民よ!」を聴きながら福岡市内を歩く

2008-02-19 00:01:35 | 古典~現代音楽その他の地域編
17日は福岡にいき、福岡市内を歩く。
宿泊ホテルのある中央区高砂1丁目(最寄り駅は渡辺通駅)から、
博多駅へ向けて住吉通りを歩き、約20分で博多駅に着き、
それから地下鉄線に沿って、祇園、中津川端、天神へと歩き、
そこから再び渡辺通りを歩き、ホテルまで戻った。

17日に聴いたユン・イサンの「わが祖国、わが人民よ!」は、
CDの解説書によると1987年に作曲されたようで、
ソプラノ、アルト、テノール、バスの独唱者と、
合唱および管弦楽によるオラトリオ形式による作品で、
彼が選んだ11の詩から曲は構成されている。
第1楽章が「歴史」、第2楽章が「現在Ⅰ」、
第3楽章が「現在Ⅱ」、第4楽章が「未来」となっている。

詩の内容は愛国的であり、第1楽章は、
平和的で美しい自然のある国の良さを歌い、
第2楽章では分断された朝鮮半島と、
その戦闘により生じた悲しみが歌われる。
第3楽章では朝鮮にとっての目標が示される。
正義、人間性、自由、平等な世界が、
そのゴールの先にあることが語られる。
第4楽章は来るべき将来の日が語られる。
太鼓が打ち鳴らされ、人々が幸せとなる
その日が来ることを祈るようにして曲は終わる。
ユン・イサンの願いとメッセージが、
こういう曲を聴くとなるほどわかるような気がする。
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