Mars&Jupiter

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ジョン・アダムズの「包帯係」を聴きながら、横浜から星川まで歩く

2008-02-13 23:10:13 | 古典~現代音楽北アメリカ編
今日は横浜から星川駅まで歩きました。
途中聴いた曲はジョン・アダムズの「包帯係」。
シェイカー・ループスから10年後の1988年に作曲され
南北戦争の時の看護体験をもとにした
ウォルト・ホイットマンの詩に基づく、
管弦楽とバリトンのための作品である。

ミニアリズムで有名になったアダムズだが、
ここでは、ゆったりとした浮遊感のある音楽、
そしてロマンティックな情感のある歌を聴くことができる。
ミニアリズム的な部分は静かに
バックでは聴こえているのだが、
まるで夢の中にいるような音楽である。
戦争での体験はある意味で悪夢のようで、
非現実的な世界に見えるのかもしれない。

戦争の悲惨さは、体験したものにとっては、
とても現実的なものであるに違いないのだが、
それが恒常的な現実になってはいけない。
むしろ、過去を回想するかのように、
語られる方が、いいのかもしれない。
もちろん、過去を忘れるわけではなく、
こういった形で後世に残していくことは大切で、
その過去を忘れてはいけないのだが、
現実はもっと生々しく、表現するにしても難しい。
生と死の狭間にあって感じるさまざまな感情。
生きるということのリアリティが
そんな悪夢のような戦争の中で感じてしまうのは、
果たしていいことなのか、どうか。
メッセージの強い音楽である。
コメント
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