そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

サウジアラビアという世界最大のイスラム原理主義国家

2016-09-06 | イスラム
先ごろ世界最大の石油産出国のサウジアラビアのムハンマド副皇太子が来日し、安倍晋三は主要閣僚はもちろんのこと、天皇まで謁見する国賓待遇で迎えた。副皇太子とは極めて解り難い存在であるが、昨年アブドラ国王が死去して息子のサルマンが国王に即位した。10数名いる皇太子の中での大抜擢である。現在31歳のムハンマド副皇太子は、第二副首相や国防大臣や経済開発評議会議長など兼任する、若きリーダー改革者として国内に人気がある。
ムハンマド副皇太子に託されたのは脱石油である。国際的な石油価格の暴落で一気に財政事情が悪化している。副皇太子はこの国は石油中毒になっているとし、産業を興すことで国の立て直しを図るというものである。そのための技術大国日本への接近である。
サウジアラビアとは、サウド家の世界という意味である。そのサウド家の国王一族の資産は900兆円を超えるものとみられている。イギリスやアメリカの絶大な信頼の元、世界に存在を示している。アメリカはイラク侵攻の理由に民主化を掲げていた。選挙で選ばれたフセインの独裁国家を非難していたが、ほぼ無条件で石油を売ってくれるサウジアラビアは、サウド家の王国で民主国家とは程遠い存在である。アメリカのダブルスタンダードである。日本の報道もこれに従順に倣ってこの王制を批判しない。
北朝鮮の金王朝など比でない、サウジアラビアは絶対王政の独裁国家である。この国は石油産国家であると同時に、イスラムの聖地メッカを抱える、スンニー派のイスラム宗教国家でもある。

サウジアラビアの教育は、王族にとっては保険のようなものである。ワッハーブ主義と言われるイスラム原理主義は幼いころから国民に叩き込まれる。キリスト教徒は一人残らず殺せ、シーア派は殲滅せよと言った具合である。イスラム法の実施は最も厳密で、公開処刑や斬首は日常的に行われている。首のない遺体を公衆に晒したり刑務所の非人道的なリンチや、惨殺も絶えることがない。
観光客などの入国はいまだ禁じられていて、実態は闇の中である。今年1月に南部のシーア派の活動家を47人処刑し、イランと国交断絶となった。
IS(イスラム国)の主張とワッハーブ主義に異なるものはない。ビンラディンを生んだ、ワッハーブ主義は極めてイ過激なスラム原理教義である。女性への差別は厳しく、外出時には全身を黒の布で覆わねばならず、投票権はなく車の運転は許可されていない、銀行に口座を持つことも許されていない。男性は理由なく女性に暴力がふるえるし、殺害も可能である。ISの主張と何ら変わるものはない。
ISが100台もの大量のランドクルーザー上で、銃を持った黒い覆面の戦士が行進する画像がネットに流れたことがある。実際は車はサーフであったが、全く同じ新車の機種であり同時輸入と思われ、これほど大量に車を上陸させる港は、サウジアラビアにしかない。ISがいくら攻撃されようとも、戦力が失われないのは、サウド家の支援があるからである。
石油を背景にした国家運営は転機に立っている。それは同時に王制の崩壊をも意味しないのは、英米と日本などの支援があるからである。

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