そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

非正規雇用の削減こそ社会を安定させる

2015-12-10 | 労働者派遣法
小泉政権下で、自らの新自由主義を良いがままに実行したのが竹中平蔵である。彼は労働者は全員非正規雇用・臨時雇いで良いのだと言ってのけた。新自由主義にとって、国民の生活や権利や文化的な生活など、全く関係ないのである。
大手家電メーカーに勤めていた友人が(もちろん正規雇用で)、札幌に転勤になって5年のお役目を終えて本社に復帰して驚いたと、かって私に語ったことがある。小泉政権のただなかで、ワンフロアー100名ほどだそうであるが、20%が派遣社員になっていたそうである。一年で全員が総変わりするがそうであるが、3年もすればほぼ半分が派遣社員となった。人件費は抑えられたかもしれないが、習熟社員がいなくなったと嘆いていた。
上のグラフは、驚くなかれ派遣社員の会社の数である。人口が日本の三倍少々のアメリカでさえ、日本の四分の一以下である。しかも抱える派遣社員は、医師や弁護士がほとんどであって日本のそれとは異質なものである。
この派遣社員を抱える会社は、少し前のこの国の裏社会の姿そっくりである。テキヤと呼ばれて、娑婆を仕切って組のものを送り付けるあのヤクザの世界そのものである。新自由主義などというもったいぶった言い方ではなく、テキヤ社会であり傘下に派遣を大量に抱えるヤクザ組織そのものである。
非正規雇用者には定期昇給も賞与もない。労働基準法から外れて、賃金が支払われ時間外労働も強制される、極めて不安定な無法雇用形態である。
このグラフは、日本が極めて異常な裏社会によって支えられていることを物語っている。それを自民党政権が、経済成長の名目で行っているのである。
非正規雇用の削減こそが社会を安定させ、日本のGDPの60%を超える国内需要の安定的な喚起が起きるのである。マネーゲームで見せかけのインフレを演出しても、昨日述べたように雇用者・企業側が儲けた金を内部留保していくばかりである。
そもそも、インフレが社会を活性化するのは途上国の話であって、日本のように成熟してきた社会では限度のあることである。それとも経済学者たちは、資源もサイズも有限の地球上で、いつまでも成長し続けられるとでも思っているのであろうか?
労働者から権利と賃金を奪い、国はメカジメ料として、消費増税を行うのである。

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