そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

図書館の民営化に反対する

2015-10-25 | 地方自治
九州の武雄市の図書館が、2013年にツタヤに委託管理され事実上図書館の民営化が日本各地で始まった。やっと愛知の小牧市で、住民投票で否決され民営化の波が収まった。このところ日本に限らず世界中で本離れが若者を中心に進んでいる。4年制の大学生が、在学中に一冊も本を読まないと答えた学生がほぼ半数だったとのことである。日本の話である。
本離れは公営の図書館にとって、利用者離れが著しく運営が困難な理由は山ほどあるだろう。然し委託された、ツタヤは書籍やDVDの販売に力を入れたり、飲食店を設けたりするのは当然である。特に売れる本が彼らの主なメニューのなるのは解り易い事実である。商業施設の飾りに図書館が成り下がる危険性がある。
確かに斬新なアイディアを導入したり、市民が入り易いように取り組んだ成果はある。武雄市の例を挙げるなら、偽って古本屋から大量に読まれもしない本を購入したが、その古本屋も自社の参加の物だったことが発覚している。民間委託するとこうなるのは当然である。
先月小牧市の住民投票では、投票率が50%を越え関心の高さを示していた。賛否もほぼ拮抗し僅かに反対が上上回ったのであるが、今後の図書運営に大きな力になるものと思われる。
武雄市の例を挙げるならば、市民が関心を持ったような取り組みは、何も民営化しなければできないことではない。ある意味行政の怠慢なのである。公的意味合いが大きく、利潤とは関係ない形で行政が運営しなければならないことは数多くある。図書館の民営化が進めば、やがて病院やごみ処理場の運営まで民営化されることになりはしないか。因みにアメリカでは、刑務所でさえ民営化されている。
図書館が地域に貢献しなければならないこと、例えばその地域の歴史や文化的遺産の発掘や、各所文化行事や地域の学校との連携や啓もうなど数多くあるはずである。民営化によってそれらのことが疎かにされることは、想像に難くない。
利潤を前提にした、図書館の民営化には反対するものである。


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1 コメント

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Unknown (とろ)
2015-10-27 01:04:11
仰るとおりで、
図書館とか博物館のような公共の建物に、
営利性を求めてはいけないですよ。
儲けることだけ考えたら、人気ない書籍はどんどん
駆逐されてしまいますけど、そーゆーのを所蔵する
ことに図書館の意味はあると思いますし。
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