そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

志位共産党委員長の質問は秀逸で、戦争法の実態が明らかになった

2015-05-29 | 戦争
昨日(28日)の安保法制特別委員会での辻元清美氏の質問は、更迭が取りざたされる中谷防衛大臣には無能力を曝け出させ、安倍晋三の(九条の会の大江氏の提案に従い呼び捨てにしている)無知といい加減な対応ぶりがあからさまになり、この法案の危険性と抽象性が明らかになった。辻元氏の質問は野次の中で、彼らを苛立たせる戦法かと思われ、まんまと安倍晋三が嵌められた感がある。

これに比して、共産党の志位和夫委員長の質問は法論議を丁寧に重ねて、静寂の中で淡々と行われ、これまでの政府の対応を引き合いに出し、これからの問題点を洗い出した。党首討論で、ポツダム宣言すら知らなかった、安倍晋三のアホさを晒したことに次ぐ快挙と言える。

戦闘地域の定義が曖昧である。戦闘が起きたら撤退すると安倍は回答したが、撤退することは書いてあるが、戦闘地域については法文には一言も書かれていないと喝破した。
志位氏は、国連平和維持活動(PKO)と集団的自衛権の行使容認という二つの問題を取り上げ、前者はPKO協力法と自衛隊法の改定、後者は武力攻撃事態法と自衛隊法の改定にかかわる問題である。PKO協力法の改定によって、新たに国連が統括しない治安維持活動への参加、安全確保業務や駆けつけ警護、任務遂行のための武器使用の解禁などが可能になる。志位氏は、アフガニスタンでの国際治安支援部隊(ISAF)のような活動に参加可能なのかと質問した。
これに対して、安倍晋三はPKO参加5原則に基づいて当事者同士の間で停戦合意が履行されていることが重要で、アフガンのような治安状況を前提としていないと答えた。しかし、幾度にもわたる志位氏の質問には正面から答えず、参加しないとは最後まで明言しなかった。本音はここにある。自衛隊を参加させたいのである。
ISAFに参加した、自衛のための戦いしかできないドイツは、人道支援や治安維持活動を掲げ後方支援や輸送支援などの関わっていた。しかし、正当防衛などを理由に戦闘行為が行われ、55人の命が失われた。現地の人も数百人単位で殺したのではないか。自衛隊も同様なことをやるようになるのではないか、との質問にも5原則を繰り返すだけであった。

日本が協力したいアメリカが行った間違った戦争の例として、グレナダ侵略、リビア爆撃、パナマ侵略について、日本のとってきた姿勢について質問をした。これらについて国連が非難決議を挙げているのに日本は「理解する」という立場で通している。これまで日本は、戦後のアメリカの軍事介入について反対したことは一度もなく、全て賛成・支持・あるいは棄権をしている。
アメリカの行う戦争に対して理解を示す対米追随の外交からすれば、アメリカから言われるままに集団的自衛権を行使して、たとえ間違った先制攻撃であっても米国の戦争に協力させられるのは明らかである。これにたいして安倍は明解な回答ができなかった。

志位氏が間違った戦争の例としてベトナム戦争とイラク戦争を挙げた。ベトナム戦争では北爆など戦争拡大の口実とされたトンキン湾事件がねつ造であったことが明らかになり、イラク戦争では大量破壊兵器が見つからなかった。
これらの戦争の原因とされた事実は存在せずねつ造であった。この間違った戦争を日本は支持し、ベトナム戦争では出撃基地として、イラク戦争では復興支援活動ということで自衛隊を派遣している。
更に、二つの戦争に対しては、戦争理由の根拠が間違っていたことがはっきりした後も、アメリカに対して説明を求めず、検証もせず、反省もしていない。アメリカのやることは何でも無批判に受け入れ、正しいと信じて支持し追随し、間違ったと分かった後でさえ説明を求めたり検証も反省もしていない。このようなアメリカ追従外交姿勢で良いのかとに質問にも、安倍は回答できなかった。

集団的自衛権を行使することは、アメリカが行っている戦争は理由の如何も正悪も問わないまま、戦闘地域も不明なまま、武器使用の基準も曖昧なまま、自衛隊員は勿論のこと、日本国民全体が標的にされ危険に晒されることになる。これれこそ「戦争法案」という、レッテルが相応しい法案と言える。

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1 コメント

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あなたもですか。 (元共産党支持者)
2016-08-13 23:56:04
共産党系の方々はとにかく失礼な物言いをするし、人間性を疑うほど偏った考え方をしますね。
私は以前、共産党を支持していた者ですが、あなたのような独特の(異常な)方々があまりにも多いことに嫌気がさし、アンチ共産になりました。
日本人なのに、なぜ日本を貶めるような事ばかりするのでしょうか?
日本以外の国に住んだほうがいいんじゃないですか?
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