そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

福島第一原発の汚染水処理の延長

2015-01-24 | 原発と再生可能エネルギー
日本政府や報道陣が、イスラム国の邦人二名の人質事件で大騒ぎしている中で、東京電力は昨日(23日)福島第1原発に保管している高濃度汚染水について、政府に約束していた今年度内の全量処理を断念し、広瀬直己社長が資源エネルギー庁の上田隆之長官と面会し伝えた。
19,20日と作業事故で二名が死亡していて、現場が沈んでいるとの報道など、事故処理の本質を隠ぺいするものでしかない。

そもそも、今年度中に処理が完了すると言わざるを得なかったのは、2013年9月に安倍首相が東京オリンピック誘致のために、”The Suitueition is under contorol”(状況はコントロール下にある)なんて嘘ついたもんだから、現場は尻拭いに急がされたのである。ほとんどの対策がトラブル続きなのである。
海側遮水壁については、地下水の流れが全く把握できな状態で、試行錯誤を繰り返すばかりである。
トレンチの汚染水は、凍結壁を設けるはずだった。1500本もの巨大なアイスキャンデーを並べて、世界初の凍結壁を作ったが凍結が上手くいかないばかりか、320億円もの費用がかかかるのである。どうやらあきらめたようである。
サブドレインでの浄化した井戸水の海洋放出は、信用を無くした漁業者の説得に半年もかかっている。
ALPS(放射性物質減少装置)は一日750トンから1260トンにアップしたが、それでも間に合わないばかりか、トラブル続きで計画通りに行っていない。多核種除去設備とされているが、トリチュウムはできない。敷地内には、28万6千トンもの汚染水がまだ残っているのである。
廃炉の道は遠く、40~50年かかるとされているが、東電はその入り口にも立ってはいないのである。

こんな大きな事件であるが、何と報道の小いことか。次第に原発再稼働の現実化と、オリンピックを控えて最小化の報道になったのであろう。忘れやすい日本人は負の出来事を、こころのどこかで風化を望んでいるのかもしれない。


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