そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

TBSの「戦後70年 歴史家ジョン ダワーの警告 」を見て

2015-05-04 | 平和憲法
5月2日に放送されたTBSの「報道特集」で、アメリカの歴史学者ジョン・ダワー氏のインタビュー、「戦後70年 歴史家からの警告」が放送されました。アメリカのマサセッツ州立大学名誉教授で近代日本史の専門家のジョン・ダワー氏は1999年”Embaracing Defeat"で、ピューリッツアー賞を受賞しています。日本では「敗北を抱きしめて」上下巻として発刊されています。 この種の本としては珍しく、上下巻で24万部も売れています。
どうせアメリカ人の書いた本として読みましたが、読みやすい文体と高い理想を掲げて日本を称賛する本でした。感銘することが数多くありました。番組はネットで見ることもできます。本を読まれた方はみられることを勧めいたします。

日本を長年見てきた歴史家の主張に耳を貸すべきと思われます。ジョン・ダワー氏の主要な発言は以下のものでした。
① 日本は戦争を美化してはいないか。真摯に戦争に向き合う姿にたいして、自虐史観であるとか東京裁判史観であるとか称して、戦争の大義を保守派の人たちは掲げます。
② 戦争の責任をドイツと日本の取り方が対照的である。ドイツは戦争で犯した犯罪を記憶し忘れてはならないとしている。日本は誠意がなく事実関係すら否定し、被害国に耳を貸そうとはしない。戦争だけではなく、植民地支配についても改ざんしようとしている。
③ 沖縄の声を聴くべきである。沖縄は連合軍と沖縄戦をたたかい見捨てられた。戦後も1952年から20年間もアメリカの植民地であった。日本への復帰後も、忌わしい米軍基地は置かれたままである。沖縄の慰霊の碑には、日本はもちろんアメリカやオランダなどのなくなった人たちの名前がすべて書かれています。天皇のために亡くなった人しか祀らない靖国とは大きく異なります。沖縄の人たちの草の根運動には、深く敬意を払います。
④ 普通の国の正体とは軍隊を持つことである。安全保障と称して、秘密国家になることです。平和憲法は、先の戦争で日本がかち取った日本の財産です。天皇陛下のお言葉は、戦争への反省が見られ憲法を重んじる姿が感じられます。
⑤ 日本の若者た日は伝統文化を重んじ、アメリカを模倣した国家になって欲しくはない。

ジョン・ダワー氏は何度も「あれはひどい戦争だった」を繰り返しています。彼の指摘は、現政権によってすべてが否定される方向に動いているように思えます。戦後70年にもなってしまいました。戦争の悲劇の再現を試みる、保守派・右翼の国家観が危うい時代になっているとい言えます。

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3 コメント

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戦後70年・・・・4 (umakusa)
2015-05-05 20:23:07
 とても興味深い内容でした。私は臆病なのかもしれませんが、戦争はすべきでないと思っています。
 国民、その代表である国会にもはからずに、アメリカと約束するような、安保法制、残念というか、かなしいです。
 
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次の一手、 改憲へ (月 光(A.H.))
2015-11-04 11:52:30
ジョン・ダワーはナショナリストであることを伏せている。
日本への(押し付け憲法の批判)をかわすために(日本人のソフトパワーが日本の平和を守ってきたのだ)・・・と日本人向けに説いている。 ハードパワーと外交が独立国の主権を守るのだという当然のことに日本が気づき、アメリカの植民地状態から脱却することを防ぐために、洗脳を推し進めようと企図した明らかな宣伝工作と言える。
未来永劫に日本を占領憲法(日本弱体化憲法)で呪縛しようと企み、発しているということに日本人は気付くべきです。
(ソフトパワー)を母国であるアメリカに広めることは彼自身する筈もない。アメリカは(ハードパワー)が平和を守ると考える国。
9条を柱にした戦後の新憲法を堅持することが平和に導き、それが日本人の特質であるかのように理論付ける。・・・アングロサクソンは実に理論武装するのが得意な種族だ。 中国はユーラシア大陸の渦巻く謀略の歴史から、戦わずして勝つための(兵法三十六計)を手にし、これを戦略の拠り所としたチェックシートとしている。 海を外堀として安住している日本は対外戦略を不得手としてきた。
たった一度、アングロサクソンの首領であるアメリカに大敗したことで、いとも簡単に日本人は洗脳までされてしまった。
侍の国(日本)は幕末に欧米からの支配戦略に屈してはならんと、立ち上がった志士等の行動で見事なまでの明治維新を起こし、日清・日露・第一次大戦を経て軍事力を付けることで一等国として誇りを持つに至った。 しかし、欧米との外交に経験不足な結果、日独伊三国同盟の締結という誤った判断をしたことで(戦勝国日本に結びつく選択)を逃してしまった。 アメリカとの戦争をなんとしても回避していたら、日本は戦勝国であったことは間違いない。
勝敗の違いで一国の運命を変えてしまうことを、日本は事前に知るべきであった。
現在の国際連合は戦勝国連合であるが故に、要所で機能不全を起こしている。 日本が活躍できないからだ。
過去の為すべき選択を取り戻すことは出来ないが、日本は将来にわたって敗戦国で居続けるわけにはいかない。
戦後レジームからの脱却を成し遂げて、日本は(軍事力・外交力・科学力・生産力・経済力・文化力)のゆるがない、有効な世界平和を提案できる発信力ある国へと進路を取るべきときに来ている。
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月 光(A.H.)様 (そりゃないよ獣医さん)
2015-11-04 16:30:18
論旨がはっきりしていません。あなたは、勝つための戦争を奨励しているかに見えますが、私は戦争そのものを否定します。それは、戦争という手段が殺人を許容しというより推奨し、人権などの全てを奪うからです。
彼方のような戦争奨励者は、どこかの戦争映画のように、どんな殺戮が起きても自らは決して死ぬことがなく、弾が当たらに事を前提にしているかに思えます。銃口の先には、相手国の人間が存在してその人には必ず家族や友人がいて、社会的な位置ああります。それを否定するのです。
戦争は人殺しであり、人殺されです。国家がそれを人間に押し付けるなら、国家は人の存在に対峙する存在、枠になると思います。民族や歴史の中にそれらの回答を求めても、そこにはないと思っています。
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